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v37スカイラインインプレ・その2

先日購入したv37スカイライン350GT-TYPE-P、徐々にその乗り味が分かってきました。

惑わされるスイッチ類

最近の車はハンドル周りのスイッチ類の数が半端なく増えており、以前乗っていたSX-4 s-crossでも定速走行のオートクルーズ機能やオーディオ関連の切り替えボタン類は付いており、最初こそ戸惑いましたが直ぐに慣れました。スカイラインではこれらに加えて運転支援機能のスイッチや、メーター周りのインフォメーションを切り替えボタンが追加されており、より複雑化した造りになっています。

更にシフトノブ下にあるドライブモードセレクターやナビマップの拡大や縮小をするツマミなど、とにかく色々なデバイスを扱う必要がある為、運転しながら様々な操作を求められるようになっています。

例えば、まず走行開始時には運転支援システムを立ち上げるため、ハンドル右側のボタンでこれをオンにします。そしてデフォルトではドライブモードのパワーマップはスタンダードモードなので、燃費を重視する為にこれをエコモードに切り替えます。しばらくエコモード走っているとエンジンが始動したため、給電状況を確認するためにハンドル右のボタンをポチポチと押さえます。バッテリー残量を目視で確認し、これが少ないとEV走行が出来なくなるため、バッテリーの満充電を目指す為にシフトレバーをマニュアルモードに切り替え、勾配や減速を意識しながら1500〜2000回転を維持するように走ります。満充電になった再びドライブモードに戻し、エンジンが始動しない程度にアクセルを浅く踏んでEV走行をします…。

とまぁ、こんな風に燃費を追求するだけでかなり面倒くさい走り方を余儀なくされたりします。気にせずドライブモード(スタンダード)のみで走っても良いのですが、燃料はハイオクですからね…。アイドリングは極力抑えたいですし、ハイブリッドカーらしいジレンマかもしれません。

この他にもユーザー設定のオイルやタイヤのメンテ時期をお知らせするアラートが設定されていたり、スマートフォンとの連動設定や音声認識設定なんかもあって、かなり細かなカスタムが可能となっています。正直使い切れん。

電子制御であるが故の…

v37スカイラインはステアリングからして非接触式のガッチガチの電子制御カーですが、ぶつからない為の運転支援システムをオンにして走ると、思わぬ場面でその干渉を受ける事になります。

例えば、左折で前車に追従して進む際に、左前方のセンサーが近過ぎると認識してやんわりとブレーキングされたり、踏んでいるアクセルがググッと押し戻されたりという事がたまにあります。

この辺りの加減は中期モデル以降でかなり改善されたみたいなのですが、初期型のv37はこの辺がまだ熟成されてない感じを受けました。なんというか、自動車側からの干渉が強過ぎて、乗るというよりも乗らされている感覚になっていますね。

なんだか、νガンダムに乗ったアムロがフィン・ファンネルの応答性に困惑しているような感覚に近いのかも。

エンジンが静か過ぎるのは利点か欠点か

実際の所、街乗りとちょっとした移動に使うにしては、3500ccのハイブリッドシステムはメチャクチャ静かです。履き替えたREGNOコンフォートタイヤの恩恵もありますが、時速60km程度の走行では殆ど外のノイズがしません。下手したらエンジンすら使わずEV走行だったりするので、時速80kmを超えていたとしても大してスピード出てないような感じがします。高級車って大体そんな感じなのかも知れませんが、この辺も慣れなのかもしれません。今までの車と速度感覚に大きな隔たりができてしまっているので、そこは気をつけなくてはならない点でしょう。

ヒルクライムで発揮するFRセダンの力

この車の素晴らしい所は、とにかくV6・3500cc+モーターアシストの圧倒的なパワーといえます。これが発揮されるのがやはり峠道で、街乗りではデカくなった車体は少々難物ですが、思い切って踏み込める急勾配の登り坂では1800kg級の重さを全く感じさせる事なく、スイスイと登っていきます。

前のs-crossもスイフトスポーツ譲りの1600ccNAエンジンを積んだ軽量なSUVで、スポーツモードに切り替えればそれなりに軽快に走ってはいましたが、登り坂では明らかにトルク感に欠ける部分がありました。この辺りは1400ccターボのエスクードの方が優秀かと思われますが、スカイラインはその比ではありません。圧倒的ですね。

またs-crossは重心や座点のやや高いクロスオーバーSUVでしたから、かつFFベースという車両特性から、コーナーに突っ込んだ時のアクセルオンでかかる荷重が運転席側にモロに来る点が地味にスリリングな乗り味になってしました。

この点においても、v37スカイラインはとにかく素晴らしい乗り味に仕上がっている事が判ります。コーナーに入った後の地を這うような接地感や、リアからグイグイと突き上げる圧倒的なパワーが感じられ、白線から逸脱しない、キッチリと車を制御できる安心感がありました。ラグジュアリーセダンのカテゴリではありますが、スポーツ寄りの仕上がりというのは、各種自動車評論家のインプレ通りの乗り味でしたね。

ハイブリッドカー故に下りはジェントルになる

ヒルクライムがあればダウンヒルもあるわけですが、重い車ほど下りには気を使います。しかしながらこのスカイラインはハイブリッドモデルですので、回生ブレーキという強い味方があるのが非常に心強い。以前のs-crossではパドルシフトを使いこなして乗り過ぎる速度を落としながら下っていましたが、スカイラインではドライブモードの弱回生ブレーキとマニュアルモードの強回生ブレーキを使い分けながら下る事になります。速度を乗せたい時はドライブモードにして、逆に速度を落としたい時はマニュアルモードに切り替えるというわけですね。車重があるので勝手に速度は乗るので、下りではアクセルを踏む事がありません。

前の車が迫ってきた時に役立つのが運転支援システムで、ドライブモードであったとしても前の車との車間が近くなると自動的に強い回生ブレーキがかかるようになっています。この結果として、あまりフットブレーキを使わないまま下り坂を走る事が可能で、この点は以前の車より格段に安全になっているように感じます。普通は重い車ほど下りは速度が乗って危ない筈ですが、この2種類の回生ブレーキは非常に良くできているように感じます。

何より、峠を越えたあとには満充電になってますから、再びエコモードでEV走行できる辺りも非常にありがたい。お陰で山道を走っても下りは全くアクセルオンする事はなく、今までブレーキで無駄にしていたエネルギーも効率良く回収できるから、案外燃費も悪くないんですよね。

まだ乗り換えてから日の浅いインプレですが、なんやかんやで良い面悪い面見えてきたように思います。この一癖二癖のあるv37スカイラインハイブリッド、今は中古価格が200万円前後まで下がっていますので、結構狙い目だと思います。最近は軽自動車ですら新車は200万超えますからね…

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