sYNChroNICItY
Side:L
「キュン」
「は?」
「いや、なんでもない…」
「なんでもない事あるか!
なんだよ龍樹、急に気持ち悪い…」
「いや、ほんとなんでもないから」
「あのな、健全な男子高校生がサッカーの話の途中に「キュン」とか言わねーんだよ!」
「え?そう?」
「そうに決まってんだろ!
ちゃんと説明しろ!」
「説明って言ってもなぁ…
なんて言うか…発作?みたいな?」
「どんな発作だよ、キモ…」
「そう言ってくれるなよ親友。
俺も困ってんだよ…」
Side:R
「いやーん、可愛い!可愛い!可愛い!!!!」
「夏樹、ほんっと可愛いね!このうさくまグッズ!」
「発売日当日、1時間並んだだけあるわぁ〜
これも、これも、これも、全部キュンキュンするー!!!!」
「どれ買おうか迷っちゃうね」
「もう、破産しちゃうよぉ〜!!!」
Side:L
「あ、そういえばさ」
「何?」
「お前、彼女と別れたってほんと?」
「あ、誰かから聞いた?
そうなんだよ、なんか急に別れるとか言われてさ…」
「理由、わかんないの?」
「ぜんっぜん…
ほんと女心ってわかんねーわ!」
「まぁ、そう言うところじゃないの?」
「なんだと、こら!」
「おい、やめろって、ほっぺたつねんな!!!」
Side:R
「イタタタタ」
「どうしたの?夏樹」
「なんか急にほっぺたが痛くて…」
「大丈夫?どっかにぶつかった?」
「いや、特にはどこにも…
でも、よくあるんだよねー」
「突然痛むこと?」
「うん。なんて言うか、発作みたいな?」
「それ大丈夫なの?病院行った方が…」
「そう言うのじゃないから大丈夫大丈夫!
よし、じゃあ気を取り直してパンケーキ食べよう!
私チョコレートパンケーキのホイップマシマシで!」
「さっきまでほっぺた痛いとか言ってたのにすごい食欲w」
「それはそれ、これはこれよw」
Side:L
「なぁ龍樹、腹減らない?
ファミレスでも寄ってく?」
「おぉ、いいな!
いや、ちょっと待って…
これはケーキ…いや、パンケーキか…
しかもホップマシマシとかどう言うつもりだよ…」
「あのー、龍樹さん?どうされました?」
「いや、なんでもない。こっちの話」
「なんかお前変だぞ?」
「まぁ、気にするな。
それより大盛りポテト食べにいくぞ!」
Side:R
「ハァ〜、お腹いっぱい。
もう食べれな〜い」
「パンケーキ美味しかったね!
それにしても夏樹、よく食べたねw」
「いやさ、うちのお兄ちゃんが甘いの苦手だからちっちゃい頃からこういうのあんまり食べてないんだよね。
憧れだけが募るって言うか。
だからその反動?」
「わかる!うちも厳しかったから山のようにホイップクリームが乗ってるパンケーキとか食べたことなかった。
ってか、夏樹ってお兄ちゃんいたの?」
「うん。双子のね。
え、嘘でしょ、ちょっと待って…」
「何?どしたの?」
「なんでもないんだけど…
今から大盛りポテトはやばいって!」
「え?ポテトなんて頼んでないよ?」
「もう食べれなーい!」
それから帰宅後。
Side:R
Side:L
「お兄ちゃん、私がパンケーキ食べたの知っててポテト食べたでしょ!」
「お前こそ、俺が甘いの苦手なの知ってるくせにあんな甘いもん食べやがって!」
「いいじゃん、私は食べたいんだもん!
それに、ほっぺたつねったでしょ!
乙女の顔に傷が付いたらどうしてくれるのよ!」
「そんなこと言ったらお前、「キュン」って何なんだよ!
友達に怪しまれたじゃないか!」
「ほんっとにもう、共感覚なんていらない!」
「ほんとにもう、共感覚なんていらない!」
しかし、死ぬまで双子の絆は切れないのであった。
* 2月5日 ふたごの日 *
双子育児用品の専門店・ベラミが制定。
「ふた(2)ご(5)」の語呂合せ。
引用:今日は何の日(https://www.nnh.to/02/05.html)
[ あとがき ]
昔双子に憧れてました。
なんかかっこよくない?
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