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OIKKOMEIKKO2

今日も電話をする。


昨日、少しうまくいかないことがあって、

口には出さないけれど心が少し疲れてた。

集中すればすぐにできる勉強を2時間やってると妹は嘆く。

話してるすきに彼は集中して終わらせた。

拍手して褒めると、嬉しそうに笑ってくれた。


突然あたしに、

「今まで一番うれしかったことはなに?」って聞いてきた。

「結婚したこと?」と。

彼に「何が一番うれしかった?」と聞いた。

「妹が障害もなく生まれてきてくれたことかな」と

下アングルで二重あごの彼はふざけた顔で話した。


弟は18トリソミーという病気を持っている。

彼は弟のことが世界で一番好きなんだ。

小さい頃からいつもそばにいて、

弟が泣くと彼が近くに行けば泣き止むほど。

障害がどうとかじゃなくて、

そばで見ているからこそ、

妹が障害がなく生まれてこれたことが嬉しいって。


まだ6歳の彼。

この年でこんなに心がきれいで、

こんなにやさしくて、

誰に対しても平等に接する。

あたしは彼を尊敬すらした。


「結婚もそうだけど、弟妹だけじゃなくて、3人に会えたことかな」

と答えると彼はまたふざけて笑った。



気がつけば。

疲れていた心がすっかり軽くなった。

彼の無邪気な、きれいな優しさが心に染みて、

なんだかわからない涙が出てきた。


やはり、彼はあたしの太陽だ。

心の大きな、太陽だ。

いつもありがとう。


5/8

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