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AIで蘇る昭和30年代

私の写真の原点は実家です。昭和30年代から祖父と父で写真店を営んでいたため、物心ついた頃にはカメラや写真が身近にある環境で育ちました。期限切れのフィルムをもらって撮影したり、印画紙の切れ端で日光写真をやってみたり、写真が遊び道具だったわけです。

祖父は私が小学校2年生の時に、父も10数年前に亡くなり、残されたものは大量のネガとプリントでした。きちんとファイリングされてればいいのですが、無造作に箱に入れられたままの状態でした。とりあえず160サイズの箱に3箱、目一杯詰め込んで引き取ったわけですが、特に写っているものを確認することもなく10数年押入れで眠っていました。

押入れの2/3を占領する役に立たないネガとプリント、痛みの激しいものは廃棄して、貴重なものだけピックアップすることにしました。現在完全にデジタル化して、ライトボックスなども処分してしまいましたので、光に透かして確認するも効率が悪すぎて一向に進みません。そんな中、いくつか貴重な記録がありました。ひとつは文化勲章受章の陶芸家、板谷波山を撮影したネガ、昭和30年代前半に東京田端の工房で撮影されたものです。もうひとつは益子の陶芸家、加守田章二を撮影したネガでした。

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他に私の目を引いたのが、昭和30年代の地元の鉄道風景、駅前風景です。私は昭和40年代生まれですが、おぼろげに記憶に残っているような景色です。これらの写真をスキャンしてデータ化した後、AIによる自動色付けをしてカラー化してみました。無料で色付けできるサイトはいくつもありますが、コントラストが高い写真ほど変な色合いになることが多かったです。このあたりはまだ人間の感覚のほうが優れているように感じました。

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写真は昭和30年代の国鉄水戸線、下館駅と小山駅、常総筑波鉄道時代の常総線、下館駅です。今では考えれれませんが、鉄道の敷地内で子どもたちが遊んでいるんです。おおらかな時代だったんですね。考えてみれば、自分の子供時代も今のように決まりごとが多くなかったですからね。

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元々モノクロだった写真をカラー化することで、当時の空気を感じられるような気がします。押入で眠っているモノクロ写真があったら、こんな楽しみ方もありますよ。

AIカラー化やモノクロカラー変換などで検索すると、自動着色してくれるサイトがいくつもヒットします。基本無料ですが、一部の機能や商用利用には有料版を使う必要がありますのでご注意を。それにしてもすごい時代になったものです。



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