運まかせでは勝てない。トレード初心者がまず考えるべきこと!
小さなころから僕は、海や川で泳がされていました。泳いでいたのではなく、泳がされていたのです。これは僕の父親の信念です。
親の務めは、こどもを泳げるようにしておくこと。
父親のなかでは、これはけっこう重要なことだったようです。つまり、命を落とさないためです。どこでなにがあるかわからない。陸上で暮らす僕たちは、放っておいても歩けるようになり、走れるようになる。でも泳ぎはちがいます。
泳ぐという技術。
それは訓練しないと身につきません。
だからって、海や川というのもねぇ。でも、考えてみれば海や川だからこそ意味があったのかもしれません。
前置きがすこし長くなりました。
このコンテンツは、株取引のお話しです。とくに、初心者もしくは利益があげられない人へのガイドブックです。これを実践していけば、かならず利益をあげられるようになります。海に投げだされても。溺れてしまわないようにね。
では、始めましょう。
まずはじめに・・・
考えちがいいをしてはいけない
株式トレードは、ルールのあるゲームです。
つまり、勝ち負けのある戦いです。勝てばいくらかのお金を得て、負ければいくらかを失うことになります。
100%の勝率はありません。
勝ったり負けたりします。
だれがやってもそうです。そのなかで、どうやって勝ち(利益)と負け(損失)のトータルを、プラスにもっていけばいいのか。それを考え、実践していくというゲームなのです。
たとえ1勝9敗でも、金額がプラスになればいいのです。1回で50万円買って、残りの9回は5万円ずつ負けて計45万円の損失がでても、合計すれば5万円のプラスになります。反対に9勝1敗でも、5万円ずつ買って45万円の利益がでて、つぎの1回で50万円の損失をだせば、5万円のマイナスです。
そこが、ふつうのゲームとは、ちょっとちがうところです。
これ、すごく重要なポイントですよ。
でも、このあたりまえのことが、けっこうわかってないんですね。
だれでも勝ちたいし、損はしたくない。勝つことにばかり目がいって、いかに負けるかを考えていない。いいかえれば、お金を得ることにばかり注意がむけられ、お金を失うことにたいして極端に神経質になってしまうのです。
だからすこし勝つと、損をしないうちに決済する。
先の例でいえば、5万円ずつ勝っていくわけです。
ところがずっとは勝てない。買った株(銘柄)が下がることもあります。すると、「また上がらないかなぁ」と思って、その株をもっておく。
当然ですが、上がることもありますが、そのまま下がっていくこともあります。一般的に株価の特徴として、値上がりするのはゆっくりで、値下がりはいっきに落ちていく。だから、パニックに陥るんですね。
「わぁぁぁ、どうしよう。もうダメだ」
と思っながらも、損失分の決済(これを損切またはロスカット=LC)ができずに含み損が膨らみます。
いわゆる「塩漬け」状態です。ほんとによくあるパターンです。
損失は、どんどん膨らんでいきます。
もう嫌になって、株価や株式チャートを見るのさえやめてしまう。
とても、恐ろしい。あきらめの境地で、見たくないものは見ないようにするわけです。
でも、怖がらなくても大丈夫です。
そうならないように、トレーニングすればいいのです。
恐ろしいのは、トレーニングを充分に受けずに、ゲームをすることです。スポーツの試合でも、音楽のコンテストでも、受験でも、トレードをせずに勝てるはずがありません。あたりまえのことです。
なのに、知識もなければ技術もない状態で、ゲームをはじめてしまう。それでは自殺行為です。
クルマの運転もできずに、レースにでるのか
クルマに乗るためには、自動車教習所にいって運転を習います。あるいは、だれかに運転を教えてもらいます。クルマの操作も知らず、交通法規もわからないまま、いきなり路上にでてドライブすればどうなるか。よくわかるはずです。
トレードだって同じです。
素人がスイングトレードやデイトレードをするのは、ろくにクルマの運転もできないのに、レースに出場しているわけです。レースに負ければ、お金を失うことになります。
ましてや1日のなかで売り買いを繰り返すデイトレードは、スピードが要求されます。高速レースですね。熟練したレーシングドライバー、つまり腕利きのトレーダーでも運転が難しいわけです。
トレードをするための時間軸が短くなるほど、手にできる利益が少なくなります。数カ月かければ30%くらい動きのある株価も、数分では 0.03%の動きです。
これって、どういうことかというと、
「ロスカットの値幅を、もっと少なくしなければならない」
ということです。
エントリー(購入時の株価)とロスカットの位置が近ければ近いほど、ほんとうにタイミング良く取引をしないと、利益はでません。これって、ほんとに熟練したトレーダーですらなかなかうまくできないのです。
初心者であれば、こんな高速レースに挑戦するより、まずは数週間から数カ月程度のスパンで売り買いするポジショントレードがいいでしょう。そこで利益をあげられるようになってから、2日や3日からせいぜい1週間程度で売り買いするスイングトレードに移行していくほうが、取引がしやすいはずです。
といっても、簡単ではありません。やっぱり危険は危険です。
でも、怖がらなくても大丈夫です。
対処法はあります。それはなにか。
負けることを、必要以上に恐れないことです。
これ、とても重要です。
負けてもいいのです。むしろ積極的に負ければいい。これは、本気でそう話しています。明日のことなど、だれにもわからないのです。結局は、株価が上がるか下がるかは、丁半博打のようなものです。恐れるべきことは、負けることでありません。むしろ・・・
日経平均終値の手作りグラフ
つねに勝とうとすることこそ、もっとも危険な行為です。
じゃあ。どうすればいいのか?
それを順を追って語っていきましょう。
まずは自動車教習所です。
先に書いたように、まずは数週間から数カ月くらいのスパンで売り買いするポジショントレードの練習です。
じっさいの株式市場にでて、ポジショントレードをしながら「利益をあげられる」状態になるのが、最初の目的です。路上にでるための、教習所でのトレーニングですね。
その練習は、どうやってするのか。
「終値の折れ線グラフづくり」です。
とてもお根気がいる作業ですが、1年分のグラフをつくってみてください。
これによって、トレードのコツをつかむのです。ちょっと面倒くさいのですが、悪いことはいいません、根気よくやってみてください。
最初に、僕の個人的なお話をしましたよね。
思いだしてください。海で溺れないための訓練です。株式市場を路上にたとえましたが、初心者にとってはむしろ「海」といったほうがいいのです。そこに放りこまれるわけです。あるいは、泳げもしないのに、海にはいっていこうとしているのです。
そんな人はいませんよね。
自分が泳げないとわかっていれば、波打ち際から海にはいっていくなんて、恐ろしくてとてもできはしません。まして飛びこむなんて、めっそうもない。
ということで、つぎの回は「終値の折れ線グラフづくり」の実践です。