#7(SF)
恐竜のいる時代、私たちの先祖は現代でいうところのネズミのようだったと聞いたことがある。
地上にいる生物の中でいうまでもなく、貧弱だったと。
上位に君臨する恐竜たちの陰でひそひそと暮らしていたのだろう。
だがその恐竜が絶滅し、ぽっかりあいたその座に我々が座ることになった。
「次の時代に活躍するものは常に前の時代パッとしなかったやつ」
という話を聞いたことがある。
含蓄ある言葉だ。
次の時代、何が覇権を握るのであろう。
今の時代パッとしないやつ。
その時、人類はどうなっているのだろう。
恐竜は鳥に姿を変えて、生き延びたものもいる。
人間の中にも、何かに姿を変えて生き延びるものが出てくるのだろうか。
そこまで考えて、
私は、
海に、飛び込んだ。
水中で生き延びる術を身に着けるために。
人間が水中で生きられる種へと進化する最初のステップとして。
私は、生き延びるぞ。
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