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第78葉, 紫とか キース・へリングとか

どうも、yasu59 です。

先日 知人に薦められて、キース・へリング展へ行ってきました。その人は 滅多に褒めるということをしないが、キース・ヘリング展について「ちょっと感動したもんね。」と言われたので 気になっていた。また、その人から見せてもらったポスターには、若くしてエイズで亡くなったと書かれており それを読んだ時点でもう、腹は決まっていた。

念願叶って 行く事が出来たわけだが、薦めてもらって 本当に良かったなぁと思っている。恥ずかしながら、キース・ヘリングがゲイであるという事を その展示で初めて知った。それから、展示の音声ガイドを務めていたのが 磯村勇斗さんだった。キャスティングもさる事ながら、声がめちゃくちゃ良かったのだ。

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健忘症の気がある私だが、かろうじて思い出せるという時分から なぜか紫色が好きだった。その事にどんな意味があるのか解らないが、紫水晶のような、じっと眺めていると奥に吸い込まれてしまいそうなくらい深いけれど それでいて少し透明感のある… そんな紫色に 惹かれていた。でも、どうやら 世間的には良い印象のある色ではないらしい事を後から知った。

時として、色は 多くの意味合い・主張を持ち過ぎることがあるように思う。イメージが先行しすぎてしまう事がある。また、色を認識 / 識別する時には 少なからず、その時々の心情も作用してくる。一概に、「紫好きは〇〇だ」なんて事は(当然ながら)言えないが… 幼かった頃の私が凍らせてしまった感情たちを知る手がかりになるかもしれない。

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展示の広告用ポスターには、ヘリングがゲイであるという事は書かれていなかった。まぁ、自分の中の直感めいたものがいいように作用したらしい。特に8番のガイダンスが良かった。他にも印象的なものは多いが、強いて 3つだけ挙げることにする。

一つ目は、展示の随所に散見される ヘリングの言葉の力強さだ。真に迫ったものがあるというか、彼の作品郡をまさに観ているからこそ しっかりとした肉感や質量を伴っており、全く 歯の浮くような印象がない。

二つ目は、ピンクの三角だ。自分は ナチスの強制収容所でゲイを見分けるのに、ピンクの逆三角形を使っていたという歴史すら知らなかった。それを反転させて、ゲイのアイコン的存在の一つにしてしまう事に 当時の人々や活動家のパワーを感じざるを得なかった。

最後は、「赤と青の物語」という作品群だ。(少なくとも 今回の展示では?)その作品群の並びの最後に、紫色をした卵のようなものが描かれた作品が配置されていた。その事が、妙に印象深いのだ。

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キース・ヘリング展 ちょっとどころではなく、私は ものすごく感動させられた。観に行ったタイミングも相まって、すごく響いた。これまた、励まされた。( ”エイズ危機” について聞いた事はあっても 全然詳しくは知らないし…)こっちの方面でも、自分は まだ頑張れそうだという感が今ではある。

彼の言う通り、アートは不滅だ。彼の残した作品群は、力強い言葉たちは、その思想は、今もなお こうして生き続けているのだから。帰りには 近辺で有名だという喫茶店に寄って(2時間待ったが、其処へも寄りたかったので 苦ではなかった)、因幡うどんも食べた。佳き日だった、と思う。

ー筆おきー

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