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2024年7月 DJツアー オーストラリア
京都拠点のダンスミュージックレーベルNC4KのStones Taroです。DJをしています。
今年はワールドツアーで色々な国でDJするので日記を残していこうと思います。
AUSツアーのきっかけ
1月ごろ、オーストラリアのブッキングエージェンシーTangle AgencyからAUSツアーのオファーがあった。
ありがたいことに僕のような音楽はオーストラリアで今とても需要があるらしく、いい感じにツアーを組んでくれるっぽかった。
仲良しのベース系プロデューサーもメルボルン中心に急速に増えてきていている。また京都でDJした後にいいフィードバックをくれる観光客はメルボルンの人が多かったので、なんとなくそんなシーンの想像がついていた。
UKのプロデューサーブラザーズ、Breaka&Bakeyの兄弟B2Bのボイラールームもメルボルンだったなー、と思い出していた。
もちろんツアーやりたいで、と回答して、どんなツアーになるかしばらくワクワクしていた。
公演がどう決まっていったか
エージェンシーが各地のプロモーターに、Stones Taroのギグやらんか、と聞いてくれて条件が合ったイベントをツアーとして組み上げていくのが基本。だけど個人的に直接もらったオファーをぶち込んでいく方が安心感がある。
そこで以前から何回かオファーをくれていたが日程NGで実現していなかったシドニーのレイヴクルーCocorico RaveにDMしてみた。
それやったら7月に倉庫を使ったレイヴをシドニーでやるからTaro出てくれや、ということになり、エージェンシーに連絡して上手く条件合わせといて〜と返事をした。最終的にうまく条件合致してよかった。
エージェンシー側では日本人のプロモーターマナトさんがオーガナイズしているTokyo Love Hotelというイベントを決めてくれていた。
二つ返事でオーケー出したけど、やっぱり本当に自分がマッチするのか不安になりインスタで過去の出演者やイベントの動画を探してチェックしたりした。(これは日本のイベント出る時もやる。)
色々あって最終的に7/20シドニー、7/21メルボルンというツアー日程が確定した。
ビザをどう取得したか
一定以上の規模でDJとして興行する場合、ほとんど全ての国でエンタメ系のビジネスビザが必要だと思う。
もちろんオーストラリアも手続きが発生する。個人で申請しても取れるものなのだと思うけど結構お金と手間がかかる。
逆に海外アーティストを日本に呼ぶ時に興行ビザのこと考えるのはマジで神経使うので、いつも詳しい方に頼っている。
今回のツアーの場合はエージェンシー側のプロが手配してくれた。
こちらは渡されたフォームに諸々入力したり、プレスキットを用意したり、パスポートスキャンして渡したりというぐらいで全然手間はかからなかった。ありがたい。
(別件でインドの興行ビザ申請した時は、エージェンシーとテレビ電話しながら、自分でフォームに入力した。色んなパターンがあると思う。)
2週間後ぐらい?で難なく採択されたとの連絡。空港側がデータで持ってるので特に入国審査用に印刷とかは必要ないらしい。
ツアーの条件は?
金額は置いといてどんな内訳になっているかは説明したい。
今回のケースはLanded Fee + 現地での諸々というやつで、国際フライト費用のみこちら負担になり、それ以外のツアー中の費用は全て向こう負担になる。
(Landed Feeは使う人によって定義が曖昧っぽいので怖い。もしそういう条件が来たらこちらの負担がどこからどこなのかをきちんと再確認した方がいい。)
例えば同じ飛行機でもオーストラリア内のフライト移動費はエージェンシー手配になった。
逆に言うと国際線選びで最終的な純利益が変わってくるので、毎日フライト検索したり情報収集した。
結局シンガポールチャンギ空港乗り換えのシンガポール航空便にした。値段もほどほどで到着時間がバッチリだった。
ツアーに先がけたプロモーション
ツアーに先がけて、エージェンシーから依頼されたのは現地ラジオへのミックス提供だった。
これはUKツアーとかでもよくある。
ここでアーカイブ聴けます。
デカいラジオのプログラムなので、英語で一言二言コメントいれなきゃいけないので、子を寝かしつけた後にゴニョゴニョ録音した。
アリムラとも話したことあるけど英語で喋る時、発音が気になって普段と違うテンションになってしまう。日本語で喋る時と違う人格になってる気がしてソワソワする。もっと経験と練習がいる。
あとはツアーのヴィジュアルを自分で作ったりした。
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以上がツアーに行くまでの事前準備編。ここからはツアー編です。
関空からメルボルン
関空からシンガポール航空を使ってシンガポールチャンギ空港へ。そこでトランジットしてメルボルンに向かうルート。
シンガポール航空は丁寧で、個人的に機内食もいい感じだったのですごくよかった。
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日が変わるぐらいにチャンギ空港に到着&待機してメルボルンへ向かう便に乗り換え。
写真撮り忘れたけどめっちゃチャンギ空港が豪華だった。
シンガポールからメルボルンに向かう便はほぼ寝ててあまり記憶がなく一瞬で着いた。
初日:メルボルン
定刻通りにメルボルンに到着。
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めっちゃ寒くてびっくりした。9°Cぐらい。到着した日は特に寒い日だったらしい。
出発した日の京都が34°Cぐらいあったから気温差がヤバい。でもダウンなくてもギリなんとかなる寒さ。
プロモーターの方にピックアップしてもらい、宿泊先のノースメルボルンへ。
そこでご馳走になったパン屋さんBread Clubがとても美味しかった。
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昼間は睡眠を取ったり、リミックス仕事やるなど。
夜はレコ屋さんSkydiverにその日は大好きなメルボルンのレーベル、Butter SessionsのオーナーのHybrid ManがDJしていた。めっちゃいい曲をプレイしていて、何曲かTrack ID教えてもらった。
メルボルンはコロナのあとレストランや小さなバーで、ディナーの営業中にBGM的なDJをブッキングするのが盛んになったらしい。
そういったレストラン/バーや普通のクラブでのDJである程度生活できてしまうらしい。良い音楽をかけるDJが普通にジョブになっている。
Skydiverで窯焼きの美味しいピザとチップスを食べて、QQQというクラブに移動。その日はジャングル〜ドラムンのパーティー。サウンドシステムがめっちゃ良くてびっくりした。全くしんどくないしナチュラルに踊ってしまう。22:00台でドープ
https://ra.co/events/1953636
そこからNew Gernicaという大きなクラブに移動。KilljoyやMincy、IsGwan、Coldpast、Tuff TraxなどのUKガラージ系のプロデューサーが一同に会するイベント。そこはかなり大箱でハイがキツめで長くは居られなかった。Room2は甘いガラージ2ステップ系で良かった。次の日シドニーへのフライトがあるので早めに帰宅。
https://ra.co/events/1949400
2日目:シドニー
2日目はJetstarでシドニーへ移動。飛行時間は1時間半ぐらい。天候と例のCloud Strike問題の影響で全便ズレまくってて、自分の便も2時間近く遅延した。
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ゲキ揺れフライトでシドニー着。
空港までCocoricoクルーが迎えにきてくれた。なぜかみんな早口でビビったが、お前のこの曲はこうで最高だ、この曲も好きだ。とめっちゃ詳しくラブを示してくれてかなり嬉しかった。
あんな解像度で曲を聞いてくれていて、細かく感想を伝えてくれる経験は日本では意外にない。
ディナーはクルーメンバーのお母さん(イタリア人)がやっているパスタ屋さんへ。誇張なく人生イチのパスタだった。
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そこから会場のウェアハウスに移動。
オフィスとかもあるガチの倉庫エリアの一つを借りて、DIYで会場を作っているらしい。
照明プログラムや円状のスモークマシンなど全て手作り。これは間違いなく楽しくなるなーと思った。
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大きい冷蔵庫に缶ビールやレモンチューハイを詰めて飲み放題。水もサーバーで置いてあった。
22:00からスタートして日が変わる頃には会場はパンパン。120~150人ぐらい来てたかな。大体25歳以下らしい。
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自分の前のローカルDJもめっちゃ良くて、センスのいいドラムン-ハードコアジャングルをプレイしていた。
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自分のDJは、ベースたっぷりのサウンドシステムに合わない曲をプレイしていたっぽく、最初反応が悪かった。軌道修正してしっかりサブベースを鳴らす曲を続けるとみんな喜んでいるのが分かった。やっぱ出音に対して何の曲を選ぶか、は最もフィジカルに作用する部分で、いつでも大事だし、常にサウンドチェックはすべきだと思った。
後半はパチンコマンの自分のリミックスから160台に。残りの持ち時間20分で最高潮、というところでミキサーとCDJの電源が落ちて音が消えた。
会場自体の電源が落ちたらしい。クルーは急いで復旧を頑張っていた。
が、結局復旧せずイベント終了となった。非常に申し訳なさそうにしていたが、こっちは酔っ払っていて「これも含めて手作りレイヴや!君ら最高や!」とブチ上がってしまっていたので、変なやつだなと思われていた気がする。
イベントが終わった後、意気消沈のクルーたちがトボトボと掃除している姿が愛らしかった。
またリベンジしようね〜。という話をしてUberでホテルに帰って睡眠。
3日目:メルボルン
この日はメルボルンでイベント"Tokyo Love Hotel"でのDJ。
シドニーからメルボルンへフライトして3時ごろに着き、滞在先でシャワーを浴びてNorthcoteにある会場へ。
Northcoteは世界でも住みよい街として人気と聞いていたのだが、都会すぎず、個人商店がたくさんあり、静かでなんとなく上品な街だと思った。
今回はNorthcote Theatreというとても大きな会場(キムゴードンが2days公演やるレベル)の一部を使ったイベントで、Room1とRoom2があった。
Room1めっちゃ魅力的な空間だったのだが動画ばっかり撮っててnoteに貼れない。残念。
Room2はめっちゃ雰囲気が良くて、小さめだけどめっちゃ気持ち良い音だった
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Room2でクルーのMas Katoがプレイしていたディープ〜ミニマルハウスが気持ち良かった。
メインでは最初の3時間はVinyl Youthのkamomeくん。そこから2時間Genkiさんがプレイした。
元々日本でDJしていた2人。2人とも口を揃えて言っていたのは、やはりこちらに来てからジャングル含めベースミュージックにハマったということ。日本ではディスコやハウスをベースにしていた人たちがそうなっているのはとても面白い。
台北、上海、そして今回のシドニー、メルボルンでも感じたが、四つ打ちかどうか、BPMがどうか、ということをフロアはあまり気にしていないっぽい(多分)。パーティー中そういう変化で人が離れることはなかった。ちゃんとシステムを鳴らせているか、その曲は良いかどうか、DJは踊れるかけ方をしているか、それだけだなーと思った。
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8時から10時が自分のDJ。最初は会場が明るく人もまばらだったので、どんなテンションでやれば良いのかよく分からなかったが、途中から会場が暗くなって人が入ってきてくれたのでグッとシフトチェンジして自分の時間にできた気がする。ダブステップは最近色んな現場でミックスするようにしているが、今回もすごく良く機能した気がする。
自分のあとは現地在住のYangos。最後のジャングルゾーンがめっちゃ良くて後からトラックIDを聞いた。Swishaとかかけてた。
テラスのような喫煙できるスペースでボーっとしていると、3人の若者が声をかけてきて、先日リリースしたアルバムの感想や好きな曲について熱弁してくれた。
"Harvest"が好きだというので、イントロは自分の子の喃語使ってるんだよーと伝えると、とても興奮してくれた。その話を後から来た他の友達たちにアツく伝えていて可愛かった。
またScuffedからの一作目(2017年)を見せてきて感想をくれた人もいた。本当に幸せなことだ。
そのうちにパーティー終了。
帰宅して次の日昼間のフライトに備えて睡眠。
メルボルンからシドニー、シドニーから関空
エージェンシーが国内フライトの予約間違えるなど色々あったがなんとか、メルボルンからシドニーに辿り着いた。昼飯にブリトー食べた。
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そこからまたシンガポール空港へ飛ぶ。シンガポールではトランジットややギリギリで関空行きに乗り込む。
気になったいる人もいるかもしれないが、かなりバグったフライトスケジュールだった。5日間で7回飛行機に乗ることなどありえない。
元々はメルボルンのギグは金曜日の予定で、それに合わせて国際線を取っていたのだがハコのダブルブッキングで日曜日に移動させられたのだった。
こちら手配の国際線は動かせなかったため、国内移動でどうにかするスケジュールでツアーを実施した。
飛行機のキャンセルなどのトラブルがなかったこと、ツアー自体が楽しかったこと、そして帰りのシンガポール航空が最高であまり疲れが溜まらなかったこと、以上からトータルでは最高のツアーだったのだが、このフライトスケジュールはもうあまり経験したくない。
ツアー終了
日本に無事到着し、天ざる蕎麦をすすった。
日本のご飯は良い。味や舌触りのテクスチャが安いご飯でも考慮されている。料理の個性を気にしている。吉野家となか卯は似たようなラインナップでもハッキリと味の方向性が違う。
という帰国したての日本人の月並みな感動を覚えた。ラーメン二郎食べたい。
8月からUK/EUツアー、9月はインドツアー、10月はジャカルタ/ハノイ、また来年の2月にも大きなオーストラリアツアーに行く予定なので気力があればまたレポートしたい。
おわり