業界がV字回復してもアーティストに還元される率が低いという現実

2016年〜2017年以降、ストリーミングがダウンロードやCDを抜いて、50%以上のシェアになったようですが、これは音楽の聴き方が所有することからアクセスすることに変わったということでは、誰もが疑うところではないでしょう。

ただ、だからと言って音楽業界の復活と考えるには無理があって、それはなぜかというと、新しい仕組みを作った人たちは潤うのかもしれませんが、作詞作曲者や、歌い手に還元されるパーセンテージは低いので、世界的な大ヒットを連発して、恐ろしい数の再生回数にならなければ、とても食べていけるようにはなりません。

還元されるパーセンテージが低いというのは、CDの時代もそうだったのですが、当時はCD自体の売り上げ金額が半端なかったので、アーティストに還元される金額も相当なものでしたし、それが遠い夢のようなことでもなかったのです。

どちらにしても録音物(音源)に関しては、もはやグッズの一部としての位置付として、利益率が大きい(自作して手売りすれば)CDとして販売していくか、レーベルと契約して全国に流通させるメリットを取るか、配信やストリーミングで視聴もできるし買うこともできますよということで、ネット上に上げておくということなのかもしれません。
そこで利益を得るというよりは、プロモーション効果を期待するということでしょうか。

作詞作曲者、歌い手、録音した人の権利が守られ、それなりの収入を得られるようになるまでは、もう少し時間がかかるのかもしれませんが、どちらにしても録音物の売り上げに期待するよりも、ライブのチケット売り上げ、ギャラが発生する営業的なライブ、グッズの販売を中心に、多角的に施策を考えていくしかないでしょう。

どんな時代でも新しいやり方を開発する人たちはいるし、今までの歴史を塗り替えていくようなアーティストは出てくるわけですから、ある意味チャンスが巡ってきているとも言えます。
自分たちにしかできないやり方を編み出し、実験や試行錯誤を繰り返し、常に可能性を探っていくことなんだと思います。



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