足元の幸福
「う〜んないなぁ〜」
「ここにもない!」
「ねぇ、本当にあるの?」
「嘘なんじゃないの?」
「絶対あるよ!お姉ちゃんが持ってたもん!」
真剣な表情で地面に這いつくばる友人3人を私はただぼーっと見ていた。
「絶対見つけて願い事するんだから!」
「見つけたら幸せになれるって言うよね」
「どんな願い事しようかなぁ」
「あ、カズちゃん、サボってるー!!!」
ウキウキと願い事を考えていた3人だったが、私が捜索に加わらずにぼーっとしているのを見つけたようだ。
「真剣に探さないと見つからないよ?」
「見つからないと幸せになれないんだよ?」
「カズちゃん、幸せになれなくていいの?」
口々にそう言ってくる友人たちに私は一つため息をついて、足元に広がる緑の絨毯から、三つ葉のクローバーを1つ手に取った。
花言葉は
「愛」「希望」「信頼」
これだって十分に幸せなのに、まだ足りないと言うのだろうか?
「今日は私、帰るね」
そう言って家に帰った私は、そのなんでもないクローバーをしおりにして本に挟んだ。
* 3月28日 三つ葉の日 *
「み(3)つ(2)ば(8)」の語呂合せ。
引用:今日は何の日(https://www.nnh.to/03/28.html)
[ あとがき ]
ノーマルのミツバのクローバーだって、素晴らしい意味を持っているんですよね。
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