第70号『バック・トゥ・ザ・フューチャーの話をしよう』
SF映画の到達点、タイムマシン。
未来や過去へ行けるとしたらそれはもうロマンです
そして「タイムマシンがあったら何をしますか?」という問いには「来週号の少年ジャンプを買いに行きます。」と答えます。
そんな「たら」「れば」の話をしたらキリがないけれど、そんな夢をありったけ詰め込めるのがタイムトラベルもの(タイムリープ含む)の面白さだと思っています。
さて突然ですが皆さんは好きなタイムトラベル作品はありますか?
なぜこのタイミングで聞かれるかと問われれば、勘の良い人はお気づきかもしれません
そう!
今週6/12の金曜ロードSHOWから自分の最も好きなタイムトラベル作品『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が3週に渡って放映されるからです!
この作品を知らずしてタイムトラベル作品を語るなかれ。
それぐらい他のタイムトラベル作品でもオマージュやパロディ、内容を引用させるほど有名な作品です。初めての人もタイトルやメインテーマBGMは聞いたことあるはずです。未見の人は面白いので是非この機会に!
SNS時代の今だからこそ、ツイッターのタイムラインを眺めながら観る『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が楽しみでなりません。
1985年に製作された映画なので完全に親の世代の映画なのですが、父親が好きで録画したものを幼少期の少年シチューに見せ、その映画に魅せられてしまった訳です。
だから、この映画を人に紹介するときは「こいつは古いんだけど」と作中で主人公マーティが言った台詞で紹介したくなってしまうのはある意味しょうがないのです。同志はこの気持ちがわかってくれる筈。
そしてこの映画の話ならいくらでも書けてしまうので要点だけ書きます。
タイムトラベル作品の面白さは【タイムパラッドックス】と【バタフライエフェクト】にあると思っています。
【タイムパラッドックス】
仮に過去の時間に介入出来たとしても、既に確定している未来に変化は起こるか否か?という問題。これはタイムトラベル作品事に解釈が変わります。
有名なのは”親殺しのパラドックス”
自分が生まれる前の過去に戻り両親を殺した場合、その未来の自分は生まれなくなってしまいます。すると両親を殺した自分という存在は最初から無かった事になるので両親は殺せないのでは?という矛盾が生じてしまいます。
上記のような過激なのは無いですが、主人公が過去に行ったら母親が父親ではなく息子である自分に惚れてしまった。どうする?このままだと自分は産まれてこない事になってしまうぞ!こうなったら父親との仲を取り持つしかない!けれど、その父親の学生時代がダサすぎて惚れさせる要素がまるで無い!どうしよう!と奮闘しつつそういうジョークも含め、矛盾が幾つも散りばめられているのでそういうのを探すのもこの作品の面白さのひとつです。
例えば今週放送の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』Part1では主人公が30年前にタイムスリップしてしまう話なので、主人公と登場人物の感覚が30年分ずれている訳です。その感覚のズレのせいで幾つもタイムパラドックスが起こるのですが奇跡的に未来の結果は同じみたくなるのも面白いなと。
ちなみに『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は過去介入や過去改変の結果がダイレクトに未来に反映する世界観です。
【バタフライエフェクト】
カオス理論の一種。蝶が羽ばたくと地球の反対側で竜巻が起こる的なやつです。
タイムマシンという未来や過去を行き来出来て介入できる力があるとしたら、未来の情報を知れば大金持ちになる事だって出来ます。だからこそどんな小さな事象やきっかけでも未来を変えてしまうトリガーになり得るのです。
ちょっと魔が差すというか、好奇心は猫を殺すというか。きっかけはほんの些細な出来心だったとしてもそれが最悪の結果を招く事だってある訳です。それを無かった事にする為に、奮闘するPart2を是非続けて観てほしいです。
放送時の不安点
ただ『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は吹替えも多くの方が声を当てていて、主人公マーティの声もTV放映だと織田裕二、三ツ矢雄二、DVDだと山寺宏一、BDだと山寺宏一と三ツ矢雄二の選択が可能。これには色々理由があるので詳しくは下記にて。
個人的には初めて観た吹替え版の主人公の声が三ツ矢雄二だったのでこのイメージが強いのですが、字幕で聞くとマーティの演技に寄せているのが山寺宏一版だったりします。
しかしDVD版は吹替え台詞が原文まんまなので一部分かりづらい部分があります。
例を挙げると 少しだけPart3のネタバレになるのですが
主人公がタイムトラベルで西部劇時代に行った際に、新型拳銃の試し撃ちをするシーンがあります。
主人公は1985年で『ワイルドガン』というガンシューティングゲームの筐体をやり込んでいてフルスコアを出せるので、本人には当然の撃ち方なんですが西部開拓時代(1885年)の人からしたら「何だその射撃は?!」となる訳です。
そこでガンスミスにこう聞かれるわけです
「坊や どこで そんな撃ち方覚えたの?」
原作だと
「セブンイレブン」
これは1985年のアメリカでは、セブンイレブンの一角にはゲームコーナーがあり、そこに『ワイルドガン』の筐体が置いてあったからそう答える訳ですが日本だとセブンイレブンはコンビニイメージしかないのでその解答では分かり辛いと言う事で台詞が一部変更されます。
「ゲームセンター」
TV放映版では上記の台詞となる訳ですが、これDVD版だと日本語吹替えにしても主人公は「セブンイレブン」と答えるので初見の人には分からない!とファンから不評があり、また三ツ矢雄二吹替えの需要もあったため25周年のアニバーサリーBD版は日本語吹替えがDVD版とテレビ放映版の2種類選べるようになった訳です。
なので今週から放映される『バック・トゥ・ザ・フューチャー』Part1~3はこの辺の吹替え事情を汲み取って放送してほしいなと思います。
そして次回は、ある日を境に毎週10年後の週刊少年ジャンプが届くようになった漫画『タイムパラドクスゴーストライター』の話をしましょうか