石鹸洗髪で2年経ったので所感など その2
その1はこちら。
今回は洗髪に使う石鹸、あると便利なものなど、主にモノについて書いていきます。
石鹸洗髪は始めで一番挫折しやすいので、とにかく初心者がシャンプーからの移行で挫折しないことに重点を置いて書いてます。慣れてきたらどんどん自分に合うものを探してってください。
書いてる人:タワシと言われたことのある剛毛。自分より髪の毛の太い人を家族以外見たことがない。硬い多い太いの三重苦。ショートヘア(20cmぐらい)。結構なくせっ毛。ブリーチとカラーしてます。白髪はほぼない。髪質は普通〜ややオイリー。やや敏感肌。
*本稿を読んで試した結果生じたいかなる健康及び物的被害についても執筆者はその責任を負いません。個人の裁量と責任において使用してください。
いやーな時代なので一応書いときますよ。
石鹸
なにはなくとも石鹸。
石鹸洗髪で一番多い失敗が髪に石鹸カスが残ってベタベタするってことだと思う。これは汚れに対して泡が足りてないってことなので、泡立ちやすい石鹸をたっぷり使って泡モコモコにして洗うことでだいたい防げる。慣れてくると洗ってる時とすすいでる時の手触りで石鹸カスが残ってないか分かるようになる。その感じがつかめるようになるまでは、とにかく泡立ちやすいパーム油とパーム核油メインのものが無難。普通の手洗い石鹸とかですかね。
シャボン玉石けんとか?自分使ったことないけど。
ぶっちゃけお家にある頂き物の忘らるる石鹸は結構な割合でパーム油系だと思うので、そういうの探してきて使ってみるといいかもしれない。パッケージにオリーブ石鹸とかアルガンオイルとかゴマ油とか書いてなければいけると思う。
そんなのあるのかよ!と思ったゴマ油石鹸(家にあった)。使い心地は可もなく不可もなく。
パーム油系の石鹸は洗浄力強めで失敗しにくく洗いやすいけど、乾燥もしやすい。慣れるまでは仕方ないと割り切って、洗った後に油分を補うことで対応してください。あんず油、ツバキ油あたりがおすすめです。
有名な牛乳石鹸はメイン油脂が牛脂とヤシ油(ココナッツオイル)なので、乾燥しない代わり、慣れるまでは泡立ち面で心配かもしれない(これも自分まだ使ったことないけど。違ってたらごめんなさい)。
肌に優しいと言われるオリーブ石鹸は、特にオリーブ油100%のものは泡立ちがゆるくて失敗しがち。自分もまだアレッポの石鹸は洗髪に使えない。使って普通に洗ってる人もいるので器用だなーと思う。
オリーブ石鹸の一種のマルセイユ石鹸はオリーブ油の割合が72%と低めで、パーム油とヤシ油も使われてるので、乾燥せず泡立ちもよくて使いやすい。自分は最近マリウスファーブルの1900を使ってみている。
これのサンダルウッドが「寺か!」ってくらい白檀で好き。髪と顔と体に3ヶ月ぐらい使ってるけど半分ぐらいしか減ってない。
泡立ちはすごくいいけど、パーム油系のパキッとした泡立ちよりはややマイルドなので、1個目の石鹸としては少しだけ不安かもしれない(石鹸カス的に)。2個目以降におすすめ。
マリウスファーブルは香料入ってない普通のサボンドマルセイユ・オリーブも良かったです。泡立ちや乾燥の度合いは1900とほぼ同じだと思う。アレッポよりも油粘土みたいなにおいが薄いのも好みだった。いつか大箱を買ってみたい。
ちなみに石鹸で有名なLUSHの石鹸は界面活性成分にラウリル硫酸塩を使ってるものが多いので、自分の場合は洗浄力と乾燥が強すぎて使い心地が悪かった。普通のシャンプーっぽい洗い上がりなので、お酢リンスだけだと厳しいのかもしれない。
アメリカ在住ならWhole Foodsのgood soapを試してみるといいかもしれない。
使いやすい、コスパがいい、5分で買いに行ける(た)と揃った優秀さで、日本に帰ってくるまで8個ぐらいリピートして、更にわざわざ持ち帰ってきた。今も時々知人に頼んで買ってきてもらうことがある。
香りの種類がたくさんあるので、それだけでもう楽しい。Amazon Prime会員だと10個$10で買えるときもある。
パーム油メインの四角いやつから使い始めて、後にココナッツオイル(ヤシ油)高配合の丸いやつに落ち着いた。石鹸洗髪用に作られた石鹸なんじゃないかと思うほど自分には使いやすい。
*今見たら配合が若干変わってるっぽい。丸いのはなくなって、四角いのの配合に一本化されたのかもしれない。
パーム油の石鹸を1個使い切る頃には洗い方がつかめてきて、石鹸カスの不安もだいぶなくなってくると思う。2個目以降はパーム油にこだわらず、好きな石鹸をどんどん探っていくと楽しい。
石鹸油脂の成分表記に関しては日本はかなりテキトーなので、裏返しても「石けん素地」としか書いてなかったりする。原料がオリーブ油でも天ぷら廃油でも石けん素地。ブルシット薬事法。なので自分も日本に帰ってきた当初、石鹸選びでちょっと苦労した。
石けんシャンプー、シャンプーバー
石鹸洗髪について調べ始めた5年前、自分が調べてた英語圏(アメリカで売ってる石鹸で使えるものを知りたかったので)のブログでは、石けんシャンプー(≒液体石鹸)、特にドクターブロナーのリキッドソープがおすすめされてることが多かった。いわく、固形石鹸は最初は難易度が高いので、普通のシャンプーのように使える石けんシャンプーから始めましょうってことらしい。
ちょうどよくブロナー先生はうちの風呂場にもいた。10年ぐらい前から洗顔用とボディーソープとして使い続けてたから。
課題に追われて忙しい最中、買いにすら行かなくていいなんて!と早速いそいそとに頭に塗って後悔した。洗っても洗っても石鹸カスが残ってベタベタになる。1週間ぐらい頑張ってみたけど挫折した。トラウマになったので、以後3年ぐらい石鹸洗髪の試みからは遠ざかる。
今思ってみると、自分には石けんシャンプーは固形石鹸より難易度高かった。固形石鹸で始めたら1度目からなんかいけそうな感じで、2度目ですんなりと洗えるようになった。
液体は流体だから単位面積あたりに塗る量をコントロールしづらくて泡の密度が安定せず、不器用な自分には向いてなかったんだと思う。泡ポンプを使ったり濃度を探ったけどダメだった。
でも、固形石鹸ではダメだったけど石けんシャンプーで洗えるようになったという人も多い。なので、どっちかでダメだった人はもう一方も試してみるといいかもしれない。
あいにく自分は石けんシャンプーはドクターブロナーとあとひとつ、ALAFFIAのKids Shampoo & Body Wash(これも自分は石鹸カスでダメだった)ぐらいしか試してないので、詳しくは別の方面を当たってください。パックスナチュロン、シャボン玉石けんなどなど色々あるみたいですね。
シャンプーバーは自分は使ったことないのでなんとも。成分見た感じ普通の石鹸と大して変わらない気がするので。有名なLUSHのとかは普通のシャンプー固めただけでは?って思う。大きな違いとしてはラベンダーエキスとか何たらエキスとかの保湿的なアレが色々入ってる感じ。乾燥が気になる場合にはいいのかもしれない。そんな選択肢もあるよということで。(リンクは以前自分が気になってたのを貼っておきます)
アミノ酸系シャンプー
慣れると大抵の石鹸で髪が洗えるようになって、シャンプーは要らないかなと思うようになる。調子乗って来るわけですね。
ただ、がっつりブリーチした直後で髪が傷んでる時とかには、石鹸だと正直、すすぎ時の髪の取り回しがつらいなと思うことはある。
あと調子乗ってきた矢先、何かの原因で突然石鹸カスが残るようになり、なぜか洗っても洗っても改善しなくて、いったん髪についた石鹸カスをリセットする必要がある時。石鹸変えた直後、もしくは体調が変わったときとかに起こりやすい。
そういう時、アミノ酸系界面活性剤(コカミドプロピルベタインとか)のシャンプーがあると保険として楽です。
自分が昔から使ってるのはカウブランド。
普通のラウリル(ラウレス)系界面活性剤のシャンプーでもいいんだけど、リンスがお酢のままだと乾燥するしキシつく。アミノ酸系だと洗い上がりが若干石鹸に近いのか、お酢リンスでもそこまでの乾燥を感じない。
石鹸洗髪を始めた当初髪がベタベタギシギシになるのは、シャンプーのシリコン分が髪に残ってるせいだとか、今までにラウリル系シャンプーで貯めた毒素が出てるからだとか言う人たちがいる。
自分はベタベタギシギシの原因は石鹸カス、もしくはリンスが足りなくてキューティクルが閉じきってないせいだと思ってるので、上記の意見には懐疑的(個人の意見です)。実際ヘアカラー後に付属のシリコンたっぷりのトリートメントをうっかり使っても、その後の石鹸洗髪でベタベタになったことはない。
ラウリル系シャンプーから石鹸に移行する時にも、いったんアミノ酸系シャンプーを一定期間挟んでやるといいかもしれない。洗い上がりの変化に慣れられるし、気になる人は毒素()だって抜けるかもしれない。
お酢
リンス。石鹸でアルカリ性に傾いた髪を中和するのに使う。ぶっちゃけ酸性で安全ならなんでもいい。自分は業務スーパーで一番安い穀物酢を買ってきて使っている。1リットルで半年以上もつ。
過去にはクエン酸とか濃縮還元レモン汁とかアップルサイダービネガー(アメリカでは米酢より安い)とか使ってたけど違いはないと思う。お金持ちは黒酢とかバルサミコ酢とか使ってみてください。
これをスプレーボトルに入れて水で薄めて使う。希釈率はテキトー。自分はだいたい5〜10倍。薄めれば薄めるだけお得な気がするけど、髪全体を中和するのに必要な酸性分は固定っぽいので、結局1回あたりでは同じ量のお酢を使ってる気がする。
お酢の濃度が高いほど潤うみたいなことを読んだことがあるけど、自分には違いが分からない。濃すぎると使っててむせる。あと滲みる。
使ってるときはお酢のにおいが気になるけど、すすいだらほぼにおいはしなくなる。香りづけが欲しい人はエッセンシャルオイルを数滴入れるといいです。ラベンダー、ローズマリー当たりが無難でおすすめ。夏はハッカ油とか入れると幸せになれます。あと水の代わりにローズウォーターとか。気休め程度に保湿にもなるらしい。中東食材屋で安く手に入ります。ない場合は作りましょう。作り方はそのうち気が向いたら書きます。
お酢だけだと乾燥が気になる向きにはグリセリンを入れると軽減する。500mlに対して小さじ半分ほど。入れすぎるとペタペタするので注意。
実はリンスなしでも短期間なら結構大丈夫だったりする(体調と人による)。自分の場合、リンスなしだった最長期間は5ヶ月ぐらい。お酢が切れて単純に面倒だったので使わなかった。若干髪はキシついたけど許容範囲。傷みも気にならなかった気がする。
以上です
次回は洗髪時の失敗しないためのテクニック的なことについて書きます。
《追記》
先日ドクターブロナー リキッドソープで洗ってみたら、石鹸カス残りなく洗えることに気づいた。どうも過去の自分は使う量が圧倒的に足りてなかったようです。ただ、石鹸カスの心配がないレベルまで泡の密度を上げようとすると、自分の場合、普通のシャンプーの2倍ぐらい使うことになる。あと結構乾燥する。ので、ケチな自分はこれからも固形石鹸を使うと思います(だって日本で買うとブロナー先生高いし)。
《更に追記》
パーム油製造にまつわる倫理的な問題。ご興味あればどうぞ。