40年ぶりに聴いた春歌のアルバム

高校生の時に友人が「面白いから聴いてみろよ」と持ってきてくれたのが、なぎら健壱さんの「春歌」というアルバムでした。
全13曲入りで、当たり前ですが全曲春歌というね(笑)

最初聴いた時は、こういう曲を発売していいんだ!というインパクトが強すぎて、興味半分で聴いていた記憶がありますが、CD化されていることを知り、思わずポチッとしてしまいました。



代表的というか、一般的によく知られているのは「ヨサホイ数え唄」だと思うのですが、「ヨサホイ節」という民謡が替え歌となり、替え歌の方が知られることとなってしまったのですが、「ひとつ出たほいのよさほいのほ〜い」から始まるこの曲は、少なからず耳にしたことがあるのではないでしょうか?
でもまぁ若い世代の人は知らないだろうなぁ。

CDで再発するにあたり、なぎら健壱さんがコメントを載せていますので、一部抜粋させていただきます。

ムーンライダーズ、スラッピージョーをバック・ミュージシャンとして起用し、短期間のうちにレコーディングを終えた。
肩ひじを張らず、和気藹々と楽しいレコーディングだった記憶がある。
今、このように稚拙だが、レコーディングを楽しむという録音はなかなか難しくなってきている。
音の良し悪しや正確さに比重を置くため、機械的で面白くなくなってしまっているのだ。

確かに1970年代の前半に録音された音源なので、全部生音だし温かさはあります。いい意味で緩いし。
僕自身も若い頃にこういうサウンドを聴きまくっているので、今聴いても安心するというか、何の抵抗もなく聴けてしまいます。

現代ではレコーディングというのは基本的に自宅作業が多く、データのやり取りで成立するので、他のミュージシャンやエンジニアと会うということもなくなりました。
それが良いとか悪いとかということではないのですが、スタジオにみんな集まって、ひとしきりバカな話で盛り上がったところで、「そろそろ始めようか」みたいなのもいいなぁと思いますね。
その場の雰囲気も音に記録されるし。

40年ぶりにこのアルバムを聴いてみて、高校生の頃に受けたようなインパクト(音ではなく歌詞の内容ですよ笑)はなかったですが、サウンドに関しては聴きやすくて心地いいものでした。
なぎらさんが言うように、最近は音の良し悪しや正確さに比重を置く傾向というのは確かにありますが、レコーディングを楽しむということも大事だよなぁとあらためて気づかせてくれたアルバムでした。


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