形を分類する方法 9グリッド法
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形や記号、絵文字を分類する方法に体系的なものが無いのが気になっている。
例えば「卍」、現在欧米の文化圏では「ナチス」のイメージであるが、 ナチス以前にはユダヤの「幸福」のシンボルであり 日本では「お寺」を表す記号であり、 ルーツはインドでインダス文明の印章に遡る。
というような事柄を「卍」の形から引けるようになればいいと思う。
記号の分類では、文字コードなど数字を割り振ってコード化することが行われているが、 コード表が無いと役に立たない。
よく知った音と結びついた記号はアルファベット順でもよいが、 なじみのない外国語の文字や約物などで名前を知らないものは調べようが無い。
漢字字典の総画索引や部首索引ように形から検索できると便利であるが 漢字は線で書くことが前提で、図記号一般はそうではないから そこまで対象範囲を広げると破綻してしまう。 また、折れ線を1画と数えるか2画と数えるかなど慣習的な要素も排除したいところだ。
出発点は、ごく簡単な図形認識からはじめることになるだろう。
図形を認識する時に私たちが見ているのは 地と図である。
描かれる背景と描かれたものの関係がまず問題になる。
背景は理論的には幾らでも広げていけるが、現実的な認識としては視界が一つの基準といえるだろう。
近づけば図に対する地は狭くなり、離れれば広くなる。
点と見えていた図は、近付けば黒丸になり、離れていくとやがて消えてしまう。
このように見ると 地と図の対比は描かれたものとの「距離感」であり 描かれたものと背景との「面積比」である 「点」が「黒丸」になったり「消失」したりという 意味の変化をひき起こしている要素として 地と図の面積比が一つ挙げられることがわかる。
これは、描いた人に意図された地の範囲が必ずあるということを意味する。
例えば文章の文字列などであれば1文字の大きさ、絵画空間であればキャンバスの大きさ、 その意図された面積によって同じ大きさの「点」が「黒丸」にもなりうるということだ。 描かれたものが点なのか丸なのかを知るためには 描かれている地の意図された枠組みを知らなければならない。
ここで、形の分類に際し1つの枠組みを設けてみる。
正方形の背景を1単位とし上下左右に3等分することで9つの正方形で成るグリッドを考える。
「・」は2行目の2列目に収まるが、「●」は収まらないというように収まる収まらないで分類するほか、 「.」は3行目の1列目に収まるというように、単位背景に対して小さい場合でも 位置によって意味が変わる場合を補足しようというわけである。
この考えをさらに発展させると、 9つのグリッドのどのマスに図が存在しどのマスに存在しないかによって形を分類する方法が考えられる。
この場合分けがいく通りあるか試算すると 9桁の2進法で表せる自然数の数に相当するから512通りに分類できることになる。
この分類法はひらがなやアルファベットなど画数の少ない文字や記号には有効にはたらきそうだが、 画数の多い漢字などは全てのグリッドに何らかの図が入る可能性があり複雑な形では大きな偏りが出るだろう。
以下に512のパターンを具体的に示す。
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