舌磨きについて

舌の表面に白い苔状のものが付着していることがあります。これは「舌苔(ぜったい)」といって、皮膚でいう垢のようなものですが、ここには細菌が多数存在しています。せっかく歯をきれいに磨いてプラーク(磨き残しとも言います)を除去できたと思っていても、口の中はつながっているので、舌苔で繁殖した細菌、歯周病菌が、唾液を介して、磨いた歯や歯周ポケットに戻っでくることがあります。それでは時間をかけて歯みがきをした意味がありません。 舌みがきは時間があればやってほしいと思います。


 また、舌苔が厚くなると、舌の表面の味を感じるセンサーの役割をしている味蕾(みらい)を覆ってしまうことになります。 そうなると、繊細な味の感覚がわからなくなってしまう可能性があります。おいしく食べるためにも舌苔は定期的にとっていただきたいです。


舌苔の取り方ですが、歯ブラシでゴシゴシやる人がいるかもしれませんが、 神経質にみがきすぎるのはNG です。 舌をゴシゴシやると舌の表面に傷がついてしまうので、注意しましょう。舌苔を取るときは、専用の舌ブラシを使うと取りやすいと思います。舌苔がついていないところはみがく必要がないので、舌みがきをするときは、鏡を見ながら行ってください。  


舌が薄いピンク色になるのが理想です。ただピンク色にならないからと神経質になってみがきすぎる人がいるかもしれません。 やわらかい舌ブラシでも、やりすぎると味蕾を傷つける可能性もありますし、強い刺激によって舌の粘膜が角化して硬くなり、よけいに苔がつきやすくなることもあるので注意しましょう。


 舌みがきは、舌の奥から手前に5~6回くらいやれば十分です。 細菌は夜寝ているときに繁殖しますから、寝る前に行うと効果的です。舌磨きを行うと歯周病の予防効果が高まるだけでなく、口臭の予防にもなります。頻度は舌苔がついているのが気になったら舌磨きを行う程度で大丈夫です。毎日、舌磨きを行うと舌が傷ついてしまうので、2,3日に一度くらいでよいと思います。

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