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王道の英語学習法

はじめに

この本を手に取ってくださりありがとうございます。
この本をご覧になられているということは、英語を話せるようになりたいと、少なからず考えられていることでしょう。

✔外国人と話したい
✔海外旅行をもっと楽しみたい
✔勉強してるのに言いたいことが出てこない
✔いつまで経っても英語が聞き取れない

このような願望や悩みを抱えてませんか?
私もかつて全く同じ願望・悩みを抱えていました。
中学生で英語に挫折して以来英語には苦手意識がありました。
大学時代に初めて行った海外では、スターバックスでコーヒーを頼むことさえできませんでした。

ですが試行錯誤しながら学習を重ね、今ではアメリカ人の彼女と同棲し、英語で仕事ができるまでになりました。

この本では、私自身や生徒さんたちの英語学習に関する失敗体験や成功体験に基づいた具体的な方法を紹介していきます。
正直それらの方法は決して楽なものではありません。

「聞き流すだけでペラペラに!」
「〇〇するだけでネイティブのように話せる」

「1週間で英語は話せる」

このような内容を期待されてこの本を手に取っていただいたのなら、ごめんなさい。
残念ながら私にはそのような方法がわかりません。というか存在するとも思えません。

そんなセールスレターに騙されず、今度こそ本気で取り組み、本当に英語を話せるようになりませんか?
学生時代の勉強を無駄にしないためにも、話せるようになりましょうよ!
英語は、話せてこそです!

本書で紹介する学習を通して次のようなことが実現できます。

*挨拶や短いフレーズだけでなく、自分の意見をスムーズに言え、内容のある会話ができる。
*自分の英語に自信が持て、より積極的に英語を使うようになる。

私や私の生徒さんたちにも出来たんです。あなたにもきっと出来ます。
本書は、今は全然英語が話せないけれど、本気で英語を話せるようになりたいというあなたのための本です。

英語話せない人がしている7つの勘違い

本屋さんに行けば英語学習に関する本が山のように並べられています。それだけ英語を話せるようになりたいと考えている人が多いことわかります。

しかし英語を話せるようになりたいと思い、勉強を始める人は多くても、実際に話せるようになってる人は少ない。

もしかしたら、この本を読んでくださっているあなたも

「勉強してるのに、一向に話せるようにならない」

という悩みを抱えているのかもしれませんね。

残念なことですが、英語が話せるようにならない人は、往々にして英語学習について勘違いをしています。

具体的には下記の7つのような勘違いをしてしまっています。

勘違い①:間違ってはダメ
勘違い②:ネイティブのように話せないとダメ
勘違い③:発音が悪いとダメ
勘違い④:いっぱい知識がないとダメ
勘違い⑤:楽な勉強法がある
勘違い⑥:長期間コツコツすれば話せるようになる
勘違い⑦:子供の頃からやってないとダメ

これらは誇大なセールスレターが原因だったり、英語を話せるということをあまりにもすごいことだと考えてしまっているのが原因です。

最初のこの章では、まずこれらの勘違いを1つずつ修正し、英語学習に関するマインドを変えていきましょう。

勘違い①:間違ってはダメ
→完璧主義は「英語を話せない」最大の原因

間違ってはいけないという思い込みが「英語を話せない」最大の理由と言っても過言ではないです。

この間違えてはいけないという考えが話そうと思った時

『この表現でいいのか?』
『間違ってたらどうしよう?』
『間違ってたら恥ずかしいな』
『恥をかくくらいなら、話さない方がいいな』
『話さないでとりあえず苦笑いしておこう』

という感じで話す際にブレーキがかかっちゃいます。心当たりはないですか?

他のことは完璧主義ではない人でも、なぜか英語に関しては、完璧でなければと考えてる人が多いです。でもこれっておかしいですね?

例えば「泳げますか?」と聞かれたら、バタフライはできないが、平泳ぎができる人はおそらく「できます」「まぁまぁ」と言った返答をされると思います。

もしかすると我流の泳ぎ方でも25m泳げれば「できる」と言う人もいるかも知れません。

でも、改めて英語ができるかと聞かれた際に、「できます」はおろか、「まぁまぁ」と答える方もほとんどいませんね。

これは英語に関してみんな完璧主義になってる証拠です。

仮に「話せません」答えた人でも ” This is a pen. ” って英語は大抵知ってますよね?

『そんなの当たり前じゃないか!』と思いましたか?

でもこの ” This is a pen. ” の ” This ” さえ知っていれば、海外のマクドナルドで注文ができます。

海外の飲食店で欲しいものを英語で注文できるとか、25mを泳ぐよりすごいですよ。

それなのに、多くの人が自分は英語ができないと考えてしまっています。

ただそのように考えてしまうようになったのはあなただけの責任ではありません。

学生時代に学んだ英語や、試験の英語に問題があります。

学校で学ぶ英語や、試験の英語には、明確に正解というものが存在しています。

なので正しくない答えを書けば当然×をつけられます。

その経験から、何かを注文するときに、”This !”というだけの自分の英語は正しくないと考え、自分は英語ができないと感じてしまいます。

英語が話せなかった時期に、自分もそのように感じていました。

なので勇気を出して話すためにも、英語は完璧でなくてもいいと考えるようにしましょう。

それに実際の会話は、学校で習った英語や、試験の英語と違い、間違っても言い直せばいいんです。

ただ勘違いして欲しくないのですが、受験英語や文法知識が「無駄だ・不要だ」と言っているわけではありませんよ。

あとで言いますが、高校受験レベルの文法などの基礎知識は必須とすら考えてます。

勘違い②:ネイティブのように話せないとダメ
→ネイティブな英語を話したい願望は捨てろ!

『ネイティブスピーカーは〇〇と言わない』
『ネイティブスピーカーみたいに話せるようになる』

といった類の本が書店にはたくさん売られています。

確かにどの本も、ネイティブスピーカーによるチェックが入ったすばらしい本で、「なるほど」「そうなんだ」と思わされることがたくさんあります。

しかし、日本で育った普通の日本人が数年英語を勉強したくらいで、ネイティブな英語を話せるようにはなりません。

この本を書いている私自身10年近く英語を学習していますが、ネイティブな英語とは程遠いです。

それでもアメリカ人の彼女と同棲できていますし、海外で働くこともできました。

ネイティブな英語を目指すとレベルが高すぎて一生話せるようになりません。

運動不足の中年男性が、オリンピックのマラソンでいきなり金メダルを目指すのと同じようなものです。なぜこの例えをしたのかは不明ですが。

とにかく、語学学校や書籍のキャッチコピーでネイティブ英語を目指させるのはビジネスのためです。

その方がキャッチーで食いつきがいいですし、一朝一夕で身につかない分、長期間課金してくれる可能性が上がりますからね。

ネイティブな英語を身につけるのは現実的ではない

「ネイティブな英語を話したい」という夢を抱くこと自体は素晴らしいことです。

しかし、現実問題としてそれは難しいと言わざるを得ません。

というのもネイティブのような英語を話すことは、単純な英語力だけの問題ではないからです。

文化・場面背景・言葉遣いなど幅広い前提を理解していないといけません。

ネイティブ同士はこれらが共通の知識として当然に備わっていますが、第二言語以降で英語を学習している私たちには圧倒的に不足しています。

これらは一朝一夕の学習でどうにかできるものではありません。

一見、英語がペラペラに話せている非ネイティブの人も、実際は頭の中にある英文のストックや知識を引っ張り出して使っているだけです。

そして、そのストックの量もネイティブのそれとは絶望的な隔たりがあります。

そもそもネイティブな英語は必要ない

やる気を削ぐような事実ばかり言って申し訳ありません。

明るい話をしましょう。

それは、そもそもネイティブな英語を話す必要はないと言うことです。

なぜなら、ネイティブな英語は世界では少数派だからです。

WEF(世界経済フォーラム、英: World Economic Forum)によると、英語を話す人は世界に約15億人いるそうですが、英語が第一言語の人は、その中でも4億人未満だと推計されています。

つまり、ネイティブな英語を話すことができる人は、英語話者の内たった1/4程度しかいないということです。

残りの3/4は私たち日本人のように、英語を外国語として使用している人たちです。

英語を外国語として使用している彼らもネイティブな英語は話せません。

このような、非ネイティブの英語が世界では多数派です。それでも共通言語として英語で意思疎通が行うことができています。

またネイティブの人たちも、ノンネイティブの人と会話することに慣れているため高度な英語できなくても、問題なく意思疎通ができます。

だから日本人はネイティブのような気の利いた表現よりも、伝わる英語を身につけることを優先すべきです。

勘違い③:発音が悪いとダメ
→日本語訛りの英語はセクシー!

先ほどのネイティブ思考と繋がってますが、英語を話す際は発音が上手でないといけないと考えている人が多い。

当然発音が良いに越したことはないです。

しかし、日本語の訛りを抜くって相当難しいです。私も未だに多少日本語訛りが残っています。

日本語訛りの英語はどう思われるのか?

結論、ゴリゴリの日本語英語ではない限り、相手はそれほど気にしてません。

というかそもそも、外国人であるあなたが完璧な英語を話せることを相手は期待していません。

日本人は見た目からアジア人だと丸わかりです。

そんな "アジア顔"の日本人がすごく流暢な英語を話せるなんて、誰も思ってません。

むしろノンアクセントの英語で話す日本人なんて可愛げがないでしょう。

日本語が流暢すぎる外国人より、少し片言でも頑張って話そうとしてる外国人の方が可愛げがありますよね?

それと一緒です。

実際、自分の周りの外国人の友達(特にアメリカ人)は、日本語訛りがある英語はオリエンタルな感じがして魅力的だと言ってくれます!

アメリカ人の彼女も、私の英語をセクシーだと言ってくれます。

日本は島国なので、このあたりのことはあまり意識しづらいかもしれませんが、欧米は移民の人が多いです。

そして彼らの共通言語として英語が使われるので、各国それぞれに「〇〇訛りの英語」というのがあります。

英語をよく話す人はそれぞれの国によってアクセントに違いがあることを知っているので、特別日本語訛りの英語を問題視していません。

だからあまり気にする必要はないですよ。

それに、ネイティブのような発音の英語にこだわり、ある程度以上に発音を極めるのはコスパが悪いです。

理由はシンプルに伸びづらいから。
例えば、大学までを地方で過ごした人が新卒で東京就職したとしましょう。
その新人君は1年経ってもおそらく完全な標準語を話せるようにはまだなっていないですよね。
長い間使ってきた抑揚やイントネーションが染み付いてしまってるので仕方ありません。
根こそぎ取り除くのは相当難しいはず。
たとえ完全に訛りを消す努力をしてないとしても、しっかりと音の違いが聞き分けられる日本語でも訛りを直すのは難しいんです。
であれば、全ての音が正確に聞こえない英語で、それがいかに難しいかは想像できますよね。
なので、まずは通じる最低限で大丈夫です。
あくまで「通じる最低限」です。
日本人の英語学習者は発音に対して、「極めたい人」と「無頓着な人」の二極化がすごいです。
極める必要はないですが、全くの日本語英語でいいわけでもないですよ。

このあたりはスピーキング学習の章で深堀りしますね。

勘違い④:いっぱい知識がないとダメ
→高校1年までの英語知識があれば英語は話せる

やり直しで英語の勉強を始める人の多くが、思考停止で単語帳と文法書を買うことから始めます。

単語・文法は確かに大事です。

しかし、単語・文法を学習するだけではいつまで経っても話せるようにはなりません。

実際売られてる単語帳で、日常会話での利用頻度は低いけど、とりあえず掲載しているなんて単語は多くあります。

英語は知識だけでは話せるようになりません。

スピーキングの章の先取りですが、仕入れた知識を運用できてこそ英語は話せるようになります。

文法などの知識なんかは、高校1年レベルのもので必要十分です。

中学から高校1年までにかけて習う英文法は、汎用性が高く日常会話でもよく使われます。

ですが大学受験のために勉強するような文法知識はかなりマニアックで、実際の会話で使う人なんかほとんどいません。

日本語でも書き言葉で難しい文法・単語が使われることがあっても、話す際にはあまり好んで使われないですよね?

また、マニアックな文法や単語を知りすぎていることが逆に、

『これでいいのかな?』
『別の単語使った方がいいんじゃないかな?』

と、英語を話すブレーキになってしまうことすらあります。

なので、まずは高校1年レベルの文法・単語を身につけて、その後は実際に話すためのトレーニングに集中した方が効率的です。

話すための具体的なトレーニング方法に関しては、本書の中で詳しくお伝えしますので、安心して引き続き読み進めてください。

勘違い⑤:楽な勉強法がある
→日本語だって苦労して身につけた能力

「日本語を学ぶ時には、シャワーのように大量に聞いたから、英語も大量に聞き流すだけで話せるようになる」

こんなことを何度か聞いたことがあるのではないでしょうか?

確かに日本語を身に付ける際には、文法書のようなもので学習した覚えはないですね?

だから「英語も母国語と同じように楽に習得したい」と考えてる人も多いでしょう。

しかし、本当に母国語は楽に習得できたんでしょうか?

日本語を話す過程でも、最初からスムーズに話せなかったはずではないですか?

たくさんの言葉を聞いて、自分の中で理解して声に出してみる。

そしてその言葉が間違っていたら、父親や母親が正しい言葉を何度も言って聞かせてくれたはずです。

それも簡単な言葉でゆっくりとした話し方でです。

その教えてもらった表現を言い直して、また間違えて直して、という繰り返しをして話せるようになったのではないでしょうか?

このように母国語でも、勉強をしていたと言う自覚がなかっただけで、濃厚な試行錯誤をしながら話せるようになってきたのです。

第二言語でもそのような試行錯誤の過程は絶対に必要です。

さらに言うと、英語学習の際に、場面に応じた言葉をゆっくり、間違っても何回も指摘してくれる、親のような存在の人はいますか?

ほとんどの場合いないでしょう。

それならば、習得がより難しくなるのは容易に想像ができるでしょう。

余談になりますが、外国人の恋人ができると学習速度が早まるのは、このように何度も同じことを言ってくれる存在がいるということも大きいです。

ただそのような存在がいないからと絶望する必要はありません。

英語を話すと言うのは「技術」です。

「技術」は正しい練習をこなせば、ある程度まで独りで十分に伸ばせます。

ある程度まで「技術」を伸ばせば普通に会話ができるようになるので、そこからは使いながら指摘された間違いを修正していけばいいんです。

勘違い⑥:長期間コツコツすれば話せるようになる
→英語学習は短期間で勝負すべき

インターネットで調べると、日本人が英語学習に必要な時間は、おおよそ2200時間という意見が多いです。

これは、アメリカ国務省の付属機関であるFSI(アメリカ外交官養成局、英:Foreign Service Institute)が調査した『英語を母国語とする人が、言語を習得するのに必要な時間』の結果を元にしています。

その研究によると、日本語と英語は全く文法も単語も違う言語なので、英語を母国語とする人たちが日本語を学習するには約2200時間かかるという研究結果が出ています。

この研究結果から、逆に日本語を母国語にする、私たち日本人が英語をマスターするのにも同様におおよそ2200時間かかるだろうと考えられています。

気休めにしかなりませんが、多くの日本人は中学・高校の英語の授業で既に約1200時間の英語を学んでいます。

なので理論的には、残り1000時間の英語学習をすれば英語をマスターできるということになります。

突っ込みどころはあると思いますが、研究で平均を取っているので大きく外れているということはないでしょう。

ただ2200時間というのはビジネスレベルで言語が使えるようになる時間です。

なのでとりあえず話せるようになるという目標であれば、もっと短い時間で達成可能です。

事実、私がまがりなりにも英語が話せるようになったと感じたのは、本気で英語を話す勉強を始めて、だいたい300時間たった時でした。

その当時は、1日3~4時間毎日話すための勉強をしていたので、期間で言うとだいたい3〜4ヶ月くらいです。

私の生徒さんでも成果を感じるようになってこられるのもだいたいそのくらいの期間です。

学習の密度によって必要になる時間は異なる

ここまでを読んで、「そうか英語を話せるようになるには、とりあえず300時間勉強すればいいのか」と考える人もいるかと思いますが、英語学習にかかった時間は目安でしかないです。

というのも学習の密度によって差が生じるからです。

学習の密度とは、単に集中力の差とかもありますが、それは数値化が難しいので今回は取り上げません。

今回いうところの学習密度は具体例を出した方わかりやすいかと思います。

例えば下記のAさん・Bさん・Cさんという3人の例を見てみましょう。

✔︎Aさん:週に1度、3時間を100週間継続
✔︎Bさん:毎日30分学習を600日間継続
✔︎Cさん:毎日3時間学習を100日間継続

3人とも合計は同じ300時間を達成しています。

では3人とも話せるようになったのでしょうか?

おそらくAさんとBさんは話せるようになっていません。

人間は残念ながら忘れてしまう生き物です。

なので週に1回3時間という密度がスカスカな方法では時間をかけても思ったように成果を得ることができないのです。

「何年も英会話スクールに通っているのに話せるようにならない」という人の多くはだいたいこのAさんのパターンです。

そんな人は騙されたと思って短期間に英語を学ぶ時間を大量投下してみてください。

それだけで話せるようになることもあります。

また、Bさんのように毎日少しでも勉強時間を確保しようとされるのは素晴らしいことです。

ですがこれも効率が悪いんです。これはケンブリッジ大学の研究でも結果が出ています。短期集中がベストです。

短期間で学習することのメリットは学習効率の面だけではありません。
 
多くの人が英語学習に挫折してしまうのは、「このまま学習しても話せるようになるかわからない」という不安を抱えているからです。

最初はモチベーションが高いから頑張れますが、時間が経つに連れそのモチベーションは低くなっていきます。

そうなってくると不安な気持ちがモチベーションに勝ってしまい努力する手を止めてしまいます。

これは今までの英語挫折経験を思い出してもらえれば、納得してもらえると思います。

しかし、逆にいうと結果さえ出れば勝手に継続できるということです。

大当たりしてるパチンコ台から席を立つ人はいないですよね?それと同じです。

そうならば、モチベーションの高い最初のうちに、短期集中で大量の時間を投下しましょう。

そして「英語話せるようになってきたかも!」というレベルに時間をかけずに到達できれば、あとは楽しくなって勝手に英語の学習が続きますよ。

勘違い⑦:子供の頃からやってないとダメ
→大人の方が優れている能力を使う

「英語を学ぶなら若いうちの方がいい」ということを耳にしたり、あるいは実際に年齢を言い訳にしてしまったことがある人は多いと思います。

確かに年齢を重ねるごとに単純な記憶力は落ちていくように感じるでしょう。

しかし大人だって正しい記憶の仕方を身につければ新しいことを覚えることができます。

具体的には、頭の中の図書館を整理するために、情報間に関連性を持たせるんです。

例えば単語を覚えるなら、関連性のある単語をまとめて覚えるといい。

この日は、英語日記に使えそうな感情を表す単語を覚える。

また別の日は野菜の名前を覚える。このようにするだけでも、覚えやすく、知識を引き出しやすくなります。

また英語に限らず、学習の基本は「既知」と「未知」をつなげることにあります。

新しい何かを効率的に学ぶには、すでに知っているものと新しく学ぶものを関連づけると良いということです。

そうするだけでも格段に覚えやすくなります。

例えば、

「ネームサーバーとは、コンピューターが他のコンピュータとインターネットプロトコルを介して通信する際にドメイン名をIPアドレスに変換する名前解決を行うサーバーです」

なんて言われてもプログラマー以外なんのことか意味わからないですよね。

これだと記憶できなくて当然です。

でも次のように言うとどうでしょうか?

「Amazon(アマゾン)で買い物する時にamazon.co.jpっていうURLのサイトページに行くよね?あのamazon.co.jpっていうのはインターネット上のAmazon(アマゾン)の住所のことで、ドメインって呼ばれてるんです。でも実は本当の住所はIPアドレスって言う、数字の羅列で書かれてて人間には覚えにくいから、ドメインみたいに人間に読みやすいものを使います。その数字の羅列とドメインが同じ意味だよって判定してくれる人のことをネームサーバーって言うんですよ」

このように言われると覚えやすくないですか?

これは「IPアドレス・ドメイン名・ネームサーバー」といった「未知の情報」を、「amazon.co.jp・住所」といった「既知の情報」と関連づけることができるからイメージしやすいし、覚えやすいんです。

もっと身近な例で言うと、私の親はスキーが好きなので、私自身は小さい頃からスキーをする機会が多かったです。

その後大学生になった時、生まれて初めてスノーボードをしましたが、すぐにできるようになりました。

これはスキーをするのとどの部分が似ていて、どの部分が違うのかと言うことを考えることができたからです。

このように関連づけができると、学習スピードは上がります。

つまり関連づけられる知識や経験が豊富になればなるほど、それだけ新しい情報と多くの関連性を見つけられると言うことです。

この知識や経験は大人の方が当然子供より持っていますよね?

英語でうまく会話できる2歳児のネイティブはまずいません。

でも、一般的な大人が2年間勉強して話せるようになることを普通にあります。

これは母国語という「既知の情報」と、英語という「未知の情報」を関連づけることができるからです。

これが大人でも十分英語を身に付けられる理由です。

【スピーキング力をあげる】

英会話において必要なのは英語の4技能のうちリスニングとスピーキングですよね。

おまたせしました!

ここからは具体的にスピーキング力を上げるための理論と方法について言及していきます。

英語が話せるようになるってどういうこと?

そもそも「英語が話せる」ってどんな状態をイメージされますか?

前章で英語学習における勘違いについて気づきがあったと思います。

でも、まだ「英語が話せる」状態についてイメージを正しく描けていない人もいると思うので、まずはここから説明します。

「そんなんいいから早く方法教えろ!」って人は読み飛ばしてください。

別に正しく描けないと話せるようにならないという事はありません。

ただ学習過程でフラストレーションが溜まってしまうかもしれないので気になる方だけでもどうぞ

英語が話せるというのは『英語で自分の意思を伝えられること』です。

英語は所詮、コミュニケーションツールの1つにすぎません。

詰まるところは自分の気持ちを相手に伝える手段です。

その目的が達成できることが、英語を話せるということです。

決して、「難しい単語をいっぱい知っている」ことでも「ネイティブのような気の利いた言い回しができる」ことでもありません。

「難しい単語」や「気の利いた言い回し」なんてのはゲームでいうところのコンプリート要素や、ハイスコアなどのやり込み要素です。

そんなことにこだわる前にまずはメインストーリーをクリアしましょう。

メインストーリーは「簡単な表現でも意思を伝えられる英語」「ゆっくりでも意思を伝えられる英語」を身につけるということです。

ここを勘違いしていると、成長しているにも関わらず理想とのギャップがまだ大きいので「喋れない」とフラストレーションが溜まってしまいます。

話せるようになるまではシンプルな「ホステル英語」

前章でもお伝えした通り、ネイティブのように話す必要はありません。

あなたが目指すべきは「観光地のホステルのロビーで話されている英語」です。

ホステルとは、宿泊客同士の交流の場がある低予算型の宿泊施設。

一部屋にいっぱいベッドおいてるアレです。

観光地のホステルにはいろんな国のバックパッカーや旅行者が滞在しています。

ホステルでは母国語が違う人同士の会話では、共通言語として英語がよく使われます。

しかし、当然ながら英語が母語ではない人たちも多く滞在しています。

そのため、そこで求められるのは「気の利いた英語」ではなく、「意思疎通できる英語」です。

具体的には、難しい単語や文法が使われず、最低限理解できる発音の英語です。

もっというと、時には文法や単語が間違っている場合もあります。

それでも「ホステル英語」を使ってそこにいる人たちは会話をして、十分にコミュニケーションをとり、それぞれの意見を伝え合っているんです。

いま英語が話せない人がまず目指すべきはこれです!

この目標をクリアできるようになると英語でコミュニケーションが取れるので、学習が楽しくなり、積極的に英語を話す場にも足が運ぶようになります。

そうなると勝手に英語の勉強も継続するようになる、いいスパイラルに入ることができ、結果英語力もさらに伸びていきます。

じゃあ実際にシンプルな「ホステル英語」を話すには、どのようにすればいいのでしょうか?

シンプルな英語を話せるようになりたい人は、まず前章でお伝えした通り中学〜高1レベルの知識を勉強しましょう。

前章でもお伝えしましたが、中学〜高1レベルの文法は汎用性が高く会話でも必須な知識です。

逆に、大学受験用の分厚い参考書に乗っているような、英文法なんかはマニアックなものもあって使い勝手が悪い。

具体的に必要な文法項目は下記のようになります。

✔︎話すのに必要な文法項目
 ・be動詞
 ・一般動詞
 ・命令文
 ・否定文
 ・疑問文
 ・疑問詞
 ・時制
 ・助動詞
 ・不定詞
 ・動名詞
 ・分詞
 ・関係詞
 ・受動態
 ・比較
 ・仮定法
 ・前置詞
 ・接続詞
 ・代名詞

意外と少ないですよね?

しかも、これらの応用的な知識はとりあえずは必要ありません。基礎部分のみで大丈夫です。

ただし、これらの文法を知識として知ってるだけでは不十分です。

英語が話せるようになる公式

なぜ不十分なのかというと、そもそも英語が話せるようになるには、「知識」と「運用力」が必要です。

いきなり「運用力」とか言われても、これだけではなんのことかわからないですよね。

順に説明しましょう。

英語が話せる力を仮に【英語力】としましょう。

この【英語力】は「知識」×「運用力」で決まります。

具体的に「知識」とは下記のようなものです。

✔︎知識
 ・単語
 ・文法
 ・定型表現 etc.

また「運用力」は

✔︎運用力
 ・言いたいことを簡単にする要約力
 ・適した知識を引き出す瞬発力
 ・それを口に出す動作力

これら3つの力です。

これらをそれぞれ鍛えることで、英語が話せるようになります。

しかし、どちらか片方だけ鍛えても話せるようになりません。

学生時代の英語や、試験の英語は、「知識」を中心に詰め込まれます。

そしてその「知識」を多く知っている人ほど、点数が高くなるようになっています。

実際に英語が話せるかどうかは考慮されていません。

だから高学歴でも英語が話せない人も多いんです。

わかりやすく数字にしてみましょう。

多くの日本人は学校教育の中で「知識」を詰め込まれるので、「知識」は「70」くらいある人が多いです。

でも学校では「運用力」を鍛えるようなことはしません。

なので「運用力」が「0」の人がほとんどです。すると【英語力】は「0」( = 70 × 0 )です。

だからテストでは点数が取れるのに、英語が話せないという人ができるんですね。

大人になって一生懸命に勉強してるけど、一向に話せるようにならない人はこの「運用力」が「0」というパターンが多いです。

一方で、簡単な中学英語を読めるくらいの「知識」が「30」しかない人でも、「運用力」を鍛えて「30」にすれば、【英語力】は「900」( = 30 × 30 )になります。

トータルの英語力は、こちらの方が遥かに高いです。

このように知識量は英語を話すための一要素にすぎません。

だから、英会話のために英語を学習する際は、学生時代の延長で文法などの知識勉強に終始するのではなく、ある程度まで知識が身に付けば「運用力」を鍛える勉強に切り替えていくと必要があります。

ここからは具体的に「知識」と「運用力」をそれぞれどのように鍛えていくかを解説していきます。

スピーキング力を上げる【知識編】

文法

文法の必要性

英文法と聞くと蕁麻疹が出るほど拒否反応を起こしてしまう人もいるかもしれませんね。

こんな本を書いていますが、かつて私自身がそうでした。

私は学生時代英語が苦手で、文法は三単現の項目でリタイアしました。

余談ですが、中学1年の最初のテストはアルファベットが書けるか?とか、そんなレベルのテストで油断させておいて、次のテストから三単現っていう、いきなり日本語にない概念入れてくるやり口が汚いですよね?

すいません脱線しました。

とにかく文法学習って地味で面白くないですよね。だから私は嫌いでした。

しかし残念なお知らせですが、英語を話せるようになるには文法を学習した方がいいんです。

文法を学習した方がいい理由は、単純に英語学習に必要な時間が短縮できるからです。

文法は大人が英語を身に着ける強い味方 

巷には「英文法の勉強は必要ない」「英語は勉強せずに耳から聞き流して身に着ける」といった学習法がもてはやされています。

この根拠の多くは、「子どもの頃はそのように言語を学んだのだからそれを参考にするべき」というものばかりです。

しかし前章でもお伝えした通り、母国語を学ぶのも決して楽な過程ではなく、濃厚な試行錯誤をしながら話せるようになってきたんです。

そして実際に子供が大人とスラスラ会話できるようになったのは、小学校に入学する6~7歳あたりだったのではないでしょうか?
  
英語を身につける際に、文法を知らずに学ぼうと思うと、子どもの頃に身につけたように、英語を浴びるように聞いたり、読んだりして身につけることになります。

そのような過程を経て

『何かを尋ねる時は、語順が変わるんだな』
『過去のことが言いたい時は、動詞の形を変えるんだな』
『動詞の形が変わる時、edを語尾に付ければいいだけじゃなくて例外もあるんだな』

というルールを自分で見つけ、身につけていかないといけないんです。

しかし前述した通り、常にその言語に囲まれた環境でかつ、場面に応じた言葉をゆっくり、間違っても何回も行ってくれる親のような存在がいたとしても会話できるようになるまで6~7年かかるんです。

そのような環境が用意できないできないなら、学習に必要な時間はさらにかかる可能性だってあります。

そんな長い時間英語学習だけに時間割けないですよね?

じゃあどうするのか?

そうです。文法を学ぶんです!

先ほど例の自分で見つけた

『何かを尋ねる時は、語順が変わるんだな』
『過去のことが言いたい時は、動詞の形が変えるんだな』
『動詞の形が変わる時、edを語尾に付ければいいだけじゃなくて例外もあるんだな』

というルール。

このルールというのが、何を隠そう英文法なんです。

そうなんです。6~7年もしくはそれ以上をかけて自分でルールを見つけなくても、もう英文法としてまとめられているんです。

であるなら、それを使って学んだ方が効率が良さそうだということはおわかりいただけると思います。

文法こそ大人が英語を身に着ける際の強い味方なんです! 

中学英語が読めるかまずチェック

文法を学ぶ意義は理解いただけたかと思います。

英文法の学習を今すぐにでも始めたいと気持ちがたいそうはやっていることでしょう。

ただ少し待ってください。現在のあなたに再度の英文法学習は必要ですか?

英語に限らず、何かを習得する際は、自分の現在地を確認するべきです。

でないと自分に適切な学習方法を選べませんからね。

英文法の学習をするより先に、まずあなたがすべきことは、「中学レベルの知識がすでに身についているかを確認する」ことです。

これまで何度となくお伝えさせていただいている通り、英語を話すにはとりあえず中学英語レベルの知識があれば十分だからです。

『中学レベルの知識で本当に大丈夫なん?微妙なニュアンスの違いとかどうするの?』

なんて声がまだ聞こえてきそうですね。

それに関しては先にも言いましたが、微妙なニュアンスみたいなやり込み要素は後回し。

それよりも自分の言いたいことを大枠でも伝えられる方が先です。

言いたいことの7割を伝えるのには、中学レベルで十分です!

まあ、そうは言ってもどの程度のことが中学英語で言えるかがわからないと、信用ならないですよね?

例えば下記URLにアクセスしてみてください。

https://www.youtube.com/watch?v=HOC50hYce0U&feature=emb_logo&ab_channel=LearnEnglishWithTVSeries

リンク先は英語学習者向けに英語学習の定番海外ドラマ” FRIENDS”のワンシーンを解説しているYouTube動画です。

わざわざリンクに飛ぶのがめんどくさいという人のために、実際に動画内で女性(レイチェル)と警察官のやり取りの一部を書き出してみます。

警:Can I see your license, please ?
(免許証見せてもらえるかな?)

レ:Oh yeah absolutely. You know it's weird but I had a dream last night that I was stopped by a policeman. And then he um, well probably… shouldn't tell you the rest.
(もちろん ってか不思議なことに昨日警察官に呼び止められる夢みたんだけど、それでその後実は....やっぱり言えない)

警:Your license?
(免許証いいかな?)

レ:Yes , here you go officer handsome.
(どうぞハンサムさん)

警:It's Hanson.
(私の名前はハンソンですよ)

レ:Oops sorry my mistake.
(やだ間違えちゃった)

男:Dear lord.【知らなくていいです。オーマイゴッドと同じような表現】
(見てられへんわ)

警:This is a great picture.
(すごくいい写真ですね)

レ:Really you think so ? You know I had just rolled right out of a bed.
(本当に!? それベッドから飛び起きた後にとったの)

警:Yeah well you look phenomenal.
(すごくお綺麗です)

どうですか?中学レベルを超えてる単語は ”phenomenal” くらいですね。

文法に関しても中学レベルです。

そうなんです。日常会話ってこんなレベルなんです。

しっかり努力すれば話せそうですよね?

だから何度も何度も刷り込みますが、中学英語をまずは使いこなせるようになりましょう。

いきなり完璧目指して、結局投げ出すよりも、言いたいことの7割を中学英語で言える方が断然上です。

しかも、言いたいことの7割を英語で言えるようになる頃には、英語を話すのが楽しくなってます。

だから勝手に英語に触れる機会を持つように行動してしまうようになってますよ。

結果、細かい表現とかも会話からある程度身につけれるようになっていきます。良いサイクルですよね?

じゃあ実際、『どうやってあなた自身に中学レベルの知識が身についてるのか確認するか』ですがそれは中学レベルの文章を読んでみるです。

ごめんなさい。

ふざけてる訳ではありません。具体的には、「高校受験英語長文の過去問」を使います。

過去問を使ってすることはシンプルです。

英語で書かれた長文を読んで、その要約を自分なりに日本語で作ってください。

その後、解説ページにある全文日本語訳を読んで事前に作った要約がおかしくないか確認しましょう。

おかしくない場合は、いちお中学レベルの英語に関する知識があると判断して大丈夫です。

要約が変な場合は、中学レベルの英語の知識が危ういです。また「高校受験英語長文の過去問」は数多くありますが、どれも大差はありません。

解答ページに全文の日本語訳がついていればどれでもいいです。

手前味噌になりますが私が運営しているサイト内でも、中学レベルの英文が読めるかどうかをテストを受けていただけます。

文法問題と長文問題で構成されており、所要時間は10~15分程度が目安です。

こちら下記URLにて無料で提供させていただいておりますので、よければお使いください。

そして無料で提供させていただいているので、代わりといってはなんですが、テストと同様のページにある英語学習に関するアンケートにお答えいただければ幸いです。

https://stillnotsure.net/tool/level_check_1

はい、少し宣伝しました。すいません。

文法学習の進め方

ここからは具体的な話すための英文法の学習手順について解説していきます。

「レベル判定」のところで、中学英語が身についてなかった人は必読ですね。

「中学レベルの知識は大丈夫」ってなっった人は読み飛ばしてOKですでも「レベル判定」のところで、あまり余裕がなかったなと感じた人は文法の知識くらいは見ておいた方がいいでしょう。

話すための文法ですが学ぶ手順は非常にシンプルです。

先にお伝えした通り、英語力は『知識×運用力』の総合点で決まります。

なので文法を学ぶ時も①はじめに知識を身につけ、②その知識をを瞬時に引き出せるようにする練習するという流れになります。

知識としての文法を身に着けるには、当然地道に学習するしかないのですが、それだけでは不親切なのでコツを紹介しましょう。

文法を身につける際のコツは下記の3点です。
 
 ・コツ①:薄い文法書をつかう
 ・コツ②:この項目ができると何ができるようになるか意識する
 ・コツ③:なんとなくわかればOKと思う

 
サクッと解説します。

コツ①:薄い文法書をつかう

文法知識は文法書から身につけるのが、効率的にいいです。でも多くの人がこの文法書選びで間違いがちです。

よくやってしまいがちなのが、学生時代から知っている文法書として有名な『Forest・Evergreen』という大学受験用のThe・文法書に手を出してしまうことです。
 
何度もお伝えしていますが、話すためには中学レベル程度の文法知識があれば問題ないです。

大学受験のような、重箱の隅をつつくような知識は不要です。

話すための最初の文法書は中学レベルのもので大丈夫!

分厚い文法書はいろいろ書いていてなんかお得そうだな、という意見もわからなくはないですが、間違いなく知識にする前に途中で挫折します。

『Forest・Evergreen』自体はよくできた文法書ですが、あくまで参考にする書として置いておき、日常の学習には薄めの文法書を使いましょう。

個人的には『くもんの中学英文法』が合ってました。

本当に必要最低限の情報がまとめられている感じで楽しく読むというよりも、論理的に淡々と知識をいれるという感じです。

これまで高校・大学受験を経て、その際にある程度学習した人ならこの文法書でも十分です。

逆にこれまで全く勉強してこなかった人には少し不親切な作りかもしれません。
 
そのような人には、『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく』がおすすめです。

扱う文法項目は『くもんの中学英文法』とほとんど一緒ですが、説明にイラストが多めで、ぱっと見の印象もよりフレンドリーでとっつきやすいです。

これらの本を実際に書店にいって見比べてどちらが合っていそうか確認して買うのがいいと思います。

また英語系インフルエンサーがよくおすすめされているものに『Grammar in Use』という文法書があります。

世界一売れている英語文法書です。

この文法書の内容は全て英語で書かれています。

こちらも素晴らしい文法書ではあるんですが、私がこれを初心者に勧めることは絶対にないです。

なぜなら、初心者がこの文法書を使っても良さがわからないでしょうし、英語があまり得意でない人が約300ページ(見開きの半ページは問題)も英語で書かれた文法書を読み切れるとは到底思えないからです。

それにこの段階ではあくまで英文法を知識として仕入れればいいだけなのにわざわざ英語で学ぶ必要はありません。

自己満足になるだけでまず身になってないでしょう。

ある程度英語を話せるようになってから多読教材のひとつとして読むと「へーそうなんだ」と楽しみながら読めるので、それまで手を出すのはやめることを推奨します。

まずは背伸びせずに自分の身の丈にあった文法書を使いましょう。

コツ②:この項目ができると何ができるようになるか意識する

文法を本で勉強していて、私が一番思ったことは「この項目ができたからってなんなん?」ということでした。

それがわからないとせっかく学習しても、学習したもの同士がバラバラでうまく理解できなかったりします。

例えば、不定詞の名詞的用法は、動詞に名詞の役割をさせる用法で、下記のような少々込み入った文章が作れるようになる。

 ・外国人と英語で話すことはても楽しい
 ・また会いたいです
 ・彼の夢は東京ドームで歌を歌うことです

こんな感じで、この文法項目を学習するとどんな文章が作れるようになるかをざっくり理解するだけでも覚えやすさや使いやすさは全く異なります。

その点、先程紹介した『くもんの中学英文法』はページの頭に、今回の英文法を学ぶと作れるようになる文、今までに習った文章との比較がついているのでわかりやすいです。

補足ですが、「不定詞」や「関係代名詞」といった文法用語を覚える必要は別にありませんよ。

あくまでどんな形で使用するとどんな意味になるのかということが理解できていれば問題ありません。

コツ③:なんとなくわかればOKと思う

前章でもお伝えしましたが、完璧主義は英会話学習において邪魔でしかないです。

今一度なぜ英文法を勉強しているのか思い出してみてください。

この本を読んでいただおている人は、「英語を話せるようになるために文法を勉強している」はずです。

確かに、テストのためであれば完璧にする必要はあるかもしれません。

しかし英会話のためであれば、文法的に多少間違っていても、伝わればそれは間違いではないんです。

実際の会話では仮に間違えても、相手の顔を見て伝わっていないなと思えば、言い方を変えたりするなどをして、言い直しをすることができます。

なので完璧にする必要はないのです。

それよりも間違いを気にせず自分の言いたいことを言ってみることが大切です。

また、中学レベルの英文法の知識を仕入れたら、次に運用力を鍛えるのですが、その工程で知識の定着率も勝手に上がります。

具体的には、文法書で例文として出されている、英文が読めてなぜそうなるのかわかれば、とりあえずはOKです。

発音

発音の必要な理由

ここまで読んでとりあえず、中学レベルの英語知識を身につけた人は、すぐにでも運用力を鍛える練習をしたいと思ってるかもしれませんね。

でも少し待ってください。

運用力を鍛える前に、または鍛えながらやっていただきたいことがあります。

それは発音の練習です。

これまでに発音を極める必要はないと伝えてきましたが、最低限の発音を身につけておく事は必須です。

その理由は次の3つです。

 ・理由①:伝わらない英語は話せないのと同じだから
 ・理由②:発音がよくないと自信をもって話せないため
 ・理由③:発音できない音は聞き取れないから

順に深堀りますね。

理由①:伝わらない英語は話せないのと同じだから

大前提として英語はコミュニケーションをとるためのただのツールですよね?

相手がいて、何か伝えるために英語を話すのです。

なのでいくら立派に英語の文章が作れても、伝わらない英語には意味がありません。

これは言うまでもなく当然のことですよね?

前章で、日本語訛りの英語はセクシーだから特段気にする必要と言いました。

ですが、実際の場で英語を話して、通じなかったという経験をされた人は少なくないでしょう。

それはあなたの英語が、カタカナ発音のゴリゴリの日本語英語だからです。

知っているかもしれませんが、カタカナ発音のゴリゴリの日本語英語では通じません。

『前章と言ってること違うじゃないか!!!!』

とお怒りになりたい気持ちはわかりますが、少し落ち着いてください。

私はなにも矛盾していることは言ってません。

そもそもカタカナ発音のゴリゴリの日本語英語は、日本語訛りの英語ではなく、ただの日本語です。

だから通じません。

つまり『日本語訛りの英語は通じるが、カタカナ発音のゴリゴリの日本語英語は通じない』ということです。

だからそうなるといくらカタカナ英語を使って、意見を言ったとしても、なんの意見も通せないでしょう。

せっかく「知識」と「運用力」を鍛えて文章を作れるようになっても、話せていないのと同じです。

これは非常に口惜しい事です。

理由②:発音がよくないと自信をもって話せないため

英会話を身につけるためには、どこかの段階で実際に英語を使って会話する必要が出てきます。

ただ容易に想像がつくと思いますが、初めて実際に会話をするとき時あなたは『ちゃんと伝わるかな?』などと不安を感じるはずです。

そんな状態でせっかく勇気を振り絞って話しかけた結果、発音が悪いために、

"What?"

と聞き返されてしまったらどうでしょうか?

間違いなく、心の折れる音が聞こえますよね。

私にも覚えがあります。

海外のバーで頼みたい、地のビールの銘柄の名前伝えた際に

"What?"

と聞き返されました。その結果心が折れてしまい、その時は飲みたくないコーラを注文しました。

あの味は今も忘れられません。

些細なことですが、このような経験は自信を無くさせるには十分な効力があります。

結果、消極的になってしまい、英会話の上達も遅れてしまいます。

理由③:発音できない音は聞き取れないから

英会話をするには、当然ながら相手の言うことを聞き取れる必要があります。

その時に重要なことなのですが、『発音できない音は聞き取れない』と言う事実は知ってましたか?

『モーター理論』という学説によれば、人は、ある音を聞き取る場合、以前にその音を発するために筋肉を動かしたことがあるかどうかでまず判断するそうです。

その結果、動かしたことがある場合は『意味のある音』と認識されます。

ない場合には『雑音』として認識されます。

衝撃的ですよね!

ようするに、人の耳は、自分が発音したことのある音しか認識できないということです。

なので、正しく発音をしていないとその音は雑音としてしか聞こえないんです。

困りますよね?

なのでカタカナ発音はすぐにやめて、正しい発音をするようにしていきましょう。

以上が、英会話に最低限の英語発音が重要な理由です。

ただ再度確認ですが、発音は重要なので向上させる必要はありますが、ネイティブレベルを目指して極める必要はないですよ。

発音を極める必要がない理由はこれまでに何度となくお伝えしたのでサラッと流しますが、英語はただの共通言語だし、発音を完璧にするには時間がかかりすぎます。

それに相手も別に完璧な発音を求めていません。

つまり、ネイティブレベルの発音を身に着けようと学習するのはコスパ悪いですけど、伝わるレベルの発音を身に着ける学習はコスパ最強ってことです。

発音のコツ

最低限の英語発音を身に着ける重要性は理解してもらえましたか?じゃあ次は実際に発音をよくするためには何をすればいいんでしょうか?

結論ですが、英語の発音練習は、聞いた音を真似して発音する練習をしましょう。

これだけです。

当然すぎることですが、見本の通り言えるようになれば、それは正しい発音で言えるようになっていると言うことです。

ではそうなるために何をするのかと言うと結論で言った通り、『聞いた音を真似して発音する練習をしましょう』と言うシンプルな練習法になります。

英語と日本語の音は全く別物、とことん真似する

そもそも、日本語と英語は地理的に離れている場所で形成された言語なので、似た様な音はありますが、厳密に言うと同じ音はないんです。

しかしそのことを考慮せずに、無理矢理日本語の音で発音しようとする人が多いです。

単語を覚える時にローマ字(カタカナ)読みしたりするのがそれです。

数字でわかりやすく違いを示すと、ご存知の通り日本語の母音の数は「あ・い・う・え・お」の5つですが、英語には母音だけでも26もの音があります。

それなのに母音の音を全て、日本語の5つの音でなんとか表現しようと言うのがそもそもおかしいんです。
 
まずは英語の音を日本語の音に変化して理解することをやめましょう。

全く別の音と割り切ることがスタートラインです。スタートラインにたったらあとは、聞こえたままをとことん真似するだけです。
 
ただこれ言うのは簡単なんですけど、いざするとなったらめちゃくちゃ難しいんですよね。

だからその真似するための土台づくりが必要になる場合が多いです。

土台づくりのためにおすすめしたい練習方法が『発音記号を学習する』です!

発音記号を学習する

発音って知ってますか?よく単語帳などに書いている、アルファベットとは違うよくわからない記号のことです。

日本語は文字と発音が一致しています。

だから「もとき」と書かれていれば日本語が読める人なら誰でも、「もとき」と正しく発音できます。

これ日本語しか知らないと「当たり前だろ?」って感覚になると思います。

一方で英語は、アルファベットはが読めるからと言って正しく発音できるとは限らないんです。

たとえば「ナイフ(knife)」を「ナイフ」と発音するのか、「クナイフ」と発音するのかは読み方を知らないとわからないんです。

日本人の感覚で言うと漢字がそれに近いかもしれません。

たとえば私の名前は「元気」と書いて「もとき」と読むのですが、当然「げんき」と読む人もいます。

このように英語のアルファベットは漢字のようなもので、読み方には一定のルールがあり、だいたいの想像はつく。でも、結局正しい読み方を知らないと100%あってるかどうかわからないというものなんです。

そこで英語の音を完全に表現するために開発されたのが、発音記号なんです。

発音記号を使うことで英語の音を完全に表現できるので、そのアルファベットの塊がどのように発音されるかわかります。だから単語帳の英単語の近くに発音記号がついてるんですね。

単語=アルファベットの塊で、アルファベットの塊の発音は=発音記号の羅列です。

ですので、発音記号単位の正しい音を知らなければ、単語全体の音を真似して言うことが難しいのです。

だからまず発音記号を学び、発音記号単位での正しい音を出せるように学習しましょう。

発音記号を学ぶことは、カタカナ英語を脱却するのに非常に有益です。

というのも、カタカナ英語はアクセントそのものが違うということもありますが、子音の発音が違うと言うのが致命的に通じない理由だからです。

少しずつ噛み砕きますね。日本語の場合、子音には母音が常に後ろにセットで付いていきます。

 ・母音とは:a,i,u,e,oの音のこと
 ・子音とは:母音以外の音のこと(KとかSとかTとか)

例えば「た(Ta)・ち(Ti)・つ(Tu)・て(Te)・と(To)」だと、子音(T)の後に常に「a,i,u,e,o」と母音がついてきて「たーーーーーーあ」っと伸ばすと最後は母音の音になりますよね?

でも英語の場合、子音は必ずしも母音とセットではありません。

例えば"Out"という単語の最後の"T"は子音ですが、後ろに母音はありませんよね。

これを日本語的に読むと『アウト』ですが、本来の英語は『ト』とは聞こえず『アウッ(何度も言いますがカタカナでは表現できません)』っと発音されます。

このように子音が正しく発音ができない、そもそも正しく音を知らないという状態で会話すると理解してもらいにくいのです。

またリスニングの時も、音が消えたように感じ、思っている音と違うので聞き取ることができません。

しかし発音記号を学ぶことで、子音であってもそれぞれのアルファベットを正確に発音できる様になるので、結果カタカナ英語を脱却できます。

私が発音記号を学ぶのに実際に使ったのは『英語の発音がよくなる本』と言う書籍です。

当時はDVDと写真がついているので画期的でしたが、今は、Youtubeがありますからね。わざわざお金出して買うことないです。

Youtubeで『English Pronunciation Training』と調べればたくさん出てきますよ。

日本人のYouTuberも動画を出してたりしますが、間違っていたりします。だから英語で調べてネイティブの人の動画を見る様にしてくださいね。

そして動画で説明される音を実際に聞いてとことん真似ましょう!

苦手な音は早口言葉で練習する

発音記号を練習していると、おそらく苦手な音と言うのが出てきます。日本人の多くは”TH”の音や”F”の音を出すのが難しかったり、”S”と”SH”の使い分けが難しかったりします。

ちなみにこの発音するのが難しい音は、母国語によって変わるみたいです。

韓国人の友達は”P”と”F”の使い分けが難しいって言ってました。「フルート(Flute)」が言えず、「プルート(Pluto)」って黄色い犬の名前をずっと呼んでました。

すいません、脱線しました。

とにかく発音記号を練習していると、発音がするのが難しいものが出てきます。そしてあなたが発音しづらい音は、ほとんどの日本人が苦手な音のはずです。

そしてその音の多くは英語の早口言葉でトレーニングできます。

『英語にも早口言葉があるの!?』と言う声も聞こえてきそうですが、はい、あるんです!

しかも嬉しいことに日本人が苦手な『L』と『R』の使い分けや、『S』と『SH』の使い分けに特化した早口言葉があります。

それら日本人の苦手な音に特化した早口言葉を練習することで発音が多少よくなります。

例えば、こちらを声に出して読んで見てください。

She sells seashells by the seashore.

言えましたか?

SheとSeaは発音が異なるんですが、両方とも『シー』と言ってしまっていませんでしたか?正直難易度はなかなか高いです。

見本となる音源はYoutubeで『Tongue Twister』と調べればたくさん出てきます。

この例文以外もあるので、苦手な音があれば適宜検索して、練習してみると良いでしょう。

ちなみにですが、早く言う必要はありませんよ。正確に言えるようになることが目的なわけですからね。

ここまで、基本的な発音の学習をしたあとは、運用力を鍛えて、言いたいことを言えるようになってから、さらに発音の向上を目指したければ目指してください。

発音良くても文章作れないと会話にならないですからね。

もし発音をさらに伸ばしたい場合も、始めにお伝えした通り『聞いた音を真似して発音する練習』をして徐々に英語の発音を伸ばしていけばいいですよ。

基礎は終えているのであとは練習すればいいだけです。

その際に見本とする教材ですが、基本的にはなんでもいいです。

もしあなたが好きな海外ドラマや洋画があり、その中でもこの俳優・この女優が好きというものがあれば、そのセリフを見本にするのもアリです。

また海外ドラマに詳しくないと言う人でも、Youtubeでいいなと思うYoutuberの発音を見本に練習するのもアリです。

ここでの見本となる教材は、無料で手に入る時代です。
 
ただひとつ教材を選ぶ条件があるとすれば、『自分がかっこいい、こうなりたいと思える発音を真似をする』と言うことです。

この条件があれば、あとあとモチベーションの維持がしやすいです。

正直発音の練習って地味なので、漫然と練習するだけでは飽きてしまいます。なので飽きて放り投げてしまわないためにも、憧れをしっかりすえて練習できるのが理想ですね。

さて、発音に関しての解説はここで終わってもいいくらいですが、もう少しだけアドバイスと言うか知っておいたらいいことを付け加えておきます。

発音に関しての追加アドバイス

発音に関して、発音練習中に知っておいた方がいいこと2つと、実際に話す時に意識した方がいいこと3つにわけて追加アドバイスです。


練習中に対してのアドバイスは次の2つです。

 ・発音練習を一回にする時間は10分くらいでいい
 ・発音練習は鏡を片手に頑張る

実際に話す時に意識して欲しいことは次の3つです。

 ・大きな声で話す
 ・全体の抑揚を意識する
 ・「R」と「L」の違いなんて気にするな

順にサクッと説明しますね

発音練習を一回にする時間は10分くらいでいい

この本をここまで読んでくださってる、やる気のあるあなたには伝えておかないといけないことです。発音練習は一度に1時間も2時間もしないでください。

理由は2つあります。
 ・理由①:挫折を防ぐため
 ・理由②:変な癖をつけないため

理由①:挫折を防ぐため

発音練習は先にも述べたとおり、地味な学習です。しかもやれば一朝一夕で、よくなると言う訳でもありません。

なので、はじめの数日は1〜2時間頑張って発音の練習をしても、あまり成長を感じられないかと思います。

地味で辛いことを頑張って結果が出ないと、やめたくなりますよね?そうならないためにも、長期目線でちょこちょことすることをお勧めします。

しかも先にもお伝えした通り発音記号などの地味で辛い練習は基礎がわかれば、切り上げて問題ありません。

基礎さえできていれば、今後実際に話したりする中で、学んだことを意識して使う努力をすれば、そのうち意識せずともある程度綺麗な発音で話せるようになります。

理由②:変な癖をつけないため

繰り返しますが、発音練習は地味な学習です。長時間続けてすると確実に疲れますし、集中が散漫になります。

発音練習とはいわば、発音の矯正なのですが、集中力を欠いただらけた状態で学習すると、変な癖がついてしまいます。

それを防ぐためにも、短い時間で切り上げましょう。

発音練習は鏡を片手に頑張る

次のアドバイスですが、発音記号を学習するときには鏡で口元を確認しながら行うようにしてください。

なぜなら、英語と日本語は全く音が異なる言語なので、そもそも口の動かし方も異なるからです。

なので見本の動画を見ながら、その動画と同じように口元・舌が動いているかを確認するようにしましょう。

イメージが付かないかと思うので、例を出しましょう。例えば、”Both”と言う単語です。

おそらくカタカナ的に読む人であれば、『ボース』と読むかと思います。

この『ボー』と言うとき口は『おーー』と少し口開ける程度かと思います。

ただ実際の英語では、『ボゥス』と発音し、口は『おー』と発音したあと、さらに漫画的表現でキスするように口をさらに絞って『ゥ』と発音します。

正直この筋肉はあまり日頃から使わないので、すぐ疲れるかと思います。

こんな感じで、実際にどんな口の動かし方をするのか見て、自分がそれと同じように口を動かせているのか確認しながら練習するために鏡があると捗ります。

大きな声で話す

ここからは実際に話す時に意識して欲しいことです。

日本人の英語がなかなか通じない理由にカタカナ英語だからとは別に、ボソボソと小さい声がで話すからと言うものがあります。
 
英語で実際に話す場面では、慣れないうちは失敗したらどうしようと不安になる気持ちもわかります。

だから自信なさげに、ボソボソと話してしまう人が多い。でもこれが悪循環の始まりです。

不安ながらも話してみたのに声が小さくて、

"What?"
(え?なんて?)

と言われたらもう立ち直れないですよ。

だから自信はなくても、虚勢を張って、普段日本語を話す時より、大きい声で話すようにしましょう。

大きい声を出そうとすると、自然と口も大きく動くようになります。

そうすると、口内でボソボソとこもっていた音も相手に届くようになります。

また相手から聞き返される場合には3つの状況があります。

 ・表現がよくないため、意味が通じない
 ・発音が悪いため聞き取れない
 ・音量不足で何をいっているかわからない

このケースの場合、発音に問題があって、伸ばさないといけないのは②のケースのみです。

なのに表現や発音がよくなっても③が理由で聞き返され続けると、本当に正しい発音や表現をできてるのかな?と余計に自分を疑って自信も持ちきれなくなります。

何が原因で聞き返されるのかを切り分けるためにも、自分に自信を持つためにも、大きな声で話すようにしましょう。

全体の抑揚を意識する

何度も繰り返していますが、日本語と英語は全く別の音の言語です。ここまでは文字単位でも音が異なるとお伝えしましたが、文単位でも違うんです。

詳しく説明する前に、体験してもらった方が早いので、まずは次の日本語を読み上げてみてください。

『私の名前は太郎です』

読んでいただけましたか?

では次にアメリカ人になったつもりでこちらを読んでみてください。

『ワタシノ ナマエハ マイクデービス デス』

読んでいただけましたか?

これら2つの文はどちらも名前の紹介でしたが、アメリカ人になったつもりで読んだ際は、

『ワタ⤴シノ ナマ⤴エハ マイクデー⤴ビス デス』

のようにところどころ上がり調子で声に出しませんでしたか?逆に『私の名前は太郎です』と言った時は特にアクセントもなくフラットに読みませんでしたか?

そうなんです。日本語の文章は一本調子で、フラットに発言されることが多いのです。

それに対して、英語の場合は一文の中に強弱をつけた波があります。だから英語ネイティブの人が日本語を話す時にこんな感じのアクセントがついた文章になるんです。

それにも関わらず、私たち日本人が英語で話す時はフラットな英語になってしまうことが多い。

その差が、外国人に理解してもらいづらいという結果に繋がります。

なので、音声を聞いて真似する時は、歌を覚える時のように、どこに抑揚があるのかを意識して真似するようにしてみてください。

これをするだけでも相当、英語が通じるようになります。

「R」と「L」の違いなんて気にするな

ここまで、長々と発音の重要性や練習方法をお伝えしてきましたが、発音に関する最後のアドバイスとして、「R」と「L」の違いなんて気にするなと言うことをお伝えしておきます。

今まで英語学習してきた中で、日本人は「R」と「L」の使い分けが苦手と言うことをどこかで聞いたことはありませんか?もし聞いたことがあるなら、その時、続けて「だからRice(お米)とLice(シラミ)を言い分けられない」っていうことも聞かされませんでしたか?

私は学生時代、先生にそう教えられました。これは笑い話のひとつなのでしょうが、これを一度聞いてしまうと、『そうか発音がちゃんとできないと、一字違いで全然意味が変わってしまうのか』と脅迫のように刷り込まれたはずです。

その結果多くの人が発音を完璧にしなくてはと苦労してきたのではないでしょうか?

でも実際は、「R」と「L」の違いなんて気にしなくていいです。

もちろん正確に使い分けられた方がいいです。そのための練習もしてきているはずです。

ですが、会話が進むに連れて、使い分けが甘くなってくることなんて、第二言語として英語を話している人にはよくあります。

現に私も「S」「SH」「TH」の使い分けがたまにできていませんが、それでも困りません。

話し相手はあなたの英語を聞いて、『「R」と「L」が使い分けが苦手なんだな』と察します。

察してくれたあとは、今どちらを使っているのか、文意から相手が汲み取って判断してくれます。

日本語でも雨と飴の発音おかしくても文意から判断できますよね?それと同じです。

確かにたまに、「え?なんて?」と聞き返されることもありますが、その時は臨機応変に

「ごめん、R____じゃなくて、L____ だった」と言い直せばいいんです。

これもすでにお伝えしてますが、会話はテストではないので、表情をみて伝わってなさそうなら言い直すことができるんです。

使い分けるための練習をすることは必要ですが、会話の中で必要以上に意識するのはよくないです。

発音に縛られて、言葉が出てこなくなると言うのが英語をコミュニケーションツールと考えた時の最悪な事態です。

だから練習では意識して、本番ではあまり気にしないようにしましょう。

ただ本番の会話で文意から汲み取ってもらうためにも、単語だけで会話するのではなく、しっかりと文章を作れる必要があります。

そのために次の章ででようやく、運用力の鍛える方法をお伝えします。

コラム:英単語はどうするの?

ここまでで、英語を話すための【知識編】として文法と発音の付き合い方や、学習の進め方を解説してきましたが、理解していただけましたか?

ところで英語の知識といえば「英単語」を一番初めに考える方もいるかもしれませんね。

そんな人向けにコラムで補足しておきます。

英単語ですが、この段階で特に学習しなくても大丈夫です。

というのも日本の文法書にでてくる単語をとりあえず読むことができれば、今のところ単語力に問題はないからです。

ある研究では、少し不自然ながらも日常会話をするのに必要な単語数は、2000~3000語程度と言われています。

2000~3000語って多いと感じますか?

パッと数字で聞くと多く感じるかもしれませんが、実は2000~3000語というのは多くないんです。というのもほとんどが知っている単語だから。

例えば中学校の英語で学んだ単語がその大部分を占めています。

ちなみに中学校では何語程度の単語を学ぶかご存知でしょうか?一般的には1200~1500語程度と言われています。

もし中学レベルの単語がわかればそれだけで半分以上わかったことになりますね。

また中学のときちゃんと勉強してなかった、という人の不安も少し取っておきましょう。

この2000~3000語には"マザー"、"ファーザー"、"コンピューター"、"ミルク"や"デスク"といった単語も含まれています。
これらってもうほぼ日本語ですよね?

あとは文法書で出てくるわからない単語を調べて、次の段階の運用力を高めるための学習で使われているわからない単語をその都度調べるようにすれば中学時代に学んだ語彙くらいはすぐに追いつけます。

中学レベルの単語がわかっていれば、あと500語程度です。なんとなく覚える程度であれば、本気出せば1週間でいけそうですね。個人的には中学レベルがわかれば、もう実践を積むだけで話せるようになるとは思いますが。

ただどうしても網羅的に単語を学習したいという人は、NGSL(New General Service List)という単語リストがおすすめです。

NGSLとは、2013年に明治学院大学のCharles Browne教授、青山学院女子短期大学のBrent Culligan教授とJoseph Phillips教授によって、『小説』・『雑誌』・『テレビ』・『ラジオ』・『日常会話』の中で最もよく使われている2800語をリストアップされた単語集です。

この2800語を覚えることで、一般的な英語の9割の単語は「知っている、意味がわかる」という状態になるそうです。

ちょっと怪しいですよね?

ですが実際にそう思った人が、小説ハリーポッターの原作、冒頭1000ワードの英文をNGSLの単語リストに照らし合わせたところ、92.4%の単語がカバーされていたそうです。

そんな単語リストを作って下さった先生方にも、それを調べてくれた有志の人にも感謝ですね。

なのでどうしてもまず網羅的に単語を学習したいという人は、NGSLの2800語から始めるのが効率的でしょう。

私の運営するサイトでも、NGSLに掲載されている単語リストを学べるゲームを無料アカウントで使用できるようにしていますので、よかったら使ってみてください。

https://stillnotsure.net/words

またある程度話せるようになったあとは、各人の目的に応じて、その目的に合う単語帳なりを使うことをおすすめします。

例えば、TOEICのスコアをあげたい方はTOEIC用の単語帳、自分の業界の専門用語を学びたい方はそのような単語がまとめられた単語帳を学んでいくといった具合です。


スピーキング力を上げる【運用力編】

「わかる」を「できる」にするトレーニング

ここまで散々引っ張ってきましたが、ここからはようやく「運用力」の鍛え方にフォーカスしていきます。
 
その前に復習ですが、「英語を話せる力」=「知識」×「運用力」で決まります。

多くの日本人は受験英語やTOEICのおかげ、知識だけであればなかなかのレベルです。

しかし、運用力に関しては全く備わっていない場合が多い。

野球の上手い人から、方法論を聞いても知識は増えますが、野球の技術は実際に練習しないと向上しないですよね?

それと同じで英語も知識を仕入れるだけでは、運用力は身につきません。そして運用力を身につけるにはひたすら練習するしかありません。

ここまでの内容を実践していただいてきたあなたなら、英語を話すためのベースとなる必要最低限の知識は身についています。

次のステップとして、「運用力」を鍛えるのですが、結論からいうと「運用力」を鍛えるには『瞬間英作文』というトレーニングがおすすめです。

瞬間英作文とは、一言で言うと、英作文回路を構築し、『わかる英語』を『できる英語』にかえるトレーニングです。

これは説明する前に体験してもらった方が早いと思うので、早速ですが、次の3つの日本語文を英語にして、口に出してみてください。

 ①:家族より大切なものはない
 ②:そんなにスリムなままでいるのに、何をしているのですか?
 ③:仕事でよく旅行をしなければなりません

どうでしょうか?スラスラということができたでしょうか?

解答例を出しておきますね。

 ①:Nothing is more important than my family.
 ②:What do you do to stay so slim?
 ③:I have to travel a lot for my job.

全く同じでなくても、文意が同じであれば問題ありません。

ここで注目すべきなのは、解答例の英文は読めば難しくないですよね?

少なくとも解答例の英文はすべて中学レベルの英文なので、中学レベルの英語を読む知識がある人なら無理なく読める内容です。

しかし実際に口にするのは、なかなか難しかったのではないでしょうか?ちなみに学習開始当時の私は、間違いなく言えませんでした。

この英文を見ればなんてことないなと思える文章が、英語では言えないというのが、英語を話せないという状態です。

体験していただいたように英語の『わかる(読める)』と『できる(話せる)』では差があるのです。

その『わかる』を『できる』に変えるには、何度も言ってますが『練習』が必要です。そしてその練習こそが瞬間英作文トレーニングです。

瞬間英作文のトレーニングでは上記のような、文法的にも単語的にも難しい表現が含まれていない日本語を英語に瞬間的に変換する練習をします。

このようなトレーニングを反復することで、頭で考えるのではなく反射的に回答する力を向上させます。

まず単純な「型」を、知識から条件反射的に引っ張りだす練習繰り返し行います。

それも1度や2度なんてレベルではありません。

同じ英文を何十回と繰り返します。

さすがにそれだけすると、その英文の型が体に染み付きます。体に染み付くと、会話の中で必要に応じて、必要な型を瞬時に呼び出して文を組み立てられるようになります。

瞬間英作文を学習に用いると、上記のような理由で英語が話せるようになるのです

瞬間英作文は通訳も使っているトレーニング法

英語のプロといえば、やはり『通訳者』ですよね?

そんな通訳の方のトレーニングの一つに『クイックレスポンス』というものがあります。

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