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ワークショップ「感性開発」/リーダーシップ・チャレンジ2023開催レポートvol.6

社会人のためのリーダーシップ講座「リーダーシップ・チャレンジ 2023」(LC)第6回のプログラムは、2023年7月1日(土)にグラフィックファシリテーションの手法をつかって組織開発を行っている山田夏子さん(しごと総合研究所 代表取締役)、パーパスキャッチャーの伊澤佑美さんが「感性開発」のワークショップを行いました。

📖講義内容

今回の目的は……

・自分の中にほうっておいた感性を目覚めさせる
・その感性で、オンラインでも対話を深める
・【感性を使って】自分のパーパス(働く目的、生きる目的)を確認する
・【感性を使って】自分のパーパスと、組織や部下のパーパスをつなげる

◆コミュニケーションと「3つの現実レベル」

「コミュニケーションとは何でしょう。それは、情報交換ということだけではなく、感覚を使って心の交流をすること。だから、コミュニケーションをきちんととれば、身体の中からエネルギーが湧いてくるんです!」この日の講義は山田さんのこんな投げかけからスタートしました。

講義では「人が主体性を発揮して、イキイキと生きる。イキイキと働く。そのためには、何に意識的になる必要があるか?」と問いが投げかけられ、人がお互いを深く理解し合ったり関係性をしっかりと紡いでいったり、集団で合意形成して新しいものを生み出していくためのメカニズムとして「3つの現実レベル」が紹介されました。

プロセス指向心理学を生み出したアーノルド・ミンデル博士が提唱した「3つの現実レベル」

仕事をしていると、「合意的現実レベル」で話し合いを進めていこうとしがちになるため、普段から「ドリーミングレベル」や「エッセンスレベル」にアンテナを立ててコミュニケーションをとっていくと、信頼関係が高まっていく、と山田さん。

グラフィックファシリテーションでは、目に見えないが現実に存在している「ドリーミングレベル」や「エッセンスレベル」を絵や色、線を使ってあぶり出していきながら、気づきや学び、お互いの理解を深めていき、人と人との関係性に働きかけていくそうです。

◆感性を研ぎ澄ますワーク

講義の間には、エッセンスレベルで感じとったものを自覚して表現する力「感性」を開発していくワークも行われました。今の気持ちを音で表現したり、仕事で悔しかった感覚や「この先仕事でやってみたい」と思う感覚を紙で表現し、お互いに感じたことを伝え合うワークを通じて、自分の「純粋意欲」を少しずつ自覚する機会となりました。また、講義中やワークに臨む参加者の様子を伊澤さんがグラフィックファシリテーションしました。

山田さんがお話ししている間に、伊澤さんがよどみなく手を動かして描いていました!
講義オープニング(1枚目)
ワーク1:仕事に対するパーパスを考える ・感性のステップ(2枚目)
ワーク1:仕事に対するパーパスを考える ・感性のステップ(3枚目)
ワーク2:感性を研ぎ澄ます(4枚目)

「『パーパス(生きる目的、働く目的、存在意義)』を、より自覚的に掴んでいると、人はイキイキと生きることができます。このパーパスを感じるために必要なのが『感性』です。純粋意欲を自覚すればするほど、パーパスは広げることができるので、感性を開発し、自分のパーパスを広げていくことで会社のパーパスとの重なりを見つけてみて下さい。応援しています!」との山田さんのエールで講義はしめくくられました。

「3つの現実レベル」やグラフィックファシリテーション、自分のパーパスについては山田夏子さんの著書『グラフィックファシリテーションの教科書』でさらに詳しく語られています。

🖊️受講生の講義レポートより

◆講義での学び、気づき、感想

グラフィックファシリテーションに初めて触れましたが、言語化できないものをあぶり出すという手法がとても新鮮で驚きでした。自分のパーパスに気付くきっかけになると思いました。 自分のパーパスと会社のパーパスをすり合わせるなんてことは考えたこともなかったので、そこのギャップに気付くことも重要だと思いました。

比較的抽象的なアートやデザインと、具体を求められがちなビジネスを繋ぐための手法を分かりやすく教えて頂き、とてもためになりました。

食品業・男性・30代

腹落ちしたコミュニケーションを行うには、FACTを示すだけでなく、その背景や想いを伝えてドリーミングレベル、エッセンスレベルの相互理解が必要であることを学習しました。 なかなか、「今思ってる感情を話してくれて」と言われても伝えられないのが現実と思いますが、それをサポートする手段(音で表現や紙で形を作るなど)も併せて学べたので、良かったです。

情報、通信業・男性・30代

アート思考については、今でこそよく聞きますが、アートとデザインの役割がよく理解できました。というのもまさに最近も同じような概念図に触れていました。私が勤める会社では「やってみなはれ」という創業者の精神が企業理念のひとつとして根付いていますが、その根本には「おもろい」ことをしようという考えがあります。その「おもろい」って何なんだろうを読み解いていた際に、まさに「ボケ」と「ツッコミ」にいきつきました。ただ奇抜なことをやればよいのではなくて、そこにはちゃんと受け止めてくれて、世の中にとって還元できるものが存在しているということ。論理的なプロセスももちろん必要だけど、実は「直観」から生まれるものが原動力となって生み出されているものがあることに気づき、今回のセッションでそれを改めて学ばせていただきました。

食品業・女性・30代

会社の期待に応えようとすること、周りからよく思われることにエネルギーを注ぐ、「良い子」が多いというお話は私自身、本当に当てはまることだと思いました。戦後、日本でも欧米の産業をどんどん取り入れて、カイゼンしていくことで高度成長を遂げてきた日本企業や教育の成功体験から、そういった風習・風土が至るところに残っているなぁとも感じています。非連続的で正解が無い現在の世の中だと、色んな個性を持ったヒトと支え合いながら目標に向かって進んでいくことが必要不可欠であり、その為にも感受性を高く持ち、感性を磨いて、自分自身のパーパスと会社や周りのメンバーのパーパスをコミュニケーションを通じてまずは理解することが、とても大切なことであると痛感しました。

情報、通信業・男性・30代

おゆみ(伊澤佑美)さんのグラフィックファシリテーション、めちゃ凄かったです。 頭の整理になりますし、自分の表情がこう見えてるのかーという新しい視点での発見もありました。

食品業・男性・30代

◆講義を受けて、短期的な目標、自分の部署への応用 など

まずは自分のパーパスが何なのかを組織のメンバーと共有しようと考えています。 なりたいキャリアパスが見つからないメンバーが最近増えている印象なので自分を理解し共有してもらうことで、メンバーへもよりパーソナライズした育成ができると考えています。

情報、通信業・男性・30代

個人と会社のパーパスについて、メーカーは志望して入ってくる人は比較的そこが重なりやすいとは思うものの、周囲にいる人が今どういう状況か理解しながら、より意欲的に仕事ができる状況に導くためにどうすればよいか、を講義後から少し意識しながら会社で仕事してみました。

食品業・男性・30代

今自分の会社では組織が変わるフェーズにあり、今後新たに関わる人が増えていく予定ですが、今回の講義で学んだ「自分のパーパス」について気づかせてあげられるようなリーダーとなり、組織を変えていきたいと思います。そのためにはまずは自分がいきいきと働いている姿を見せられる手本となり、まさに前回の駒井さんの講義でもあったコミュニケーションの総量を上げて、部下や同僚に対して「自分のパーパス」に気づかせてあげるきっかけづくりを作りをしていくことで組織の活性化(自発的に働く人を増やすこと)に繋げていきたいです。

商社・男性・40代

言いにくいことでも言い合える仲、を築くには、自己開示とフィードバックを繰り返し行い、お互いのエッセンスレベルの部分を共有し合う必要があると理解しました。あらゆる人物が集う組織の中で、そのような関係性を築くには、次回学ぶ心理的安全性が大事になってくると思いますので、セットで自社の活動に応用したいと思います。

医薬品業・男性・40代

🕰️タイムテーブル

08:45 zoomオープン
08:55 オープニング
挨拶、テーマ説明、3つの現実レベル、チェックイン
・インプットトーク:感性とは何か、なぜ感性が重要か、パーパスとは、パーパスの7段階
・ワーク1:仕事に対するパーパスを考える ・感性のステップ
・ワーク2:感性を研ぎ澄ます
12:00 クロージング
12:10 アフタートーク(10分程度、自由参加)

👤講師プロフィール

山田夏子(やまだ なつこ)
株式会社しごと総合研究所 代表取締役
一般社団法人グラフィックファシリテーション協会 代表理事
女子美術大学 共創デザイン学科 特命教授
システムコーチ/クリエイティブ・ファシリテーター
武蔵野美術大学 造形学部卒。

クリエイターの養成学校を運営する 株式会社バンタンにて、スクールディレクター、各校館長を歴任し、その後、人事部教育責任者として社員、講師教育、人事制度改革に従事。さらに、同社にて人材ビジネス部門の立ち上げ、キャリアカウンセラー、スキルUPトレーナーとして社内外にて活動した。

その後独立し、2008年に株式会社しごと総合研究所を設立。
人と人との関係性が、個人の能力発揮に大きな影響を与えていることを教育経験から実感し、グラフィック・ファシリテーションやシステム・コーチング®を使った組織開発やチームビルディング事業を展開している。
関係性を “見える化” するクレイワークや体験学習を得意とし、企業や組織のチームビルディングから、教育現場でのクラスづくりや教員同士の関係作り、地域コミュニティの関係性づくり等、様々な現場で活動中。NHK総合「週刊ニュース深読み」などTV出演も多数。

著書『場から未来を描き出す――対話を育む「スクライビング」5つの実践』『グラフィックファシリテーションの教科書

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❓リーダーシップ・チャレンジとは


リーダーシップ・チャレンジ(LC)は、会社で仕事(社業)を通じて社会に貢献する人材を育てる、ということをミッションにしています。

そのために、ヒューマンスキルを磨き、リーダーシップを身につけ、幅広い見識、判断力、思考力を学びとり、業界業種を超えた人脈を構築するビジネススクールです。

開講から20年目。本研修を学んだ受講生たちが日本国内のみならず、世界の色々な都市で活躍しています。
彼ら彼女らを、LCの教壇に立ったゲスト講師の皆様に後押ししていただきながら、私たち LCはこれからも、有能な人材を育み、社会に貢献していきます。

詳細はパンフレットをご覧ください

◆講義一覧

🏢2023年度参加企業 (順不同・敬称略)

受講企業
株式会社セブン-イレブン・ジャパン
株式会社セブンドリーム・ドットコム
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
サントリー株式会社
三井物産株式会社
株式会社三井住友銀行
三井物産スチール株式会社
三井農林株式会社
リテールシステムサービス株式会社
エーザイ株式会社
綿半パートナーズ株式会社
第一生命ホールディングス株式会社
株式会社再春館製薬所
外務省

リーダーシップ・チャレンジ 2023開催レポートvol.6
2023年7月25日発行 
大隈塾事務局(一般社団法人ストーンスープ) 
ひえじまゆりこ yuriko.hiejima@gmail.com 
〒026-0002 岩手県釜石市大平町3-9-1 
TEL:050-3558-7527 
     公式MAIL:ookuma_school@stonesoup.tokyo


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