ポプコンがなかったら今の自分はなかった


先日、年内で静岡県掛川市にある「ヤマハリゾートつま恋」が営業を終了すると発表がありました。テレビでも取り上げられていましたが、それくらいインパクトのあるニュースでしたね。
それは何よりもただの宿泊施設ではなく、数々の音楽アーティストを生んだコンテストやビッグアーティストのイベントを開催していた場所でもあったからです。

70年代〜80年代に、関東ではサザンオールスターズやシャネルズ(後にラッツ&スターに改名)を輩出した「EastWest」があり、関西では「8.8Rockday(ハチハチロックデイ)」というYAMAHA主催のコンテストがあって、主にロック系のバンドが競うステージとして、アマチュアのアーティストやバンドはここに出場することが憧れでもありました。

同時期にYAMAHAが全国規模で開催していたコンテストが「ポピュラーソングコンテスト(通称ポプコン)」で、こちらはシンガーソングライターやポップス寄りなバンドが多く見られました。このコンテストの決勝となる本選会が「つま恋」にあるエキジビションホールで行われていて、当時はプロへの登竜門として一番メジャーだったコンテストです。


高校生一年生の頃、半年間だけ静岡県磐田市に住んでいたことがあって、浜松駅前のYAMAHAショップに足繁く通っていた私に、女性店員がポプコンに応募することを勧めてくれました。早速同級生と先輩を誘って3人で出場したのですが、なんと最初の予選会で40組ほどいた出場者の中から予選通過の20組に選ばれたのです。

まぁこれが最初の勘違いでした(笑)
大人の上手なバンドもたくさんいるのに自分たちが選ばれて、「もしかしたらオレ才能あんじゃね?」と間違った解釈をしたんですね〜。

そして次の選考会では落選するのですが、そこから勝ち進んだ組が出演する「第8回ポプコン東海地区大会」を見に行きました。記憶に間違いがなければ浜松市民会館で行われて、ゲストはNSPだったと思います。
特に平本仁さんの「雨上がり」という曲がとっても気に入って、メロディーとコード感がめっちゃオシャレで打ちのめされました。
この音源はどこを探しても見つからないのですが、めちゃくちゃ印象に残った曲なので、なんとかして手に入れたいと今も思っています。

※2024年9/28追記
YouTubeで平本仁さんの「雨上がり」発見!!



アマチュア時代のピンク・レディーも、第8回東海地区大会決勝に「クッキー」というグループ名で出場しているので、この時に生で観ていたはずですが記憶にないんですよ。あ〜〜残念!。
でもこれを観に行ったおかげで、よ〜し次はこのステージに立ってやるぜ!と発奮し、それが音楽への道へのきっかけになったことは間違いないです。

その後1980年に初めて「つま恋本選会」を観に行ったのですが、グランプリが「街が泣いてた/伊丹哲也とSide by Side」、優秀曲賞が「愛はかげろう/雅夢」で、この日のゲストは前回のグランプリであるクリスタルキングでした。当然「大都会」も最前列で聴きましたよ。
そしてまたここに立ちたいと心に火がつきました。

そして5年後の1985年5月12日に開催された第29回ポピュラーソングコンテストつま恋本選会に初出場となるわけです。
作曲及びプロデュースという立場でしたが、念願が叶いました。
声優の友人二人とバンド仲間を組ませて、「雨に神様」というグループを作り、私が曲を書いて高校の同級生に歌詞を書いてもらいました。

その時のパンフレットです。
ちなみに名前はペンネームを使用しています。



当時本選会の模様はテレビでもO.Aされたのですが、その動画がこちら。



その後は縁もあってヤマハ音楽振興会のスタッフになり、制作ディレクターや31回と32回のポプコンの制作にも関わりました。
ポプコンは32回で終わってしまったので、当時も感慨深いものがありましたが、時を経てついに「つま恋」が失くなってしまうというのは、自分の中の音楽の歴史が消えてしまうようでとても寂しいですね。
ポプコンがきっかけで曲を作って発表するということを覚え、本選会に出たいという一心で仲間とチームを作ったり、最後にはスタッフとして運営に関わるということができたのですから。






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