2024 振り返り
DJ/プロデューサーのStones Taroです。
今年から色々世界各国をDJツアーとして巡らせてもらい、ツアーレポを書いてきました。次回のツアーレポは年明けになるので、今回は今年の個人的なトピックについて色々まとめを書き残したいと思います。
音楽の話ばっかりなのでトラベルレポ目当てで読んでくれている方は飛ばしても良い内容かも?
正社員リタイア
今年の前半、仕事の出勤を半分ほどに減らした。つまり正社員ではなくなった。
7,8年ほどフルタイムジョブと音楽家の壮絶ダブルワークを遂げてきたわけであるが、子育てなどのライフイベントにより割と限界にきていた。
音楽か仕事の二択はこの立場になってみると想像以上に独特な葛藤だなと思った。特に日本の音楽家の永遠のテーマだ。この葛藤を誰か歌にしてみて欲しい。
そんな中自分に一歩踏み出す勇気っぽいものをくれたのは、Draaimolenのオファーと自分の1stアルバム"Dwellers Of The Seabed"の仕上がりだったような気がする。
他人より良いDJ/プロデューサーだ、という自信がある訳ではないが、昨日の自分よりは良くなっている、という自信はなんとなくある。
ということは将来、今より良いDJになり、今よりいいアルバムが作れるはず。まぁなんとかやっていけるだろう、と思った。
「やれるかな…?」と相談し、妻からは「やってみんかい!」的な力強い言葉をもらった、正直1番不安になる立場だと思うが、1番のファンであり続けてくれている。ありがたい。実父は相当不安がっていた。当たり前である。
最終的に会社と相談して週3出勤に。周りもこんなヤバいやつを優しく見守ってくれている。もちろん、これまでちゃんと仕事してきた、というのは大切なポイントだった。そもそも仕事嫌いじゃない、ということはこんな生き方でも大事なことなのだと思う。
アルバムリリース
先ほども触れた1stアルバムのリリースは人生イチのトピックだった。
これまで色々なレーベルからたくさんリリースしてきたが、全て四曲程度のEP単位。
このままのスタイルでいってもいいけど、これだけやとなんとなくおもんないな、というフェーズに差し掛かり、自分試しのつもりで腰を据えてアルバムを作ってみた。
制作工程やテーマに関することは以下2本のインタビューでアホほど語っている。
特にMINORIさんに長々と話を聞いてもらったTurn Tokyoのインタビューは、音楽観について結構思い切ったことを言わせてもらっている。ありがたい。
金と人脈さえあればどうにでもなってしまう"結果"というものは自分のものにならないこともある。(ゴーストライターがいる大金持ちに負ける。とんでもなく多くの広告が出せる組織に負ける。etc.)
とはいえ結果を目指すことも大切なのだが、個人的には"準備"、"練習"、"プロセス"など、究極的に自分だけのものになる部分に執着している。
その延長線上の話だと思うのだが、Stones Taroというプロジェクトでは、次に自分が作る曲を聴きたいから曲を作る、というサイクルが回り続けている。手段をどんどん目的にしていく。その回転がこの"Dwellers Of The Seabed"に至ったような気がする。
このアルバムに関しては、ありがたいことにMixmag AsiaのBest Music Of 2024という結果が偶然発生した。まぁとにかくそういうことである。(正直自分もOn The Board感がある。)
国内フェス
今年国内の大型フェスでは4月にRainbow Disco Club、5月にStar Festivalに出演した。大切な時間を任せてもらえて大変光栄だった。
クラブでの出演とフェス、自分の場合はプレイに差がある訳ではないが、変態ではないのでやっぱり大人数の前の方が責任を感じて緊張する。
RDC
RDCは15周年ということもあり、ドリームチームのようなラインナップ。
RDCの大勢のお客さんを前にして、自分らしさとフロアの間で結構悩みながら選曲していたのだが、楽しんでもらえたかな。楽しんでもらえていたら嬉しいな。
二日目は妻や友人たちと熱川バナナワニ園を楽しんだり、アジ丼食べたり、会場に戻ってお客さんとしてガッツリRDCを楽しんだ。
あの夜のMr. Ho氏のDJは特別だった。前半一杯BPM120台の横ノリブレイクビーツ。フェスにも関わらず、きちんとパーティーを作るプレイをしていた。来年はたくさん会えそうなので感想を伝えたい。
Star Festival
京都で開催されたStar Festivalは友人のDubrunnerとレーベルメイトのLomaxも同時に出演。
情報量が多くて何を言ってるか分からないと思うが、Breaka & Bakey兄弟のお母さんがDJ MARKY & STAMINAでガン踊りししていてイギリスのおかんヤバ過ぎると思った。
今回用意されたナイトタイムステージは、小規模で集中して踊りやすい雰囲気。Craig Richards前に歓声が上がるフロアに仕上げられてよかった。
ちなみにウチの子のフェスデビューは翌日昼のFumiya Tanaka。なんと贅沢なものだ。
たくさん貴重な経験をさせてもらっている。
パーティー主催
今年はNC4Kの主催パーティーも定期的に行った。ツアーの合間をぬってよくこんなにやったなーと思う。色々調整をやってくれているマゴチにありがとうを伝えたい。
NC4Kの主催パーティーについては色々方針変更してみるなど、今だに文化祭みたいなことを続けている。9月から参加してくれているカオのデコ、毎回驚かされて楽しい。
次回は1/17サーカス大阪でDJ Fart in the Clubを招いてNC4Kのレーベルナイト。ここ最近一番やりたかったゲストDJと一緒にできる。ピンときた人は是非NC4Kどんなもんか見にきてください。
DJワールドツアー
今年は色々な都市からDJのお誘いがあり、飛行機でよく移動した。
6月:台北、上海
7月:メルボルン、シドニー
8月:グラスゴー、ブリストル、ロンドン
9月:ティルブルフ、ユトレヒト、ムンバイ、ゴア、バンガルール
10月:ジャカルタ、ハノイ
数えてみると、8カ国14都市。ヨーロッパはもう少し色んな国に行ってみたかったが、プロップス的にもまだまだこれからだ。
実は昨年まで人生でアジアの外に出た経験は2回しかなく、かなり飛行機&海外音痴だったのだが、とても鍛えられた。英語も。友達がたくさんできた。
そしてこのツアーレポの執筆を始めた。ここ最近会う人会う人にレポいつも読んでますと言ってもらえる。嬉しいので来年も続けていく。感想やツッコミもくださいね。
まとめ
アルバム1枚出したり、レコードのEP2枚出したり、リミックスやデカい楽曲提供も多かった。今年は比較的スランプ気味ではあったが、作曲能力がかなり成長した。DJにせよ制作にせよデザインにせよ、すごく手札の幅が広がった一年だった。
とりあえず次は年越しのベトナム・フーコック。そして2月のオーストラリア、3月のマニラと海外が続く。
またツアーレポを残そうと思います。
20年後ぐらいに子に読んでもらいたいものですね。
おわり