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Matomoな日々「第3回 Matomoをインストールしよう!」


Matomoを使うには

といった方法があります。
今回は仕組みを理解するために、自分でサーバーを構築し、Matomoを利用できる環境を作ってみましょう。

Matomoを使える環境を作ろう

ここからはAWSを使って環境構築をします。
AWSのアカウントはご自分のものを用意してください。

詳細な手順は、初心者向けに作成した記事がありますので、そちらも参考にしてください。
初心者のための優しいアクセス解析入門:GAが使えないときはどうする?
Matomo導入手順(プラットフォーム編)
Matomo導入手順(ミドルウェア編)
Matomo導入手順(Matomoインストール編)

AWSでEC2インスタンスを起動する

MatomoはLAMPサーバーで動作します。以下の設定でインスタンスを作成します。

  • Amazonマシンイメージ(AMI):Amazon Linux 2023

  • アーキテクチャ:64ビット(Arm)

  • インスタンスタイプ:t4g.micro

  • ストレージ:30GB、gp3タイプ

  • セキュリティグループ:自分のIPから全てのプロトコルを許可

ここでは省略しますが、Elastic IPアドレスの付与や、追加のセキュリティ設定については個別に行ってください。

ミドルウェアをインストールする

EC2によるサーバーが起動したら、インスタンス作成中にダウンロードした鍵ファイルを用いて、SSH接続しましょう。

必要なミドルウェアは以下の通りです。

  • Apache

  • MariaDB

  • PHP8.2

ここから先の作業はrootユーザーになっていた方が操作が楽なので、ユーザーを切り替えておきます。

sudo -i  

以下のコマンドでインストールしましょう。

dnf -y install httpd mariadb105-server php8.2* 

インストールすると設定ファイルができているので、少し追記します。

/etc/php.ini については

max_execution_time = 600 

/etc/my.cnf については[mysqld]セクションに

innodb_buffer_pool_size = 1024M	#データ処理で使えるメモリ量の上限									
innodb_log_file_size = 64M		#ログファイルのサイズ。大きいほどフラッシュ回数が減って高速化する				
max_allowed_packet = 128M		#サーバーが受信できる最大許容パケットサイズ。

上記の3行を追記します。
すべての準備が出来たので、ミドルウェアを起動しましょう。
コマンドは次のようになります。

systemctl start httpd           
systemctl start mariadb  

更に、これらのミドルウェアがサーバー再起動時にも起動するように設定しておきましょう。
コマンドは次のようになります。

systemctl enable httpd 
systemctl enable mariadb

DBの準備をする

MariaDBに、Matomoが使用するデータベースとユーザーを作成します。
コマンドは「mysql」です。

mysql

本記事ではDBユーザーのパスワードは簡単なものにしておきますが、実際の運用では推測されないものを使ってください。
DBの作成は、

create database matomo default character set utf8 collate utf8_bin;

このDBを使用するユーザーの作成と権限は

create user 'matomo_user'@'localhost' identified by 'PassWord'; 
grant all on matomo.* to 'matomo_user'@'localhost';

となります。mysqlプロンプトは「quit」で終了します。

quit

Matomoのプログラムをインストールする

Matomoのプログラムをダウンロードして、サーバー内の適正な場所に配置します。

まず、ダウンロードは以下のようにします。

wget https://builds.matomo.org/matomo-latest.zip

しばらく待つと、カレントディレクトリに最新版のMatomoプログラムがダウンロードできます。

次にこのzipファイルを解凍して、webサーバーのドキュメントルートに配置します。

cd /var/www/html 
unzip /root/matomo-latest.zip 
chown -R apache matomo

これでターミナル上での作業は完了です。

Matomoの環境設定をブラウザで行う

ブラウザで「http://EC2のIPアドレス/matomo/」にアクセスすると、以下の画面が表示されます。

ここからは画面の内容に沿って進んでください。
各画面ごとに確認や入力が終わったら、最後に「次へ」ボタンを押して進みます。

1.ようこそ

上記の画面です。何も確認、設定することはありません。

2.システムの確認

ミドルウェアの設定が正しいか、必要なモジュールがインストールされているかを確認します。
ページを最後までスクロールしてエラーが無ければ次に進みます。

3.データベースのセットアップ

各入力項目は以下のようにします(DBユーザー作成時にパスワードを変更している場合はそれに合わせてください)

  • ログイン:matomo_user

  • パスワード:PassWord

  • データベース名:matomo

  • Database Engin:MariaDB

4.テーブルの作成

前述のデータベース情報で接続ができると、Matomoで使用するテーブルを作成します。
エラーが無ければ、次に進んでください。

5.スーパーユーザー

Matomoの管理者ユーザーを設定します。以下のように入力してください。

  • スーパーユーザーログイン:matomo_admin

  • パスワード:任意のパスワード

  • パスワード(再入力):上記と同じ

  • メール:root@localhost.localdomain(EC2では外部にメールを送るには申請が必要です)

6.ウェブサイトのセットアップ

名称やURLは実際の目的に合わせてください。以下は例です。

  • ウェブサイトの名前:サイトABC

  • ウェブサイトのURL:https://www.sample.co.jp

  • ウェブサイトのタイムゾーン:日本(プルダウンリストから選択)

  • eコマース:eコマースではない

7.JavaScriptトラッキングコード

MatomoをGoogleAnalyticsと同じようにタグを使って集計させる場合に必要なトラッキングコードが表示されます。
本連載ではMatomoサーバーをインターネット上に公開しないため、この情報は使用しません。

8.おめでとうございます。

最後のセットアップとして「dbipデータベースを使用して地理位置情報を自動的に構成する」にチェックを入れておきましょう。
このデータベースは無償で利用でき、粒度は荒いですが、ビジターの国別・地域別の分析ができるようになります。

お疲れさまでした。
以上でMatomoのインストールは終了です。
Matomoへのアクセスはインストール時と同じ「http://EC2のIPアドレス/matomo/」にアクセスすることでログイン画面が開きます。
また、ログファイルのインポートについては、ターミナルを使って行います。Webインターフェイスからはインポートはできません。
次回はログファイルのインポートを行い、どのようなレポートが作られるかを見ていきましょう。

関連リンク

サイオステクノロジーは2014年から国内でのテクニカルサポートをサービスとして立ち上げて提供しています。
・サイオステクノロジーのMatomoサービス: https://sios.jp/lp/matomo/

Matomoは欧州の開発チームが中心となって開発されています。
・Matomo公式サイト: http://matomo.org/

日本での利用拡大と翻訳などを担っているのがMatomoユーザー会です。
・日本Matomoユーザー会:https://matomo.jp/

Matomoの追加機能を集めたサイト
・Matomoプラグインマーケットプレイス:https://plugins.matomo.org/


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