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第9回 レポートを活用した分析例について

【登場人物】

IT営業アシスタント1年目。好奇心旺盛で何事も挑戦していきたい。上司にネットでの製品PRを命じられ、ウェブサイトを作ることになった。ただ、でき上がったサイトをどう運営していけばいいかわからず悩んでいる。

元SE。今はアクセス解析ツールの営業。
Webマーケティングについてお客様に日々説明をしている。

アクセス解析の技術者。
アクセス解析の重鎮、生き字引、サポートの鬼。
アクセス解析でわからないことがあれば何なりと。



レポートを活用した分析例について教えて頂けますか?

そうですね。ここでは、「探索レポート」の手法について触れてみます。
レポート作成の自由度が高い「探索」はGA4から新たに使えるようになった機能です。
探索手法には、漏斗の様に徐々に絞りこんでいく『ファネルデータ検索』や行動経路から導線を分析する『経路データ探索』などがありますが、今回は新規にレポートを考えるので、『空白』を使ってみましょう。

レポートを作成する上では、いま抱えているサイトの課題を例に挙げて、探索の使い方・データの見方を解説していきたいと思います。またまたPDCAですね。
・課題:モバイルからのアクセス数がすくないようだ
・仮説:PCに比べてモバイルだと見辛いページがあるのではないか
・検証:モバイルでの訪問で新規ユーザーとリピートユーザーの状況を確認する(他デバイスとの比較もする)

PDCAサイクルを使っての分析ですね。
データを検証し、仮説を立て、結果を分析し、最終的に改善策を実施することで、持続的な改善に繋がっていきますね。

「空白」を選択すると、以下のようなメニューが出てきます。

先ずは、ディメンションを登録してみましょう。
ディメンションの横の「+」ボタンを押下すると、「ディメンションの選択」画面が表示されます。

ディメンションとは、特定の条件でユーザーの行動データを絞り込むための項目という認識で合っていますか?

そうですね。ディメンションは、ユーザーの行動データを特定の条件で絞り込むのに役立つ項目です。
例えば、デバイスカテゴリや地域などがそれに該当します。

「ディメンションの選択」画面から、使いたいディメンションを選択(レ点)し、右上の「インポート」ボタンをクリックします。

すると、以下のように使いたいディメンションが登録されます。

同様に、「指標」の横の「+」ボタンを押下して、使いたい指標を選択(レ点)し、右上の「インポート」ボタンをクリックすると、登録されます。

次に、登録された「ディメンション」や「指標」を、それぞれ「デバイスカテゴリ」は「行」に、「新規ユーザー数」等は「値」に、「ブラウザ」は「列」に、ドラッグ&ドロップします。すると右側に表形式の結果が表示されます。ちょうどExcelのピボットテーブルのようになります。

実際に、操作して慣れてくると簡単ですね。

そうですね。予め何(「ディメンション」や「指標」等)を見たいかを決めておけば、簡単に集計結果が得られます。
なお、「セグメント」はある条件で絞り込む機能ですがここでは割愛します。時間があれば試してみてください。

今回の、「探索レポート」の自由形式で、以下のレポートが集計できました。

モバイル(mobile)からのアクセスがPC(desktop)と比較すると、極端に少ないことが分かります。
直帰率もモバイルの方が高いですね。
直帰率が高い理由として、いくつかの仮説が考えられます。
例えば、「PCに比べてモバイルでは見辛いページがある」、「モバイルデバイスでのページ読み込み速度が遅いため、ユーザーが直帰している」、「モバイルでのフォーム入力が難しい」などが挙げられます。
このことは、最初に課題/仮説/検証の結果として、モバイルに対して、レスポンシブデザイン含め、新たな施策の必要性を示唆しています。

なるほど、PDCAの繰り返しですね。

あと、GA4のホームの下部に、「分析情報と最適化案」があるので、今後のサイト改善に役立つかもしれませんので参考にしてみてください。
これはGAが「提案」として出してきているもので、今後の解析やサイト改善のヒントになるかもしれないものです。

こんな分析情報も出してくれるんですね。参考にしてみます。

次回はいよいよ「初心者のためのやさしいアクセス解析入門」の総括です。
お楽しみに!


関連リンク

サイオステクノロジー System solutions アクセス解析・データ活用

本日の用語
セグメント

GA4のセグメントとは、特定の条件でユーザーの行動データを絞り込む機能です。 「データ探索」のみで使える機能で、ユーザー行動をより深く分析するのに役立ちます。

ディメンション
ディメンションは「数えられない」「数値で表現できない」項目です。
よく使われるディメンションには以下のようなものがあります。
・日付
・セッションのデフォルトチャネル
・参照元/メディア
・国、地域、市区町村
・デバイスカテゴリ
・性別
・年齢

指標
指標とは「数えられる」「数値で表現できる」項目です。
よく使われる指標には以下のようなものがあります。
・ユーザー数
・セッション数
・表示回数
・クリック数
・コンバージョン数
・エンゲージメント率

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