SMAP解散でジャニーズの崩壊が始まる
私にとってはフォーリーブスがジャニーズとの最初の出会いだったのですが、何十年もずっと新しいグループを育て、ヒットさせるということをこれだけ続けてきたというのは本当に素晴らしいことだと思っています。
デビュー前のタレントをジュニアとして経験を積ませ、デビューするときにはある程度ファンが付いている状態にするという手法、それから充実したファンクラブの組織づくりなど、日本の芸能界を先頭に立って牽引してきたと言っても過言ではないでしょう。
今回のSMAPの件で、相変わらずメディアはメンバーの誰が悪いとか解散の理由がどうしたとか、経済的損失が何億だとか、どーでもいいことを書き立ててますが、そんなことより今回のことがどれだけの影響があり、流れが大きく変わるかもしれないということを見ておいたほうがいいでしょう。
今年の1月に始まった解散騒動について書いたブログの記事に加筆しますが、やはり今までのマネジメントのやり方が時代に合わなくなってしまったことが最大の理由な気がしています。
ジャニーズ事務所はタレントの全ての情報を管理しています。
タレントのイメージや情報は、事務所の判断で常に発信しますから、それぞれのタレントに勝手に情報を発信されては困るのです。
ですから所属タレントは誰もブログをやっていません。
所属するタレントは、衣装を自分で考えたり決めたりすることもないし、脚本家に直接交渉して作品を書いてもらうこともない。
自分が歌う曲を作曲家や他のアーティストに直接交渉して発注することもありません。
全てが事務所の管理のもとで行われます。
1月に番組内で謝罪があった頃に「夜回り先生」として有名な水谷修さんが、SMAPの解散騒動について自身のブログで、ジャニーズ事務所に対して「奴隷にするつもりか!」と怒りをあらわにした記事を書かれていました。
全てを管理されるということは、見方を変えると奴隷みたいな立場であるということなんです。
自分の意思で決められることなんてほとんどないですし、日本のアイドルというのはそういう環境です。
あれから半年が経ち、一旦は収まったように見えましたが、燻り続けた気持ちがここへきて爆発しましたね。
なんとかねじ伏せて押さえつけようとしたのですが、やはりそれは無理なことでした。
メンバー内のいざこざはあったと思いますが、40過ぎた大人たちがいろんなことを自分の意思で決められない環境に嫌気がさしたのだと思っています。もしかしたらメンバーのうち何名かは現在の契約期間が満了したら独立するかもしれないし、どちらにしても今回の件で後輩たちもいろいろと考えるきっかけになるでしょう。
アイドルはスタート段階では大人が環境を作るしかないと思うのですが、本人たちが大人になったときには今までと同じ管理の方法では無理が生じるのは想像がつきますよね。
同じ事務所で同じスタッフが管理していても、時間の流れとともにタレントも成長するし変わっていきます。
やはり新しいやり方やシステムが作り上げられる前に、古いものが終わっていくということなんです。
いくら今まで業界の中心にいたといっても、それがずっと続くわけではありません。
レコード会社にいた頃に、当時の社長が「会社にも寿命があるんだよ」と言っていたことがとても印象に残っています。
その社長はジャニーさんともお付き合いがあったので、ジャニーズの新人ピックアップの方法は、ジャニーさんが直接面談して決めているということを教えてもらいました。
初めて会ったときの印象、特に目力(めぢから)で決まるそうで、特に木村拓哉さんは目力が強かったそうです。
個人的にはジャニーさんのこの新人を見抜く目、その才能がジャニーズをここまで大成させたのだと思ってます。
しかしジャニーさんも80代半ばですから、これからもずっと新人を見つ続けるのは難しくなるし、思い切って世代交代をといっても、新人を見つける感性は引き継ぐことができません。
やはりジャニーさんあってのジャニーズなんです。
変化の波はどの業界や業種にもやってきています。
今までのやり方が通用しなくなりました。
テレビをはじめ多くのメディアは力を失い、写真や本、音楽がデジタル化したためにレコード店や書店が激減しました。
何が大事で何がどうでもいいことなのかを判断し、行動しなければこの波に飲み込まれてしまいます。
全てにおいて自分自身が責任者であるという考え方ができるようになれば、アイドルも面白くなりますね。
確実に時代はそちらのほうを向いていますから、セルフプロデュースできるアイドルがたくさん出てきてほしいです。
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