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Ospery E300でもっと効率よくマイニング(OC設定)

- このメモの趣旨

 E300は仮想通貨Kaspaをマイニングする際に、収益性を高めるために行うオーバークロック(OC)設定についての記録です。
 E300を壊さずエラーレートをあげない最適値を出す手順を、具体的にメモしてあります。
※ご支援いただける方向けに、試みに有料記事となっていますが、内容はすべて無料で読めます。

- 免責

 OCは設定によってはE300を壊す可能性があります。ここでは、なるべく安全と思われる方法をメモしてありますが、万一機器に不具合や破損、それにともなう損害等が生じた場合でも、当方は一切責任をとることができません。
 また、Osprey Electronics も「オーバークロックされた E300 に対して保証を提供しません」と明言しています。
 OC設定は、これらのリスクを理解した上で行って下さい。

- E300のOC設定(確認事項)

E300の動作に必要な推奨値の確認

 Ospreyより、E300の動作推奨値が公開されています。E300付属のマニュアルにも記載されていたので、まずそれを確認します。
 Kaspaの場合アルゴリズムはkHeavyHashなので、
 ・FPGA core clock 550MHz~650MHz
 ・vccInt      600mV~650mV
 ・温度 冬場:50℃~60℃ 夏場:60℃~70℃(※)
となっています。
 これらの範囲内でOC設定を行うと、比較的安全そうです。

 ※kHeavyHashではvccHBMは未使用
 ※資料では温度が Board なのか Chip なのかは明記無し。このメモでは安全のため、E300のセンサ読みでより高温になりがちな Chip temperatureの事であるとし、この値が推奨範囲を超えないよう設定しました。

図1. E300のFPGA CC, vccIntの動作推奨値表(Ospreyより)

必要な設定項目

 E300のOCに必要な設定は以下の3つです。
  ・FPGA core clock 計算能力が上がります
  ・vccInt
    上げる:FPAG core clockを上げやすくなります。
        上げすぎるとE300破損のリスクがあります。
    下げる:より省電力になります。
        下げすぎるとE300の動作が不安定になります。
  ・Fan
(今回はAutoで行います)
これらを踏まえた上で、OCを設定していきます。
各項目の具体的な設定は次の項以後にメモします。

- E300のOC設定(具体的な手順)

このメモでのOC設定

 OCの設定値は各自自由なのですが、このメモではE300の標準設定を参考に、
 FPGA core click(FPGA CC) 600 MHz => 615 Mhz
 vccInt            625 mV => 610 mV
としてみます。
 今回は限界OCではなく、OCでE300のKaspaマイニングの性能がどう変化するかを確認すること、いわば練習目的なので、FPGA CCを少し引き上げ、vccIntを少し下げます。
 標準よりすこし高性能かつ低消費電力化を狙うことになりますす。

OC設定の作業中はマイニングを停止しておこないます。
管理画面の「mining」から、「STOP」をクリックし停止しておきます。
また、Syslogを別窓で開き、設定の反映を確認しながら行うと安心です。 

1. vccInt の変更

 ・左のメニューから「FPGA status/settings」を選択
 ・Select FPGA から目的のFPGAを選択
  今回は All FPGA(s) を選択(※1)。
 ・vccInt for FPGAs in mV  に 610 と入力
 ・vccHBM for FPGAs in mV に 1000 と入力(※2)
 ・「Change Voltage」 をクリックし確定。

※1 個別に設定を詰めて行きたい場合にはそれぞれのFPGAを単独で選択します。
※2 kaspaではvccHBMは未使用なので最低値を入力。

 確定すると設定が反映されます。設定の反映には20秒ほどかかります。その間に新しい設定変更をしないようにします。

図. vccIntの設定

2. FPGA core clockの変更

 ・左のメニューから「Miner」を選択
 ・FPGA core clock 0,1,2 に それぞれ 615 と入力
 ※FGPA hbm clock は変更しません。
START」 をクリックし確定。

 設定が反映されプールでのマイニングが開始されます。マイニングの開始には3分ほどかかります。syslogで進行状況を確認しながら待ちましょう。

3. OCの評価

 syslogで動作を確認し、OC設定が反映されたマイニングが行われているかを評価します。
 具体的には
 ・ハッシュレートが希望どおり増加しているか。
 ・エラーレートが極端に高くなっていないか。
 ・FPGAが restart するなどのエラーが報告されていないか。
を確認します
 また、1.の「FPGA status/settings」のページで温度を確認し、Ospreyが公表している範囲を超えていないかも確認しておくと安心です。

ここはE300が届いたときにする動作確認とほぼ同様です。
※E300が届いた時に行う動作確認については以下
 https://note.com/stock300/n/n1cdb8b645c78


異常があるようなら、マイニングを停止し、手順1.のvccIntを引き上げる、手順2.のFPGA CCを引き下げるなどの対策をとります。

異常がないようならば、OC設定は完了です。
今回E300ではOC設定したことにより、
 ・ハッシュレートが0.57GH/s上昇し14.57GH/sに
 ・消費電力が454.8W=>440.8Wに低下(コンセントでの実測値)
 ・エラーレートは未検出(er:0.00)
となりました。

図. OC例、このメモでのOCの結果
ハッシュレートが0.57GH/s上昇
消費電力が454.8W=>440.8Wに低下(コンセントの実測値)
エラーレートは未検出(er:0.00)

- 参考資料. ハイエラーレートの例

 動作は出来ているが、計算結果にエラーが多すぎる状態。
 ※どこからを「多すぎる」とするかを正確には定義されていませんが、基本 er:0.00(エラーレート未検出)が望ましいでしょう。

図. エラーレートがer: 0.07あった例
図, E300 ハイエラーレートの例(osprey公式より)

- 参考リンク

Osprey Electronics


以下、何もありません。

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