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女の裸をじっくりみた日

10月23日、女3人でストリップ劇場に行ってきた。
あかねちゃんが車を出してくれて、駅で桐島さんを拾って、ライブシアター栗橋へ。

広い駐車場にたくさん自家用車が停められていた。
人気の踊り子さんがたくさん出る日らしく、お客さんがたくさん入るので座れないかもということは事前に聞いていたが、この車全部ストリップ見るために来た人たちのものか!!!と思うと圧倒された。端的に言うと(語弊があるが)、これだけの人が女の裸を観に来たのかと。実際にはそれだけではないのはわかっているんだけど。

私自身は、ストリップは浅草ロック座で一度見たきりで、ロック座のストリップはどちらかといえばショーのような、広い舞台から花道が回転盆まで続いていて、それを少し離れた位置から「舞台」として観るような感覚だったので、いかにも昔ながらのストリップ小屋というような場所がとても新鮮だった。劇場の前にのぼりや花輪が立っていて、建物の作りは平屋って言うんだろうか。あかねちゃんが「ラーメン屋さんみたい」と言っていたので、郊外のラーメン屋さんみたいな建物をイメージしてもらうと良いかもしれない。

今回は、桐島さんの推しの踊り子さんが出演されるとのことで栗橋に向かう運びとなった。
桐島さんは、文学フリマというイベントで出会ったエモエモ百合小説を書かれる物書きのおねえさんであり、わたしたちが百合小説本を出そうと思った切っ掛けのお方なのでいわば女神様である。ありがたくもツイッターでちょこちょこ交流させていただき、いっしょにストリップを見に行きましょうというお話になった時に、桐島さんの推しの踊り子さんが出演される劇場に行きましょうとなったのだ。
推しの踊り子さんは、日ごろから桐島さんがタイムラインでお名前を上げていらっしゃる黒井ひとみさんのことだろうと思った。女性人気の高い踊り子さんらしい。
黒井ひとみさんといえば、私の中ではこの記事の印象が強い。とてもいい記事なので、まだ読んでない人はこんな日記なんて読んでないでこれを読んでくださいマジで。
なぜ女だけ、パンツを見せちゃだめ? ストリッパー・黒井ひとみが語る

小さな劇場の客席はすべて埋まっていた。当たり前だけど、圧倒的男性比率。
わたしたちは下手側の壁に沿って立つことにした。いま、わたしたちは壁である。
と立っていると、強制的に向かいの上手側の壁が視界に入るのだが、上手側の壁にもまた女性のお客さんが数名並び立っていたので、勝手に仲間意識を感じた。よかった、この場所でのマイノリティはわたしたちだけではなかったのだ。

演目が始まる。
ステージから客席までの距離があまりにも近い。この距離感は、私の感覚では、劇場というよりはライブハウスに近い。
音響の重低音が内蔵に響く。色とりどりのライト。ていうか近い。あまりにも近い。女の裸が。
人生で、初めて出会った女性の裸体をこんなに近くで拝むことが果たしてほかにあるだろうかと思うくらい近い。これ最前列の人はもっと近いと考えると、毛穴まで見えちゃうんじゃないかと思うくらいだ。

ストリップなので、最後は必ず衣服も下着も脱ぐ。当然乳首や女性器も露わになるのだが、踊り子さんが脱いだ瞬間に目が行くのはいずれも腹筋のタテ線だった。
みなさんものすごく鍛えてらっしゃる!
体のラインが美しいのはもちろんだが、脱いでから女性器を見せるためにかなりアクロバティックなポーズをとるので、当然そうとう鍛えているはずだ。血のにじむような努力を重ねてきたのだろう。腹筋だけではなく、お尻や太ももにもきれいに筋肉が乗っている。あの美しいなだらかな曲線を維持するのはすべて筋肉なのだ。日がな一日食っちゃ寝しているわたしとは別の生き物みたいだ。引きしまった肉体は美しい。

彫刻のような肉体から生命の熱気を感じた。
彫刻みたいでも、この人はいまわたしの前で息をしていて、汗だくになって息を切らして踊ってくれているのだ。裸になる、普段隠されているところを見せる、というのは文字通り自分を開く行為だと思うので、見てるだけの自分が勝手にものすごい生っぽさを感じるし、接触してないのに体温を感じるし、今わたしはとてつもなく不思議な空間に居るんじゃないかと思う。ピンクだったり赤だったりする照明が肉体を照らして陰影をつけて輪郭を浮かび上がらせる。そうして大勢の人間が囲んで女性の肉体を鑑賞する。内臓を見る。人によっては見やすく指で開いてくれたりする。わたしは医者ではないので人の内臓をまじまじ見ることってそうそうない。そうそうないどころじゃないな、ストリップ以外では完全に”無い”だ。

1ステージ目から3ステージ目の一人目の黒井ひとみさんの演目までほぼ通しで観たのだが、どれも素敵な演目だった。ひとつひとつに感想を書いてたら一生この日記が書き終わらなそうなので、申し訳ないがその中でも特に好きな演目だけ箇条書きで感想を書かせてほしい。

・1ステージ目3人目の蟹江りんさんの演目
 栗橋の香盤表をみたときにお顔がものすごくタイプだな・・・ぜったいすきだな・・・と思ってたら演目もとっても好みでした。バーテンの衣装でシェイカー振りながら踊ってるのたまらん~~~~!! かっこよすぎる!!! 女性のバーテンの衣装が嫌いな人いますか? いませんよね?
 バーテン衣装からの、脱いだら首から下げてるチェーン?が上半身にきれいに沿っていて、ラインが美しすぎてこれを絵にしておうちに飾りたいなと思った。上も下も脱いでるのにアクセサリーやおみ足のストラップがついたままなの最高すぎませんか。好きです。腕に入れ墨が入ってるのもかっこよすぎてしびれる・・・・・・・好き

・2ステージ目1人目の黒井ひとみさんの演目
 飢餓海峡という演目らしい。元ネタは知らないのだが、この時だけは他の誰のどの演目とも違う空気感を感じた。演劇だ。
 最初の歌の歌詞を聞いてこれ死ぬやつだ!と思った。演劇で人が死ぬシーンに赤い照明があたるとゾクゾクするので、もちろんこの演目でもゾクゾクした。息遣い一つとっても演技がとても真に迫っていたので引き込まれる・・・もう何回かじっくり観たいなと思った。(このときえぐいくらい混んでいたのであんまりよく見えなかったのだ)
 全然違うけど、観ながらつかこうへいの熱海殺人事件をぼんやり思い出していた。

・2ステージ目3人目の蟹江りんさんの演目
 アサシン女子高生百合な演目。女子高生×武器はあまりにもカードが強すぎるのでは・・・・? だってこれも嫌いな人いますか? いませんよね??
 最初のナレーションが面白すぎてこの日一番笑った(声を殺して)。それでいてやっぱりダンスはしびれるほどかっこいいのでもう好きになってしまう。これも裸体に武器のチェーンが乗ってて最高だったな。わたしは女の裸体×チェーンがものすごく好きなのかもしれない。
 おわったあとのポラ回でのお客さんとのやりとりもとっても面白かった。あんなポーズの女子高生を合法で写真に収めることができるなんて、なんていい世界線なんだ。
 1ステージ目のときに撮らせていただいたポラにサインを書いていただいたのだが、このときに「女の子のやつだけ書いたよ! 女の子~!」って呼びかけてもらえたのすごく嬉しかったな。

・2ステージ目4人目のささきさちさんの演目
 清純そうな女の子がお風呂上りにパジャマに着替えて化粧水つけて髪にオイル塗ってとしっかりスキンケアして、本を読みながらうとうとして、さあ寝ようと布団に入り・・・・ここから先は実際にご自分の目で見てほしい。
 この日の演目で一番生っぽさを感じてドキドキした。ものすごくセクシーでした。かわいいパジャマに着替えてスキンケアして、枕を抱いて布団に入って、本を読みながらうとうと・・・という正統派かわいい雰囲気から一気に妖艶になるギャップがたまんなかったな。
 いつも映画や舞台をみるときは眼鏡をかけるんだけど、会場が混みあってきてちょくちょく途中外出したりするときに眼鏡をはずすので、たまたま眼鏡をかけるのを忘れたまま演目を見ていたのだが、眼鏡かけ忘れたことをめちゃくちゃ後悔した。ほんとに。もっとじっくり観たかった。

・2ステージ目5人目の小宮山せりなさんの演目
 メイド服に拳銃・・・・!!!! しかもちゃんとレッグホルスターに銃をしまってくれるのたまらない。これも嫌いな人いないでしょって思う。いませんよね???? メイド服に拳銃が嫌いな人なんて???
 ステージにぶら下がったフラフープを使ってぐるぐる回るのかっこよすぎるのだが、これをちゃんとメイド服着た状態でも脱衣した状態でもやってくれたのすごく嬉しかったな。ググったらこういう演目の事をエアリアルと言うらしい。このぐるぐる回るやつほんとにかっこよくて見ごたえがあるので、1本目も2本目も近くで観られて感動だった。
 脱衣されてからもブラトップとレッグホルスターは外さなかったの、ほんと、最高だった。この衣装はそれでこそ映えるよなぁと思う。ほんとにかっこよかったな。

・3ステージ目一人目の黒井ひとみさんの演目
 桐島さんおすすめの百合演目、BlackLily! いや~~~~最高だったな。
 修道女百合が嫌いな人なんて(以下略) 倒錯的な世界観とストリップがマッチしていてよかった。衣装もかわいくてかっこよい感じでとても好き。黒レースグローブが狂おしいほど好きというのもあるけど、やっぱり裸体にヴェールの組み合わせが好きなんだと思う。(この日何回か裸体にベールになる瞬間のある演目があったと思うけど、観るたびに「いいな・・・」と思った)
 百合だけどおひとりで演じられる演目なので、相手役はエアートルソーに修道女の服を着せたものになるのだが、ほんとうに人間の女性を相手にしているような艶めかしさがよかった。ゆっくり修道服を脱がせたり、相手のロザリオを外して自分に掛けたり、行為の前に十字を切ったり、たまんねぇな~~~~!!!!となるポイントが多かった。

2ステージ目に好みの演目がものすごく詰まっていた~~~~!のがおわかりいただけそう。
①物語仕立てで②コスチュームを着ていて③ギャップがあるのが好きなんだろうな・・・・と自分の好きな演目の共通点を探る。

演目以外での感想も箇条書きさせてほしい。

・演目の合間合間で劇場の外に出たときに、ほかの女性客のかたがたと交流が生まれたのが面白かった。みなさん気さくで優しかった・・・。桐島さんが「もしかして桐島さんですか!?」と声を掛けられていたのも面白かった。さすが神だ。

・劇場で飼われている猫さんが人間にめちゃくちゃ懐いててスタッフさん?にされるがままになっていて可愛かった。猫飼いたい度が上がった。

・オープンショーで踊り子さんに女性器を見せてもらった男性客の方々の反応が一人ひとり違くて面白かった。拝んでいる人も居た。女性器は生命の根源だから崇めるのは間違ってないなと妙に納得した。

・3ステージ目まで居ると席に座っていた男性客の方が何人か「そろそろ帰りますけど座りますか?」と声をかけてくれてとても親切だなと思った。足腰が限界だったので3ステージ目の1本目だけ見て帰ろうという話をしていたので、有難くもお断りしたが、わざわざ気遣って声をかけてくれたのが嬉しかった。

・昔ながらの劇場かつ女性比率が低いのでかなりアウェー感があるかもという話を事前に聞いていたので、煙たがられるかなと思ったけど全然そんなことなくて皆さん親切でありがたかった。

・ストリップを観終わってへろへろの空腹状態で食べたからあげがめちゃくちゃ美味かった。桐島さんがストリップ終わりの飯が美味いと言っていたがガチだ。もりもり食った。〆にデザートも食べた。

・ロック座でストリップを観たときは、舞台から客席に少し距離があったのもあって「芸術を観てきたぜ」感が強かったが、栗橋は踊り子さんとの距離が物理的にも心理的にも近く(ポラ会があるのもあって)、"生"感が強かった。どっちもいいなと思うしまた行きたいなと思う。

・女性客が少ないのもあって、踊り子さんと目が合うと(勘違いと思われるかもしれないが、わたしはぜったいに黒井ひとみさんや蟹江りんさんと目が合った。間違いない)女の子!と踊り子さんが喜んでくれるので、こんなに居るだけで喜んでもらえる空間があるなんてと嬉しくなる。好きだ。

・最終的に、やっぱり舞台っていいなぁというところに帰結した。

書きたいこと大体書いたと思うので終わります。
読んでくださりありがとうございました。

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