[GS-PC] ゴールドマン・サックス、増収増益でROE14.6%!堅調な業績と成長戦略に注目

# ゴールドマン・サックス 2024年第4四半期決算概要レポート

対象読者: 日本の一般投資家、企業投資家

作成日: 2025年1月15日


1. 会社概要


ゴールドマン・サックス・グループ(GS-PC)は、世界有数の投資銀行、証券会社であり、グローバルな金融サービスを提供している。主要事業は、グローバルバンキング&マーケッツ(GBM)、アセット&ウェルス・マネジメント(AWM)、プラットフォーム・ソリューションズから構成される。


2. ビジネスモデル


GSのビジネスモデルは、投資銀行業務、証券取引、資産運用、富裕層向け資産管理など、多様な金融サービスを統合的に提供することに基づいている。特に、One Goldman Sachsという理念の下、各事業部門が相互に連携することで、顧客へのシームレスなサービス提供を実現している。顧客基盤は、大企業、金融機関、富裕層など多岐に渡る。


3. 財務状況と業績動向


2024年通期では、売上高は前年比16%増の535億ドル、EPSは77%増の40.54ドル、ROEは12.7%と、大幅な増収増益を達成した。ROEは前年比500ベーシスポイント以上の上昇を示し、強いオペレーティング・レバレッジを示している。これは、2020年の投資家向け説明会で提示された戦略目標をほぼ達成もしくは上回った結果である。


4. 今決算の財務指標


2024年第4四半期決算では、売上高は139億ドル、EPSは11.95ドル、ROEは14.6%、ROTEは15.5%を記録した。GBMセグメントは売上高350億ドル(前年比16%増)、AWMセグメントは売上高161億ドル(前年比16%増)と好調な結果となった。


  • **GBMセグメント:**

  •     * 投資銀行手数料:21億ドル(前年比24%増)

  •     * アドバイザリー収入:9.6億ドル

  •     * 株式引受収入:4.99億ドル

  •     * 純引受収入:5.95億ドル(前年比51%増)

  •     * FICC純収入:27億ドル(前年比35%増)

  •     * 株式純収入:35億ドル

  •     * 株式ファイナンス収入:15億ドル(前年比36%増)

  •     * 通期株式純収入:134億ドル(過去最高)

  •     * FICCおよび株式のファイナンス収入:91億ドル(過去最高、前年比17%増)

  • **AWMセグメント:**

  •     * 管理およびその他の手数料:28億ドル(過去最高、前年比15%増)

  •     * プライベートバンキングおよび融資収入:7.36億ドル(前年比11%増)

  •     * インセンティブフィー:1.74億ドル(通期3.93億ドル)

  •     * 資産運用残高:3.1兆ドル(過去最高)

  •     * 代替資産運用残高:3360億ドル

  •     * 第三者による資金調達:720億ドル


5. 企業の成長性


GSは、既存事業の強化と新規事業への投資を通じて成長戦略を進めている。特に、プライベートクレジットや代替資産など、持続可能な収益源の拡大に注力している。また、One Goldman Sachsの理念に基づき、各事業部門間の連携強化によるシナジー効果も期待できる。


6. 市場の成長性


世界経済の成長、M&A活性の増加、代替投資への需要の高まりなど、GSの事業を取り巻く市場環境は好調と見込まれる。ただし、地政学的リスクや金融市場の変動など、不確定要素も存在する。


7. 今決算の良かった点


  • 大幅な増収増益:  売上高、EPS、ROEの全てにおいて大幅な増加を達成。

  • * 持続可能な収益源の拡大:  ファイナンス収入、管理手数料、プライベートバンキング収入などの持続的な収益源が大幅に増加。

  • * 市場での高い競争力:  M&Aアドバイザーとしてトップの地位を維持。

  • * 効率性の向上:  コスト管理の強化によるオペレーティング・レバレッジの改善。


8. 今決算の懸念点


  • プラットフォーム・ソリューションズのドラッグ: Apple Card事業などのプラットフォーム・ソリューションズがROEにマイナスの影響を与えている。

  • * 規制リスク:  ストレステストに関する訴訟提起など、規制環境の変化が事業に影響を与える可能性がある。

  • * 地政学的リスク:  ウクライナ情勢、米中関係など、地政学的リスクが市場環境に影響を与える可能性がある。


9. 今後の見通し


GSは、GBMセグメントの中期的なROE目標を15%、AWMセグメントのROE目標を10%超に設定しており、プラットフォーム・ソリューションズは2025年に損益分岐点に到達すると見込んでいる。これらの目標達成に向け、継続的な成長と効率性の向上が期待される。


10. 次回の決算で確認すべき点


  • プラットフォーム・ソリューションズにおける改善状況

  • * 規制環境の変化の影響

  • * M&AおよびIPO市場の動向

  • * 代替資産運用における資金運用とパフォーマンスフィーの発生状況

  • * 貸出事業の拡大状況


11. まとめ


ゴールドマン・サックスは、堅調な業績と明確な成長戦略に基づき、今後のさらなる成長が期待される。ただし、地政学的リスクや規制環境の変化など、不確定要素への対応も重要となる。次回決算では、上記で挙げた懸念点の改善状況や、成長戦略の進捗状況に注目する必要がある。


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