正しい「迷惑」とは ?(’21/05/14)
最近世の中で多発している「迷惑」に対して、どうにも腑に落ちない点がある。
TVのニュースで、
「空いているアパートの部屋に、入り口ドアに付いている郵便受けの隙間から、消火器で消化液(白い泡)を部屋の中に送り込み、その部屋内を真っ白にした迷惑行為が発生しました」というニュース。
どんな目的で、何を狙ってそんな事をしたのか、犯人の意図は図りかねるが、
これって、「迷惑」なんだろうか…
私の定義の中では、「迷惑とは謝って済む話」だと思っていて、今回のケースはどう考えても謝って済む話ではない。「いやあ、すんません、つい消火器使いたくなってしまって。ごめんなさいね~~」ではないと思う。
いや、逆にそんな人がいたら、違う意味でかなり危ない。
電車に乗っていても、とても丁寧に、遅延の理由を何度も車内放送する。
「**駅で、ご気分の悪くなった方を救護した関係で遅れております。お急ぎのところ、ご迷惑をお掛けいたします。…」
これも変だ。
気分が悪くなった人を救護したのであれば、それは当然のことで、その原因で電車が遅れることを自分のことのように謝る必要はない。それくらいの迷惑(不都合?)は、社会の中で当然私達それぞれが覚悟するべきハプニングであって、電車運行側の責任でもない。
なのに、なぜ「ご迷惑」と言うのか。
そんな風に言われると、駅で気分が悪くなっても、簡単に救護を求めるのに気が引けてしまうではないか。
先日、会社で取引先様とZOOMのミーティングをした。
ZOOMは繋がったのだが、先方の参加者の画像は見えるものの、声が聞こえない。
あれ、なんで、どうなってるのよオ、とバタバタしている様子を、参加の皆さんも苦笑いで見ているのが画像でわかるから、余計に慌てる。
結局、PCにイヤホンをさしたままだったのを忘れていたので、声が聞こえなかっただけで、会議開始を3分ほどそのドタバタで遅らせてしまった。トホホ…
こういう時にこそ、「ご迷惑おかけしました」と謝る。
これが正しい「迷惑」の形だ。