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熱ノイズとの戦い

私が長年使ったマイクロフォーサーズからAPS-Cサイズに乗り換えた理由はたったひとつ、それは「熱ノイズ」との戦いに疲れたからです(笑)。雷を長時間露光で撮影する場合、熱ノイズとの戦いになります。特に盛夏は発熱しやすく、満天の星空のように赤い点が散りばめられます。ノイズリダクションをONにすれば万事解決という訳でもなく、露光時間分の処理時間が必要になるため、撮影効率が悪くなるだけでなく、撮影のリズムが崩れて集中が切れてしまうことがあります。

熱ノイズが出てしまうと、多くは赤い点が散らばります。これをRAW現像ソフトを用いてひとつひとつ消していくのですが、2000万画素の写真を1枚処理するのに約45~60分程掛かってしまうのです。これでは撮影効率は上がっても、後処理の効率が悪くなってしまい、結果的には同じことになってしまいます。一時期、カメラを2台用意して、ノイズリダクションをONにしたうえで交互に使用することもやりましたが、中途半端な写真を量産する結果になってしまい、やはり1台で集中して撮影するスタイルに戻りました。

熱ノイズの出かたはイメージセンサーのサイズに依存します。センサーサイズが大きいほど有利になりますが、サイズが大きくなるほど消費電力も大きくなり、バッテリーの持ちが悪くなります。35mmフルサイズのミラーレス機も使用してみましたが、バッテリーの持ちの悪さに閉口して、バランスの良いAPS-Cサイズに落ち着きました。APS-Cサイズなら性能や価格もこなれていますし、レンズのラインナップも豊富で選択肢が非常に多いです。

補足としてセンサーのサイズを記述すると、APS-Cサイズが23.6×15.8mm、マイクロフォーサーズが17.3×13mm、35mmフルサイズが36×24mmです。APS-Cサイズを100とすると、マイクロフォーサーズが60.3、35mmフルサイズが231.7になります。少し前まではAPS-Hサイズ(30.2×16.7mm)というAPSフィルムのHサイズ(16:9)に近いセンサーサイズがありましたが、ここ数年は新たな機種もなく、後継も出ない感じです。

プロなのになぜフルサイズ使わないの?なんて言われることもありますが、機材は必要に応じて選ぶのが基本です。適材適所、人間と同じで、カメラにも向き不向きがあるのです。もちろん熱ノイズ以外に関して言えば、マイクロフォーサーズはバランスの良いカメラです。何より被写界深度が深くピントの抜けが少ないですし、バッテリーの持ちが良く、小型軽量でハンドリングが軽いところは魅力です。

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