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第91葉, 酒蔵とか 鄙びた温泉とか さびしさについて

こんばんは、yasu59 です。
干渉されない自由も 時として、必要だと 最近よく思います。

温泉というのは、ある種 贅沢な時間かも。シャワーだけでも必要十分かもしれないが、それでもなお 湯船に割とゆっくり浸かる。それが習慣化してきた。30分なんて、あっという間に経ってしまう。家からほど近くに温泉があると言っても、行って帰って来るまでは やはり… (入浴時間を含め)1時間はかかる。

毎日の営みが それである。改めて 贅沢だなと思う。

少し前の話だが、25歳になった。人気のない鄙びた温泉に入った時に「平日の真っ昼間から ゆっくり温泉に入れるなんて、最高だなぁ。」と思えるくらいには、大人になった。

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ちょっと前に 酒蔵に立ち寄った。
素敵で、かつ 活気のある所だった。目の前の川では、カモの子供が 水中をすごい速さで泳いでいた。泳いでいる時の方が 圧倒的に速い事に驚いた。その酒蔵で、「産土」(うぶすな)という言葉を知った。

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珍しく、ぶっ続けで 人と話をした。2人きりだった。
いい時間だった。一緒にいて 上がっていく人って、確かにいる。考え方が職人気質で、その人の生活様式が 私はとても好きだ。今の私には無い、生活の美しさを持ち合わせていて、「すごいなぁ」と心底思う。

なるたけ、いい風を 感じていたい。当たり前の事なのだけれど。
そして、その為には やはり動き続けるしかない。会いたい人には会いに行く、一人の時間を保ち それを楽しむ、手持ちのモノをしっかりと使う、生きているうちに偲ぶ、思いや考えを 言葉として綴る。

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主催した読書会が 無事に終了した。定員を9名に設定していたが、なんとか人も集まった。程よい緊張感も相俟って、(参加された方々の反応からしても)割と いい会になったのではないかと思う。準備に要した期間は 大体1ヶ月半くらいだった。次回の開催時期や時間帯について悩んでいる。

だが、どうして「さびしさについて」(筑摩書房)を今回のテーマ本にしたのか… 自分でも判然としない。ただ、今回のテーマ本が「さびしさについて」で本当に良かったと思う。著者の両氏に感謝するとともに、こんなにも思索に富んだ文章を綴れる事が本当に、本当にすごいと思う。

さびしいという感情にまつわる時間、その持続する長さや閾値、きっかけとなりうる人や物・場所、感情のバランスをとるのが ”大人” という事… etc. 読書会を通じて、深めようと思っていた事が まとまらない。けれど、運営に加わってくれた人が言うように それで良いのだと思う。

生活を営む傍らで、きっと それらの思索は発酵して深まっていく。ひとりで過ごす時間に、混ざり、丸く、熟してゆくと… 今は体感を伴って そう思える。

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当日 読書会に向かう途中、少し緊張していたようだったので (普段はあまり立ち寄らない)喫茶店で珈琲を1杯 飲んだ。そこのマスターは その場所で、40年近く お店をなさっているとの事。曰く、若い頃は合間を縫って よく読書をされていたそうだが、年齢とともに文字が読みづらくなっているようで、しみじみと… けれども、どこか少し満足気に

「今は その事をさびしく思うよ。」

と、言ってのけた。そんな用法ができるのも、きっと 年の功… だろうか。

いつもより ぶつ切りな文章になってしまった。
次回 読書会を開催するなら、深めたい本が既に決まってはいる。それとは別に、今は ヴァージニア・ウルフの「自分ひとりの部屋」を読みたいと思う。

ー筆おきー

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