常識は時代や人によって作られたもの


生まれ育った家での価値観が常識になるので、大きくなってから他の家ではそうではなかったことを知ってビックリなんてことはよくあることです。
その世界が全てだと思い込んでしまうとその価値観や常識の中で思考停止になってしまうので、他の違う考え方や価値観は認められないというふうにならないように気をつけないといけないですね。

例えば昔は日本に夜這いという習慣があったことで、男女関係や結婚に対する考え方が今とは違い、誰の子かわからなくても村全体で育てたという記録も残っていますが、今では考えられませんね。
現代の日本では一夫多妻制ではなく、夫婦というのは必ず男女一人ずつの組というのが常識になっています。

でもこれは人間が勝手に決めたルールであって、国や民族によっては考え方が違います。
男は人前で泣くものではないとか、女は男より3歩下がって歩けとか、最近はあまり言わなくなったかもですが、日本でもそういう古い考え方が根深く残っていますね。

5万年前や10万年前は全く違った常識があったでしょうし、これは本来変わっていって当然のことなんです。
特に今は大きく価値観や常識が変わる時期なので、その見極めというか判別する能力ってとても大事だと思っています。

世の中のほとんどの人が会社員であり、会社で働くことが仕事をすることだというのが常識でしたが、これも崩壊し始めていますね。
私は何度も書いているように、サラリーマン社会にはずっと違和感がありました。
レコード会社で正社員として働いている時には、仕事は好きなことができたし何もストレスがなかったのですが、会社から管理されるということには納得がいってなかったですね。
だから社員研修なんて行かなかったし、たぶん人事異動が発令されてたら辞めていたでしょう。
やりたいことができるからこの会社にいるのであって、この会社に入るためにわざわざ田舎から出てきたわけではないと思ってましたから。

会社で働かせてもらっている、給料を払ってもらっているというのは勘違いであって、もし社員が結託して全員会社に行かないと決めたら会社は潰れます。
会社というものが存在していて、そこで働かせてもらってるのではなく、人の集合体が会社ですから働いている人間が一番大事な存在のはずです。
ここは経営者も勘違いししてるところだと思うのですが。


価値観や常識なんて時代とともに変わっていって当然なのですが、人間は変わることを嫌う生き物でもありますから今までのままでいたいのです。
変わることって面倒だし勇気も要りますからね。
私の場合は、どれだけ時間が経っても変わらないものかどうかということで判断することが多いです。

音楽でいうと、録音物はレコードからCDになり定額制で自由に聴けるというふうに、聴き方のスタイルはどんどん変わっていきます。
ここに携わるビジネスなら常に対応を迫られるということになりますね。
マネジメント的な仕事、つまりアーティスト側に付いているなら活動が続く限りビジネスチャンスはあります。
これは今までもずっとそうだし100年先も変わりません。

個人レベルでも、自分の技術や才能やキャラクターでビジネスが成立するなら、ずっと食べていけます。
会社にいて歯車の一つとして働いているのなら、会社が破綻したときに共倒れになります。
会社にいるということは、その組織の中で一部分を担っていることですから、外に出たら厳しさを味わうことになります。
これは自分が経験してるから言えるんですけど、会社の看板で仕事が成立していることの有り難さは、辞めてからでないとわかりません。

会社で働く人が殆どなので伝わりにくいかもしれませんが、現代の会社という組織はシステム的におかしいとずっと思っています。
しかし多くの人は会社とはそういうものだと諦めています。
おかしいということに気がついてもおかしいとは言えない環境ですしね。

レコード会社にいた頃に上司が「入社試験の面接をやってると、みんな就職でなくて就社が目的なんだよ。どんな仕事をやりたいかじゃなくて会社に入りたいと思ってる奴が多いいんだよな。」ということをよく言ってましたが、所属することが目的になってしまってるってことがそもそもおかしいのです。
きっと100年後には「昔は仕事をするためには会社ってところに所属する必要があったんだって。なんか面白いね〜」という会話が交わされてるんですから。

今の価値観や常識と思っているものが凄いスピードで変化していきます。
会社や他人に合わせるのではなくて、自分の軸をしっかり持って何が本質で何が大事なことなのかを見極めていく必要があります。
この変化の流れは待ってくれませんから、自分の感性を磨くことが本当に重要なことだと感じています。



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