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内省 (第二稿)

6月15日、16日

櫻坂46 4th ARENA TOUR 2024 新・櫻前線 -Go on back?- IN 東京ドーム。


1日目を現地2Fスタンドから。
2日目を配信にて。



こうして少しでも言語化してしまうと、脳内を渦巻く色々な感情がその言葉たちに閉じ込められてしまって、かえってもったいないというか、歯痒いというか、大事なものがこぼれ落ちてしまう気がして、これから自分がしようとしている行為に対してか、鼓動がいつもより少しだけ早くなっている自分がいて。

それでも、おそらく一生忘れることのないこの二日間を、リアルタイムで感じた生の感情となるべく紐付けながら、思考停止で美化する過去として単なる思い出で完結させてしまうのではなく、「先の未来」へと目を向けるための大事な記憶として再現性高く脳に刻み込むことはもはや自分にとって義務であるように感じるので、ゆっくりと、慎重に進めていきたいと思う。(6/18)




とか言っていたら一ヶ月が経過していた。

かつてないほどの気持ちの昂りを経験しての一ヶ月。




私はこの一ヶ月、一体何をしていたのだろうか。


私個人を取り巻くいくつかの物事それぞれのタイミングの問題でしかないとは思うのだけれど、にしてもちょっと停滞がすぎるのではないかと思う。

メンバーは皆あれだけの公演を終えてもなお、「まだまだ」と先を見据えて活動を続けているというのに。

そんな風に考える中、一旦、ドームを受けての感情に蹴りをつけるべく。


この先も読んでくださる方は、本公演を頭から順に思い出しながら「懐かしいなあ」くらいの軽い気持ちで読んでいただければ。


ひとまずこの二日間のライブ構成を主観でざっと振り返り。

※1日目と2日目の記憶がもう混在している。要所だけ明記。

※メンバー名、一部敬称略で失礼します。(後述)


影ナレ(一日目)
松田「           、     ?」
開演(?)最早にしてハイライトランキングかなりの上位シーン。
去年の紅白復活時にすでに、その回収具合に鳥肌が立ってしばらく止まなかったこの文言を、私としてはもう、今更安易に引用することができない。もっと丁寧にしまっておく方法は無いだろうか。
キャプテンの声がした時点でなんとなく予想はついていたけれど、この一言を生で聞いて、自分たちはものすごいモノを目にすることになるぞ、とワクワクが限界突破した。
あの瞬間を思い返しつつ、この言葉はまた、大事な時に取っておこう。


Overture
一面真っ白に染まる東京ドーム。その広さが故にこちらとはコンマ数秒遅れて聞こえる絶大なコール。大阪城ホールとは規模感がまるで違う。
2Fスタンド後方?
FC1次41ゲート界隈?
物理的距離が故に楽しめないのではないか…なんて不安はもうこの時点で杞憂と化していた。


1. 何歳の頃に戻りたいのか?
山﨑天、降臨。
王子を扮したという赤と白の衣装を身に纏った山﨑。私にはチーム櫻坂もBuddiesも全員を一手に率いるナポレオンに見えた。
バックスクリーン一面にビッカビカに光る公演タイトルの文字。まるでパチンコの確定演出のような豪勢さに一人にやけながら、ナポレオンの印象からか、二年前の記憶からか、圧巻の”凱旋”のイメージに震えていた。
ドーム一発目に持ってこられたこの曲に込められた意やさまざまな背景は他でたくさん語られたことだろうからここでは良いや。
冒頭から山﨑の野太い煽り。圧倒的に”今”が楽しい…!


2. 泣かせて Hold me tight!
360度真っ赤ないくもどの名残に照明演出とセンター山﨑天のサイリウムカラーが合わさって赤と緑の客席。「なんかクリスマスみたいでたのし!メンバーみんなサンタさん…?」なんて現地でよぎってしまった煩悩はここで埋葬。相変わらず愉快に体を揺らした。


3. 恋が絶滅する日
スクリーンに広がる白の波紋。記憶の奥底がくすぐられる感覚。
櫻坂の曲ってイントロ素晴らしいものがほんとに多い。
Cメロの導入で再び煽る山﨑。二年前は解禁されていなかった声出しの楽しさで大きく更新してくれた。


4. 摩擦係数
2サビ終わり、万感の小池美波登場。
対面で繰り広げられる理性 vs. 野生。やっぱりこの対比の構図が刺さる。
特大コールポイントに向けていまかいまかとチャージしながら、ダンスバトルにアガるBuddies。
満を持して解放!この時点で既に喉を捨てた。


MC.1
藤吉「안녕하세요〜」←可愛い
キャプテン「思いますき!」←愛おしい
久々に聞くことのできた小池さんの生の言葉は、さすがに胸にくるものがあった。


5. Nobody's fault
海上を進む船が立てる波の音とカモメの鳴き声はイントロのサウンド無しでもMVの情景を容易に想起させてくれた。
一度でいいので、生で、真正面から、見たい。


6. Cool
一人テレビの中に入ってしまった大園玲。個人的には一日目の外はねゾノが凄かった。演出良すぎ。帰って久々にMVを見返し、その良さにどうして今まで気づいていなかったんだとふつうに自分を責めた。
運営様。私はもがき苦しみ倒れたその後を見たいです。同じ主人公でこのお話の続き、どうですか、秋元さん。


7. Dead end
今回のドーム公演、どの曲を切り取っても良かったのはもちろんなのだが、やっぱりこの曲、この演出なしでは今回の公演は語れない。
言わずもがな信号機の上で飴を舐める森田ひかる。どこまでもかっこいい。
声出しが封じられていた二年前と同じ煽りをする井上梨名には一段とアツくさせられた。
世界観に没入した上での観客の爆発的な盛り上がり、っていう一個の完成形じゃないでしょうか。最高。


8. 桜月
和テイストな音楽と噴水でガラッと雰囲気が変わった。
大きな屋敷とその真ん中に現れた大きな満月。
メンバーが成す時計の巻き進みをちゃんと真上から写してくれる丁寧さに心の底から感謝しながら、「美しさ」「儚さ」なんて日本語では形容しきれない桜月の良さを終始噛み締めていた。


9. 流れ弾
綺麗な桜色だった月が燃えるような赤になり、三味線サウンドも合わさってか、お屋敷はどこか無限城の風貌に。SNS社会で露呈した人間の生々しいエネルギーがむき出しになって、”鬼”をますます彷彿とさせてとても良い。
「Wait a sec…」その命令に大人しく従いながら月の赤みがMAXになるのを見届けるBuddies。ここの余白、もっと面白い使い方ができそう。まだまだ期待してしまう。
過去のライブからパワーアップしたポイントをあげるとしたら、真っ先にCoolからここまでの四曲を紹介したい。こんな風にじっくり時間を使って作り上げる没入感の高い世界観は、曲との繋ぎがより一層シームレスになったダンストラックと並んで刺さりまくったのでもっともっとやってほしい。


10. 何度 LOVE SONGの歌詞を読み返しただろう
改めて私はこの曲に、この曲で舞う三期生に、あまりにも弱い。こんなにも爽快でコールも楽しい曲のはずなのだけれども、ラスサビが来た途端に涙が溢れてくる。
みんなの生き生きした表情を見ていると、カメラ目線のサービスもあるし何よりあれだけ多くの観客に囲まれたパフォーマンスにもかかわらず、私には他のどの曲よりも閉じられた11人だけの空間に見えて、、うん…。
村山さん。ぜひまた今度、聞かせてください。


MC.2
11. 恋は向いてない
ベースがいい。
2nd tour制服の人魚のときの衣装だよね!?違いますか!
藤吉「やめておく。」このセリフがあなたほど似合う人はいないと確信しながらも、なんだかクセになって唱えたくなってしまうのは多分私だけ。


12. 真夏に何が起きるのかしら
大阪公演では正直セトリの”繋ぎ”感のあった一曲が、ここまですごいものになるとは思いもしなかった。あえてあまり深くは語らない。純愛であれ。


13. 心の影絵
曲調と三人のサイズ感のギャップにまだちょっと脳が追いつかない自分がもどかしい。
ラスサビ前の一人語りすごい好きです。


14. 油を注せ!
個人的曲単体での演出ベスト3のラスト。
BACKS曲の中でも群を抜いて好きな曲ながら、パフォーマンスについては、大阪公演にて冒頭椅子に一人構える武元をなぜか2nd Tourで見たDead end カイザー森田ひかるを投影するなどしていたのだが、今回で自分の中での位置付けが完全に確立された感じがあった。
観客に手拍子を促しながら舞う圧倒的エンターテイナー武元唯衣。この人が表題に参加していないという事実にもう目眩がしてきそう。
次いで上方バックスクリーン一面に映し出されたのは椅子に座りキメる各BACKSメンバー。ついに8th BACKSメン全員を椅子に座らせて挙げ句の果て杖を使ったパフォーマンスまで始めてしまった。大正解。
コールも楽しいのはもちろんなのだけれど、なんだろう。声を上げながらのあの多幸感みたいなものはなんだか唯一無二感がある。それくらい気持ちがいい。


15. 静寂の暴力
メンバーとBuddies全員で作り上げる空間。であることに間違いはないのだけれど、それはある種沈黙の強要でもあって。
耳はどこかイントロのピアノを欲していて、音を渇望していて、でもだからこそステージを踏み鳴らす音だけが聞こえる環境で彼女たちの存在をひしひしと感じられた。
これだけ観客が声を上げて彼女たちのパフォーマンスに熱狂するライブの最中、そうして作り上げられた"静寂"に対してもはやストレスを抱えている自分がいながらも、だからこそ感じることのできる苦しさはドームという会場のおかげもあって何にも代え難いと思ってしまいそうになるのだが、深夜の孤独感に切迫している感じが確かにあった。
ラスサビを迎え、救いが見えてよかった。忘れない。


16. マンホールの蓋の上
もう少し静寂の余韻に浸りたい感じはありつつも、一つ前の曲で抑圧された声と体の動きが、この流れだと尚更意味ありげな「Whatcha say we do?」で徐々に解放されていく感じがたまらなかった。
解禁と同時に好き曲ランキングにとてつもない勢いで殴り込んできたルーキー『もう一曲欲しいのかい?』と並んで夏フェスへの期待が半端じゃない。はぁーロッキン楽しみ。ジャイガ行かれる皆様、最速解禁をとくと楽しんできてくださいっ。


17. BAN
通称ウルトラBAN。
BACKSメンが文字通り"backs"だなんて認識は8thに関しては特に、バクラや油の時点でどこか遠くへ行っていたので、「私たちも…!」なんて主張には一切見えず、かつての期別の見せ方(スペシャルBAN)とは全く別の魅力に溢れていた。
全くの愚問だと言わんばかりに「変わらないっていけないことなの?」と放つ向井石森の堂々たる姿勢!
2番が終わり、選抜組が合流。圧倒的集合美。画面越しとはいえ一度3rdツアーで見ているはずではあったのだけれども、その迫力にもはや引いた。
冗談抜きで、一度全員選抜の渾身の表題曲を作るか、せめて既存曲で一期から三期まで全員揃ってのパフォーマンスをテレビで見せるかしてほしい。メンバーの顔ウケもそれはそれは大歓迎なのだけれど、あの人数で見せたらハネる気がするのは私だけでしょうか。


18. 承認欲求
大園武元村山、、闘志みなぎるみんなの表情が本当にいい。
森田ひかるのレアな煽りは一ヶ月経った今でも思い出すだけで若干震える。


19. Start over!
Buddiesが跳ねているのを、一度ドーム全体の照明を明るくすることで認識させるスタイル。
一日目と比べても完成度の面でかなり良かった二日目のパフォーマンスは、本人もあれを超えられるか否かと述べている3rdツアーでの初披露にかなり迫るものがあった気がした。
ラスサビ終わり、メンバーの円に混ざって踊るのではなくあの会場の中一人センターに不動で佇む藤吉は何を感じていたのだろうか。
小林由依のポジションを空けたまま披露を重ねるこの曲の今後の扱いは藤吉の希望になるべく沿われたい。スタオバを無理にセトリに組み込まずとも観客を沸かす手札はもう十分に揃っている。
個人的な妄想として、各楽曲へのリスペクトが足りていないともとられそうだから詳細は心のうちにとどめておくとしてもやっぱり独善的過ぎるかもだけど、私はいつか、『Start over!』のため(だけ)に構成されたライブが観たいです。


20. 自業自得
おそらく二日目だろう。山下が生き生きしていた気がしてなんだか嬉しかった。承認欲求と合わせてこの手のEDM調でノリまくる曲はもうあれこれ言葉にするよりも会場の盛り上がりを含めて見た方が早い。
一つだけ。それこそ同系統に思える承認欲求と比べてみてちょっと落ち着いたというか、キレのあるダンスのかっこよさに頼るのではなく、女性の持つ優雅さ・しなやかさが色濃く見える振りがかなり好き。うまいこと差別化されてる気がしている。

年下とは到底思えないほどに達観している、なんというか人として畏敬の念すら覚えるほどに強い山下瞳月が今後櫻坂にもたらしていくものは良い意味で未知の領域で、東京ドーム公演という一つのゴールにもなりかねないライブを経た今でも今後が楽しみで仕方がない。


〜アンコール〜

21. Anthem time × ドローン旋回中
アンセムタイム、誰がここまでの曲になると想像したでしょう。夏の近道よりも多くなっているその出番の数に驚きながら、もうこの曲なしでは満足できない体になってしまった。1Aでカメラに抜かれる石森、両日破壊力がすごい。
ドローン冒頭、とびっきりの笑顔で耳に手を当てコールを待つ田村、いや、保乃ちゃんが愛おしすぎて、いまだに名前呼びのコールに少し抵抗がある私も全力で叫んだ。
ここまでメリハリよくアイドルを見せられるとメンバーへの好きが途端に溢れてくる。


22. Buddies
スタオバのとき同様、照明が明るくなって観客が明るみに。
終盤Buddiesに合唱を促す天ちゃん。この日のために集ったBuddiesを一面見渡しながら一人残らず「仲間だよ」と言ってくれる器の大きさと、初めて合唱という形で歌詞を声にしたことで感じる、文字通り"Buddies"としての連帯感にもうほとんど泣いていた。


MC.3 / 23. 櫻坂の詩
満開の桜を見て涙ぐむ谷口さん。幼い頃からアイドルを志していたという彼女がひたむきに自身の理想のアイドル像を追い求める中でそういう人間らしい一面がふと見えると急激に涙腺にくる。
今回のツアーを引っ張る形になった8th表題のセンター山﨑とキャプテン松田がBuddiesに感謝を述べる。
「幸せでした」
「みなさんにとってもそうであったら」
「皆さんが私たちに出会ってくださったからには、絶対に皆さんのことを幸せにする」
「約束します」
こんなにも謙虚でいながら、こちら側の気持ちに対してはそうやって強い言葉で支えてくれる。「ああ、だから僕は櫻坂が好きなんだ」と強く強く思った。


総括

Xでの感想ポストでも一部見られたように、多分、純粋にエンタメとしての評価を下すなら、アンコール以前の櫻坂の色で、ファンとの直接的なコミュニケーションを取り払った非日常的な世界観の中でのパフォーマンス一色で十二分だと思わせる満足度だったし、そんな公演があってもいいと思う。ぜひとも観てみたい。

でも、アンコールでアイドルとしての彼女たちの色を見せてくれて、ファンサービスを徹底してくれるのはもちろんのこと、さっきも書いたような謙虚さ含め、我々と同じ人間っぽさみたいなのを出してくれるからこそ、出力の大きいパフォーマンスで惹きつけたファンの心を掴んで離さないのだと思う。

大阪公演のレポートではアリーナを切望する旨を書いたのだけれど、一面見渡せたあの光景は本当に一生忘れない気がする。なんの悔いもなかった。
















余談(個人的な話)

櫻坂46を観測するにあたって、人々に刺さる作品を作り上げたりかっこいいパフォーマンスを見せたりするアーティストやときに愛嬌を振りまいてくれるアイドル、という見方以前に、同年代の、一歩違えば同じ教室で学んでいたかもしれない同学年の、彼女たち。という見方が良くも悪くもずーっと心のどこかで燻っていて。

「裏ではこちらからは安易に想像もできないほどの思いを抱えながら戦っているのかもしれない」と頭では理解しているはずなのに表だけ都合よく解釈してしまって、空気感の良い集団の中で微笑ましい関係性を築きながら表現を突き詰める同世代の彼女たちに対する嫉妬心が小さくも心のどこかにあった。


いまだに何者かになりたいと切望してしまうが故に拭えることのない彼女たちに対する憧れをももってして拙い文章をこれほどに書き連ねてしまうくらい熱量を帯びた今だからこそ、その要因の大半を純粋なリスペクトが占めていると信じたいのだけど、同世代の彼女たちがあんなにも素晴らしいものを世に届けているという事実に余計なプライドも邪魔してか、「まつりちゃん」「美羽ちゃん」「ちゅけ」「夏鈴ちゃん」、、、むやみに愛称で呼ぶことができない、距離感の近い推し方ができない自分に毎度嫌気が差すし、「彼女たちが櫻坂46でなかったら、今頃何をやっているのだろう」などと考えても仕方のないことを考え、その先に想像する勝手なメンバー像と自身を度々比べてしまう自分にもまた嫌気が差す。


でも、そんな醜い自分をもいちBuddiesとして囲ってくれる優しさに、家で落ち着いて見ていた二日目なんかはもう、我ながら泣き崩れていた。



"今さら"だと決めつけず、遅すぎるとレッテルを貼らずにその瞬間から自由に一歩踏み出してみること。

人と下手に比べず、承認欲求に頼りすぎることなく、私は私でしかないと自分のありのままを受け入れること。

いつの日か必ず輝くと信じて"今"を生きること。

寂しさから逃げないこと。



「櫻坂はいつだって心の拠り所になってくれる」

間違いないです。


でも、いっつもこんな風に利己的に考えてしまう私からの矢印は彼女たちに常に向けていられるということはなくて、気が落ちているときなんかはトークアプリに毎日のように送ってくれるメッセージからほとんど目を逸らしてしまう。

大丈夫かな、逆張りみたいになってないかな。

あれだけアイドルとして人間を見せてくれるからこそ、直接の出どころが彼女自身ではなくとも深く刺さるメッセージは、誤解を恐れずに書くと、荒んだ心に寄り添ってくれるわけではない。


寄り添ってくれる曲があるのはもちろんだし、何人か好きで取っているtalkやブログで稀に曝け出してくれるある種の弱さ、人間らしさみたいなものには救われる気持ちがするのだが、その時々のこちらの姿勢やらタイミングやら作用してしまって、リアルタイムで良い感じに受け取ってすぐに立ち直れるほど器用じゃない。

苦しみながらも外のつながりに答えを見つけようとするその姿勢は、自分も沿いたいと思っていても、やっぱり時にしんどい。

「現実見過ぎ」「もう少し夢見たっていいだろばーか」と甘んじてみたくもなるのだが、やっぱり自分の気持ちにだけは嘘をつかずに生きていかないと、私の場合いつか死ぬ。


ただただそう信じたかったとも言えるのだが、一ヶ月もの時間が経ったことで良くも悪くも熱が冷め、久々にどのアーティストのライブも摂取することのない月を生きる中で、ドーム公演を取り巻く私ごとに対して半ば嘘をついて都合よく解釈したままに投稿したこの記事の第一稿は半日で下書きに戻した。いざ外に出してみると耐えられなかった。当時読んでくださった方には申し訳ないです。


でも、そうやってせっかく、せっかく大好きなグループが与えてくれるものをマイナスに捉えてしまうような時期であっても、ライブというものが自分の気持ちをプラスへと持っていっていってくれる、あまりにも力強い触媒として作用しているのは確か。

そして、さっきも述べたような櫻坂の姿勢に感化されて鉛のように重たい腰を上げて行動を起こしてみると、もうそれ以前を全く無かったことにできそうなくらい見える景色が変わってくるのも確か。


櫻坂46はこちらが立ち上がり、前に踏み出すまでいつまでも待ってくれるし、いつでもそんなきっかけを与えてくれる。


2年前同じ東京ドームで感じていた、欅時代の当事者でない後悔なんて正直いまやどうでもよくて、むしろ、こんなこと軽々しく文字にするべきではないと頭ではわかっていながらも、色々なありのままの感情が行き交って生きていることを一番実感していたあの公演の直後は良くも悪くも満ち足りてしまって「今なら死んでもいいかも」なんて本気に思って日記に書いていたし、あれだけの昂りを経験してしまった今、自分の人生を考えた時にあの瞬間を更新できる想像がつかないから「この先どう生きていくのが正解なのだろうか」とうだうだ考えたり、ドーム以前になんとか試みた冒険に甘んじて現実逃避したりしてばかりで、一向に前に進まない生活を送っていた。


うん。そうじゃないよね。

ここまで来たらその歌詞を引用するまでもない。


このドーム公演を思い出として美化してしまうのは別に良いけど、どれだけ輝かしかろうとそんな過去に縋りすぎて今を生きることを怠るようではやっぱりいけない。

来月からはまた待ち遠しいライブがたくさん待っているじゃないか。




多分これからも大好きなグループのメンバーと醜い自分を下手に比較してしまうような執着は少なからず持ち続けてしまうし、時に輝かしい露出から目を逸らしてしまうのかもしれない。

でも、やっぱりこのドーム公演を経て櫻坂46というグループがどうしようもなく好きだと再認識できた今なら、いっときの浮き沈みがあろうとも、自分はなんとか大丈夫なのかもしれない。




キャプテン中心にメンバーがたくさん伝えてくれた感謝を受け取ることなんて今の私には到底おこがましくて、逆にこちらからの精一杯のごめんねとありがとうを、直接返すことなんてできないから忘れずに抱えながら、頑張る。


本当に「どんな時も櫻坂46がいる」みたいなので、うん、。
多分いつだって大丈夫。



ふと思い出すように
僕らはこの坂に集まって
君のこと語り合えば
また会える気がしてくるよ

櫻坂46 『櫻坂の詩』



今まで見ないふりしてきた気持ちも普通に見えていなかった気持ちも、櫻坂46はあまりにも多くのことを気づかせてくれた。

だから、アイドルを通してこんな風に外に出してしまうほどに自分のことをあれこれ考えるのはもうこれでおしまい。



にできたらいいな。


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