幻想的空想的妄想的ジブリ解釈はじめました(ジブリの秘密)1
〜ジブリの作品をそれだけで分析してみる〜
はじめまして。
以前作成した、ジブリ作品についての分析メモを書いてみようと思います。実は、30年以上前に、ある特定の人たちにこの話をしてみたら、けっこう好評だったので、その後、15年くらい続けていろいろな人たちに話をしてみたことがあるのです。
私の娘が5歳くらいの時に、夏休みに一緒に録画したビデオテープで、『となりのトトロ』を見たのが始まりでした。娘が毎日見ても飽きないのに驚いて、これは何かあるな、と娘が飽きた後も見続け、いろいろな空想が文章になっていったのでした。
これがきっかけで、分析をしてみたのは、『となりのトトロ』の他、『おもひでぽろぽろ』、『On Your Mark』、『アーヤと魔女』、『崖の上のポニョ』などです。宮崎吾朗監督の作品の中では『コクリコ坂から』とこの『アーヤと魔女』は、メッセージ性がたっぷりで、細部と全体のつながりを見ていきますと、たいへん興味深い作品だと感じています。
宮崎駿監督の作品では、他に、『魔女の宅急便』、『千と千尋の神隠し』、『ハウルの動く城』など、分かりやすい物語仕立てに隠されたメッセージが見事に溶け込んでいるようで、繰り返し見ているうちに、作品構成の凄さを感じます。制作に何年もかけている作品をたった数時間ですべて飲み込むのは難しいのでしょうね。
また、高畑勲監督の『おもひでぽろぽろ』は、物語としては大変わかりやすいものですが、作品の構成を細かく見ていきますと、重層的な構造を感じとることができるような気がするのです。
ジブリ作品以外では、文章化はしていないのですが、『愛と哀しみのボレロ』(日本版のタイトル)、『屋根の上のバイオリン弾き』など、時代考証ではなく、また外部の作品との関連づけではなく、作品内部の構造を少しずつ読み解く作業をしたことがあります。
このサイトでは、時代や外部作品とのつながりについては、他に書籍やサイトでもたくさん書かれていると思いますので、そちらを参考にしてもらい、作品の内部分析だけに集中したいと思います。
分析の原則は、
・アニメ内部のシーンをいくつか集めて、それだけから空想的に考える
・考えた内容が他のシーンと違和感がないか調べる
これだけです。
というわけですから、時には、非現実的な空想になったり、場合によっては幻想かもしれず、作品の内部で迷子になっているかもしれません。現実では迷子は困りますが、この場合の迷子は、むしろ楽しいひと時になってくれるのではないかと思っています。
それでは、空想の迷子の世界に入ってみましょう。