見出し画像

電池レスビーコン

電池レスビーコンはスマホとの組合せ利用を想定して開発した製品です。iBeaconフォーマットでビーコンを発信するのでIoTシステムと組み合わせ利用が簡単で、ifLinkとの相性も非常に良いデバイスです。


パーソナル会員、石野勝也

ifLinkってどんなものか?  大枠として分かってはいても、実用的に使うにはまだ敷居が高いですよね。電池レスビーコンを使ってifLinkを身近なものにしてみませんか? ご自宅に眠っている古いスマホと組み合わせて利用することから始めましょう。

一般的にコイン電池を使った電池ビーコンが利用されることが多いですが、電池寿命は実運用では10ヶ月~2年程度で忘れたころに電池交換が必要になります。電池レスビーコンは一次電池や二次電池を搭載せずに、発電したエネルギーだけで動作するデバイスです。 振動発電ビーコンは体につけて歩くと、数歩の歩行振動毎に発信します。勿論、手に持って軽く振っても発信します。照明光発電ビーコンは屋内照明光で発電し、事務所程度の照度なら1~2秒毎に発信し続けます。

ビーコンは各々個体識別番号を持っており、電波は障害物が無い屋外なら最大半径30m程度、ビル内など屋内では最大半径10~15m程度飛びます。
ビーコンの信号有無を判断することで、位置情報に利用さえれています。
・ビーコンを固定設置して、屋内でのGPS代わりの位置基準として利用
・ビーコンを人や移動機器に取付けて、人やモノの位置情報システムに利用

電池レスビーコンは位置情報用途だけでなく、その発電原理をセンサーとして利用できます
●振動ビーコンは振動によって発信する原理を
 ”振動センサー””活動量センサー”として利用
●照明光発電ビーコンは照度によって発信する原理を
 ”簡易照度センサー”として利用

■ifLink 商品Showcaseでの展示説明動画


■自宅での利用例

自宅で利用されているタブレットや古いスマホにifLinkを導入することで実現できる実用的な利用例のご紹介です。 電池レスビーコンに搭載されている、振動センサー、照度センサー機能を利用します。

①子供の帰宅通知

子供の学校からの帰宅状況をリアルタイムで確認できるシステムです。
・照明光発電ビーコンまたは振動発電ビーコンを子供のランドセルの側面にぶら下げます。
・子供が帰宅すると、ビーコンを受信することができます。
・if=ビーコンを受信したら、 then=メッセージ「子供が帰宅しました」をメールやLINEで送信
・鍵っ子の帰宅の状況を、離れて知ることができます。

②冷蔵庫の開閉で遠隔見守り

冷蔵庫のドア開閉を照明光発電ビーコンを使って見守るシステムです。
・照明光発電ビーコンを冷蔵庫中の照明灯近く、またはドア部分に設置
・冷蔵庫のドア開くと庫内の照明灯のONや、周囲の明かりに反応してビーコンが飛びます。
・if=ビーコンを受信したら、 then=メッセージ「冷蔵庫が開きました」をメールやLINEで送信
・独居老人などの生活の様子を、遠隔で見守ることができます。
・照明光発電ビーコンをトイレの照明灯に反応させる方法もあります。

③呼鈴で遠隔見守り

・振動発電ビーコンをスプリングロープキーホルダーや紐などでぶら下げる
 百円ショップなどで販売されている樹脂製の伸びる紐です。
・用事かあるときに振動発電ビーコンを振ってもらえれば、ビーコンが発信されます
・if=ビーコンを受信したら、 then=メッセージ「呼び出しがあります」を送信
・スマホからメールを送ることなど、面倒なことしなくても振れば呼出し可能です。


■電池レスビーコンへの思い

振動発電への取組は10年以上前に前職で開発プロジェクトを立ち上げた時から関わっています。最初に実用化されたものは某鞄メーカーのビジネスバックに採用された”自発光LED”です。 歩行時の体の上下振動を使って発電したエネルギーでLEDを発光させるもので、背負ったバックのLEDが地味に光るモノでした。私自身そのビジネスバックを9年以上利用しておりますが問題なく今もピカピカ光っています。(背負いバックのLEDなので、自分には点滅が見えませんが、、、、)

自発光LEDの次の企画製品が電池レスビーコンです。丁度iPhone4の時期です。iBeaconの仕様が公開されたこともあり、同機能を電池レスで実現することを目指しました。歩行振動によって発電したエネルギーを集めてビーコンを発信しています。1歩の振動毎に発信できれば良いのですが、実用的なサイズとの天秤を掛けた結果、数歩の歩行振動で発信する現行仕様に落ち着きました。単にiBeaconを発信するだけでは面白くないのでソフト的な工夫で「毎回異なるUUID/Major/Minorを発信するセキュアー機能」、「発信の都度Minorが増えるカウンター機能」などの付加価値を付けることができたことは、その後の販売に寄与できています。現在、仔牛の健康管理分野で大量に利用していただいているのは、カウンター機能が電池レスの活動量計として利用できることがあったからこその実用化となっています。

また、微々たるエネルギーを集めてビーコンを発信する回路とファームウェアも最適化したものを搭載しました。その技術を応用したものが、照明光発電ビーコンです。太陽光発電パネルは国内メーカーさんのモノを採用しておりますが、その後段の回路は振動発電ビーコンに向けに開発した技術を応用しております。「1発の発信に必要なエネルギーを貯めたら即発信」の方針はこちらでも貫き、スーパーキャパシタや二次電池などのケミカル系の部品は使っておりません。 最初に大量導入していただいた関西の大学病院では既に5年が経過しておりますが、不具合情報も入っておりませんので電池レスデバイスとして期待通りのデバイスとして動作していると思っております。

ifLinkも実用化に向かって完成度が上がってきておりますので、今後はifLinkと組み合わせたシステム提案もして行きたいと思っております。


■私にとってのコミュニティの魅力

私は、”電池レスビーコンでIoT部”、を主催しております。電池レスビーコンを多くの方に知っていただく、触っていただく機会として立ち上げました。 部活メンバーの力を借りてIMSの開発、システムサンプルによる実証実験などを通じて「電池レスビーコン+ifLink」で、できることの技術的な目途はつきました。今後は実用化案件に合わせた活動をしたいところですが丁度良い案件が見つからず、新しい取り組みは足踏み状態です。

今年の部活は、電池レスビーコンやifLinkの利用を前提にせずに技術的な情報交換の場、困った時に相談できる仲間とのゆる~い活動の共創活動の場として、長続きできる場にしよう。ifLinkやIoT絡みの相談に対応していく中で案件を探そう。 という思いで隔週で情報交換をしております。

有料、無料を問わずこれまでにも幾つかの団体に参加してきておりますが、「情報を受け取るだけ」、「イベントがあれば参加するだけ」、の受身的な活動が中心でした。ifLinkは自ら参加することができるコミュニティで、事務局の方との交流だけでなく会員企業間での直接交流が進めやすい点が素晴らしいと思っております。既に参加されている企業さんは、小集団活動への参加や情報発信の場として有効活用すると良いと思います。

今では、ifLinkで知り合った複数の企業さんと電池レスビーコンを使ったシステム提案を進めることができております。(残念ながらifLikを利用しないシステムですが、、、)
今まで、知らなかった企業さんと利害関係なく情報交換ができる事、その交流の結果として新しいビジネスで協業できることが素晴らしい団体だと思います。


■お問合せ先

電池レスビーコンを一度触ってみたい。ifLinkとの組合せテストしてみたい。と思われましたら私宛にslackかメールでコンタクトしてください。
「電池レスビーコン+ifLink」のサンプルレシピもご説明いたします。

東洋エレクトロニクス株式会社 機器事業室
石野までご連絡ください。 
03-3723-6216 ecobeacon@toyonics.co.jp  
http://www.sd.toyonics.co.jp/ecobeacon

以上



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?