Story 4 プルプル族の一大事 その1
今日は一年に一度、プルプル族が集まり、誰が一番プルプルできるか競うプルンルンの日。
なまこ族のなまこめ君にとっては初めてのプルンルンの日です。
ずっと楽しみにしていた日が遂にやってきて、なまこめ君は朝から大興奮。
でも、お父さんとお母さんはちょっと緊張している様子。
そして他のプルプル族のみんなもいつもと様子が違ってる。
茶色く光るカラメルヘアーが似合うプリン族のプリリンも元気がないし、いつもはゴージャスなナマクリングをつけているババロア族のババロンマリコさんも今日はリングをつけてない。
「いったいどうしちゃったのかしら…!?お父さん、みんなどうしたの?」と、なまこめ君が聞くと、お父さんは、
「どうやら今日、我らプルプル族の長老、トウフ族のトウフプル長老から大事な話があるらしいんだ。」
お話ってなんだろう。なまこめ君は気にはなりましたが、遠くに仲良しの豆腐兄弟ゴマプルとタマプルの姿が見えたのですっかりお父さんの話を忘れて走っていきました。
「バックプルル~ン!!」
「なにお!俺はプルーンバスターだ!」となまこめ君がゴマプルとタマプルとプルレスを楽しんでいると、急にあたりがざわざわしはじめました。
「長老だ!」とゴマプルが叫びました。あたりは一瞬で静まり返りました。みんな長老が何を話そうとしているのか、不安と興奮で体が無意識にプルプルしはじめています。
長老は開口一番、「プルプル族の存亡の危機である。」と体を小刻みにプルプルさせながら言いました。周りの大人たちはびっくりして、「長老、存亡の危機っていったいどういうことですか!?」と叫びました。
トウフプル長老は、「存亡の危機と言えば存亡の危機じゃ。このままではプルプル族は滅んでしまう。」
「そんな!そんなことはありませんよ。」と体が半透明なゼリー族のジェロジェロセブンが言いました。
「あまい!」長老は一喝しました。
「世間は空前の歯ごたえブームを迎えておる。
”このせんべい、超バリバリする。”やら
”この大根サラダ、シャキシャキして美味しい。”やら
”この天ぷらのサクサク感たまらない。”やら言うじゃろ。
しかし、”このババロア、プルプルしておいしい”などと誰も言わん!」と叫びました。
それを聞いたババロンマリコさんは、「そんな、ひどい…。」とプルプル泣き始めてしまいました。
「そんなことないやい。」となまこめ君は思いましたが、長老の真剣な顔を見ていたら、何も言えなくなってしまいました。
「それでは我々はこれからどうするんですか?」となまこめ君のお父さんが聞きました。
長老は一言、「簡単じゃ。プルプルするのをやめればいいのじゃ。今年のプルンルンの日はプルプル禁止大会に変更する!優勝者にはプルプル族を救う勇者の称号を与える!」
「え~!!!!!」みんなの大絶叫があたりに響きわたります。もうみんなプルプルが止まりそうにありません。
続く
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※毎晩息子に読み聞かせならぬ語り聞かせをしています。内容をどんどん忘れていくので書き留めていくことにしました。
「プルプル族のお話」はClubhouseというSNS内のお部屋「ゆりかごの歌クラブ」の中ででたふとした話からイメージをもらい作ったお話です。その2に続きます。