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自分の選択を正解にする必要はない

2020年最後、新卒から3年間お世話になった会社を辞めることを決めた。

新卒で就職活動をしている時から、「3年経ったら転職を考えよう」と思っていた。入ってみれば人にも環境にもとても恵まれ、最初は目の前の仕事をこなすことに精一杯で「転職しよう」なんて気持ちは消え去っていた。

2020年、コロナウイルスで今までの当たり前が大きく変わり、仕事はフルリモートになった。人に会わず、家にいる時間が多くなり、自分との対話が増えた。加えて25歳になり、「30歳までの5年間」を意識するようになった。

3年前の就職活動ぶりに、「自分がやりたいこと」「なりたい姿」についてじっくり考える時間ができた。

思い出したのは、就職活動の活力にもなった中学生からの夢だった。2度の受験や就活を乗り越えられた、アイドルという存在を経て、「誰かの生き甲斐になれるようなエンターテイメントを届けたい」という想いを持つようになった。

そんな夢を再び思い返した時、「その夢にもっと近づきたい」と思った。今の職場は、本当に素敵な同期と先輩と上司ばかりだ。就業環境も給料にも困っていない。辞めたい理由なんて一つもなかった。でも、自分のやりたいことを次の5年間で実現しようと考えた時、「間に合わない」と感じた。転職しようと思った瞬間だった。

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苦労の末、12月の終わりに内定をもらった。志望度の高い会社だったから、当然行くつもりだった。しかし、提示された給与を見てすぐさま承諾ができなかった。現職より給与が低かったからだ。今年は引っ越しもあり、今より給与が下がると生活面が厳しくなる不安があった。

回答期限のギリギリまで悩み、転職することを決めた。夢への近道を選んだ。

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自分にとって大きな選択をする時、私はあまり人に相談しない。結局決めるのは自分だからだ。それは、自分が選んだことに責任を持ちたかったから。自分が選んだからには責任を持ってその道のゴールまで歩き切らなければいけないと思っていた。自分が選んだ道を正解にするために、努力してきた。

でも、今回の決断は、違う想いがあった。

社会人になって世界が広がり、いろんな経歴や経験を持つ人とと出会った。中には過去に大きな失敗や挫折をしている人や、よくわからない経歴を歩んでいる人もいた。でもみんな楽しそうに過去を語り、楽しそうに今を生きていた。

「選んだ道を必ず正解にする必要はないのかもしれない」

少し歩いてみて、違うと思ったら引き返していいんじゃないか、もう一つの分かれ道に進み直してもいいんじゃないか、そう思うようになった。

私は今まで、自分の思い描く道から絶対に外れないように生きてきた。外れないための努力はしてきたし、たくさん考えて納得の行く道を選んできたつもりだ。そしてその分、気負いすぎていたところもあった。

転職の決断は、もちろん考え抜いて納得のいく答えを出したつもりだ。でも、気負いはなかった。

「間違えたと思ったらまた選び直せばいい」

自分の選択に少し余裕を持てた気がした。視野が広がった2020年の選択だった。

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