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ラピュタは嵐の中にいる

映画、天空の城ラピュタの名場面の一つで、竜の巣の中をワイヤーの切れたグライダーで彷徨いながら、パズーとシータがラピュタに到達するシーンが印象的でした。公開されたのが1986年ですから、2022年現在で36年前の作品になります。いつの頃からか、積乱雲の代名詞として「ラピュタ」や「竜の巣」が使われるようになりました。実際に積乱雲を見ていると、上昇気流に乗って上へ上へと発達していく様子はまさに竜の巣、ラピュタは本当にあったんだ!と思ってしまいます。

発達中のかなとこ雲

ヘッダー画像はスタジオジブリから提供されている作品静止画を拝借しています(https://www.ghibli.jp/works/laputa/)。

普段、ストームチェイサーとして活動していると、積乱雲を目にする機会は一般の方々に比べて遥かに多い訳ですが、その中でもこの雲はスゴイな~とか、カッコいいな~と思うものに出会うことがあります。積乱雲が発達しながらピークを迎え、これから衰退期に入るところで一気に溜め込んだ力を放出します。現場で見ていて面白いのはピーク時ではなく、その前後であることが多いです。写真的には完璧に整った形よりも、やや不完全な方が面白いという側面があります。特に日没前後の、やや赤みがかった光線を浴びる積乱雲は格別です。

夕日を浴びる積乱雲

そんな積乱雲を何点か紹介します。いずれも至近距離ではなく、約20km~50kmほど離れた場所にある雲を撮影したものになります。積乱雲はとても大きいので、至近距離では超広角レンズでも収まりきれませんし、雲頂部分まで捉えるためには離れた位置から撮影する必要があります。

これから発達する積乱雲
雲内で放電を始める
ピーク時には地上に放電

ラピュタは嵐の中にいる。聞こえないのか?このまま進むんだ。必ず入口はある。敵役の諜報員ムスカの名言ですが、ストームチェイサー的にはこちら寄りかなと思います。普通なら避けるであろう嵐に向かって行くさまは、一般の方々から見れば常軌を逸した行為なのかもしれませんね。

激しく対流する積乱雲


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