#インボイスRADIO vol.9 参院選SP/立憲民主党・落合貴之さん
2022年6月22日インボイスRADIO vol.9 第二部
立憲民主党 落合貴之さん
ーー落合さんは『STOP!インボイス』という私達の活動はご覧になっていただけていたのでしょうか。
落合貴之さん(以降、落合) ああ、そうです、もちろん。
ーーありがとうございます。
落合 『STOP!インボイス』を始めますと言って最初に来てくれた一人ですよね? 僕のところと、山本太郎さんのところに最初に行ったっていう風に伺いましたけれども。
ーー私はその時の初期メンバーではないんですけれども、その節はお世話になりました。
落合 応援していますよ。こういう動きをしないとやはり世の中にインボイスの問題が知られないと思うので、非常に重要だと思いますね。
ーー当時、インボイスをちゃんと取り扱ってくれている政治家の方と接点を持ちたいというのが我々の中にあり、それでご連絡させていただいて。
落合 そうなんですね。ありがとうございます。
ーーでは早速インボイス制度についてお聞きしていきます。制度自体が複雑で、理解しにくい制度だと思いますが、落合さんが有権者にわかりやすく一言でインボイス制度を説明するとどうなりますでしょうか?
落合 僕はですね、江戸時代の年貢の取り立てだと思ってます。江戸時代の年貢は、収穫量の半分くらいしか本当は取らないわけですよね。でも、収穫高が少なかった時に、半分も税金で納められないという時があるわけです。それでも、時代劇とか見ていると、軒下とかに隠しているものがないかとか全部チェックして、全部取っていこうとするわけですよ。それで、もし隠しているのがあったとしても、それって一年分の、その家族の食べる分なわけですよね。その分まで全部取っていくと。
消費税だって「年収一千万以下は払わなくていいですよ」と言っていたわけで、それは年収一千万以下の人達から消費税分取っちゃったら利益がほぼ残らないだろうという事で優遇していたのにも関わらず、それがわかっていながら「これからはその分も取ります」と言っているわけですから、これは非常に問題がある制度の変更だと思いますね。
ーーインボイス制度は反対の中でも見直し、凍結、中止、廃止と色んなスタンスがあります。落合さんのスタンス、それから立憲民主党としてのスタンスをお聞きしてもいいでしょうか。
落合 立憲民主党はインボイス廃止法案を作って出しましたので、廃止でいいんじゃないかと思います。
当初、僕は2016年からこの問題を取り上げているんですけれども、当時は廃止とまでは言っていなくて、延期した方がいいんじゃないかとか、そういう言い方をしてきました。
ただですね、一年くらい前から税理士会でさえ「止めるべきだ」「インボイスは問題だ」と言い始めたので。税理士会ってわりと財務省に近いですし、自民党にも近いわけですよね。その団体でさえインボイスは問題で止めるべきだと言い始めたので……税の専門家ですよね。インボイスがなくても今までの方式で8%と10%の複数税率にも全部対応できますと声明も出し始めたので、これを見て「専門家も言っているんだから廃止で大丈夫だ」という事で、私も廃止という風に言い始める事にしました。
ーーインボイス廃止法案を出すに至る経緯を、お話いただける範囲で教えていただけますか?
落合 インボイスについてはほとんど反対は出ていないですね。なので、各政治家に各地区から色々話が行っているんだと思います。自分の地元の人達から意見が来てるんじゃないかなと思いますね。
ーー落合さんはどういった理由でインボイスに対して反対していらっしゃるんでしょうか?
落合 沢山あると思いますけれども、3つくらい上げるとしたらひとつ目は、十年くらい前から「アベノミクス」ってやっていましたよね、経済政策で。「これだけ景気が良くなりました」って安倍総理も当時言っていたわけですけれども、その安倍総理でさえ、その時に「アベノミクスの果実は中小、小規模事業者までには行き渡っていません。だからまだ道半ばです」って言ってたんですよ。
それで、たしかに事業規模別の利益率を見てみると、やっぱり日本は大きい事業者ほど利益率が高くて、小さい事業者ほど利益率は低いんですよね。アベノミクスの時でさえそうだったんですよ。
その後、アベノミクスの最後の方に消費税を8%から10%にして、その後コロナがありまして、今回戦争があったと。これ、どんどん経済は……良い方向には行っていないんですよね。
タイミング的に、元々小規模事業者が大変だって言ってるのに消費税増税して、コロナで、戦争で、それにプラスしてインボイスやりますっておかしいじゃないですか。導入するにしても……導入自体に反対ですけれども、タイミングが完全におかしい。
ーー今じゃないでしょ、って感じですよね。
落合 本当にそうなんですよ。やらない方が絶対にいいんですけれど。それから中身の問題としては、やっぱり消費税自体にも問題があるので、それを広げていくというのはおかしいですよね。
消費税って、利益が出ようが出まいが、事業者は払わなきゃいけないわけですよ。納めなきゃいけないわけですよ。だから売上税なんですよね、実は。法人税とか所得税とかは利益に掛かっているわけじゃないですか。儲かっているんだから税金として払う、というのはまだ税金としてわかるわけですけれども、「儲かっていようが儲かってなかろうが取ります」という税は極力少なくした方がいいですよね。
この三十年間って、税が足りないと言って増税したのってほぼ消費税しかないわけじゃないですか。今回は税率を上げるわけではないけれど、免税になっている人達も払えという事なので、実質的には小規模事業者増税なわけですよ。消費税ばかり増税するのが正しいんですか、という事ですよね。
法人税も、中小規模企業よりか大企業の方が実質的に払っている負担率って低いんですよ。所得税も一億円の所得を超えた人から平均すると、どんどん負担率って下がっていくんですよ。庶民の方が払ってるんですよ。なので、もしどこかを増税するんだったら、そういう儲かっているのに払っていない人のところから税を見直せばいいのに、なんで弱い人達のところから先に増税するんですかっていうのは、非常に……これ、弱い者いじめだと思います。そういうのが反対の理由ですね。
ーーインボイスは2016年に法案が通ってしまっているわけですが、コロナ禍を想定したものではなかったのに今やろうとしているわけなんですが、今このインボイスの実施を止める為にできることはどういうことだと思いますか?
落合 やめさせるには、国会でやめるという事を決めないといけないので。税制の変更っていうのは毎年、年明けにやるんですよ。一月から三月までの間に審議をしますので、今年中に政府の方針を変えさせないといけないと。それじゃないと来年の秋からのインボイス導入は確実にそのままになってしまうので。そうなると、今やっている参議院選挙で一定の力を見せるしかないという風に思いますね。
皆さんインボイス反対している方々に申し上げているんですけれども、我々も法案を作って、影響がある人の数というのが正確にわからないんですが……200万から500万人くらいあるとして、これ結構な数なんですが、有権者全体からすると2%とか5%くらいなんですよ。
衆議院選挙の場合は小選挙区制度で一位にならないと世の中の半分以上の人が関心ある事しか争点にしづらいわけですけれども、参議院選挙って全国比例という仕組みがあって、1%の意見でも2%の意見でも、全国比例の候補者がそれを集めれば当選できちゃうんですよね。100万人とかが動けば当選できてしまうわけなので、参議院の方が、例えば少数の意見のLGBTの問題とかを最初に取り上げるような人達は全国比例の方が多いので、そういう意味でインボイスの問題は参議院の全国比例区の争点としてやっていくのが一番良いと思うんですよね。
200万人以上は確実にいるので、その人達が何人かインボイス反対の候補者を当選させる事で政府もインボイス反対の人達を無視できないと思いますので、そういう力を見せつけるためにこの参議院選挙の、特に全国比例の選挙は重要だと思います。
ーーある意味、民意が反映されやすい選挙という事ですね。
落合 そうです。国民全員が知らない問題でも意見を通しやすいのが参議院の全国比例の選挙ですね。
ーー衆議院選挙は政党の名前を書くものですが、参議院選挙の比例の場合には個人名を書けるので……
落合 そうですね。(衆議院選挙では)個人名を書けないので。(参議院選挙の比例では)個人名が書けるので、インボイス反対って掲げている候補者に投票すればその人が受かるわけですね。
今回の参議院選挙で止めないともうこのまま行っちゃいますから、正直、最後の戦いであり最大の戦いだと思います。
ーー野党合同で消費減税法案を出されています。今後それがどのように国会で展開していくのかもお聞きできればと思います。
落合 国会が終わった後に選挙をやると廃案になってしまうんですよ。なので、衆議院で出した法案は、衆議院選挙が行われたら全部廃案になってしまうんですね。今回は参議院選挙で、衆議院選挙ではないので、基本的に出した法案は全て継続されます。
どの法案を審議するかというのも与党と野党との話し合いで、しかも多数決で何を審議するのかというのも決めるので……与党側が、反対だとしても審議くらいはしていいよと言ってもらえる状況を作っていく事が必要です。やはり今回の参議院選挙であまりにもインボイス反対の声が多くて「これ審議せざるを得ないな」という状況を作っていくのが、次の国会で審議されるかどうかのポイントになると思います。
ーーやはりこの参議院選挙が大事になってくるのは変わらないという事ですね。
落合 そうですね。段々とインボイスに理解は深まってきていますけれども、数年前なんて当事者の方々も理解していないとアンケートに答える事が多かったですし。
今、(署名は)五万筆集まったんでしたっけ? その五万人の方々が、より周りの人達に広げていくというのが本当に重要だと思います。
ーーそれこそ、この二週間くらいで五千筆くらいが一気に集まりました。
落合 こういう時に加速度的に関心が高まっていくので、広がりやすい状況ではあると思います。なので声掛け運動を、今の熱い時にやるというのは重要だと思いますね。
ーー頑張りたいです。
落合 我々もサポートしていきますし、やっぱりこういう事をやって「税金だけ取って事業者は潰れてもいい」なんて政治がやってはいけないですよね。
ーー落合さん、ありがとうございました。
落合 ありがとうございました。
●この回の音声アーカイブ(YouTube)
●「インボイス制度」反対へのオンライン署名
Change.org のサイトから、簡単に署名ができます。ご賛同頂ける方は、ぜひリンク先からご署名ください。10万筆、20万筆と積み重ねることで、国を動かす大きな力になります。