木を見て森を見ず


Amazonは8月3日から「Kindle Unlimited」サービスを開始したようですね。これは月額980円で和書12万冊以上、洋書120万冊以上のKindle電子書籍が読み放題になるというサービスらしいです。
これは電子書籍に押されてきた書店にとっては今まで以上に脅威になるでしょうし、作家も印税が減少することは必至でしょう。

音楽でも同じことが起こっていますね。
CDを購入するのはよっぽどのファンか音楽マニアになってきています。
作詞家や作曲家に支払われる印税も激減していますから、「作詞家」とか「作曲家」という職業は今後とても厳しくなるのは間違いないです。

家電や日用品など「物」を大量生産して大量消費の時代も終わりました。
空き家がたくさんあるのに山を切り開いて新築の家を作り続けるという矛盾を抱えた住宅業界も、まだ昔の考え方ややり方から抜けられませんね。


ただこれは世の中の全体から言えば「木を見て森を見ず」の「木」の部分なので、大変化の流れの一つでしかありません。
音楽も書籍も月額制で比較的安価でいつでも手に入れることができます。
昔のように「本」とか「CD」とか物を所有するということがなくなってきました。
「家」や「クルマ」というものも、賃貸やリースでいいという人も増えてきましたしね。

人間は生まれてくるときには裸で、何も持っていません。
そして死ぬときも何も持っていけません。
「物」は三次元的なもので、特に持つ必要がないからです。
ところが今だにCMではあれもこれも買いましょうと煽りますが、もうそれは全く時代に合っていないのです。
大きな流れの「森」でいうと、物を持たないという方向に流れているのです。

働いて働いてお金を手に入れ、物を買い、税金を支払うということをずっと繰り返してきましたが、俯瞰で見るとそれはハムスターがホイールの中を走り続ける姿に似ています。
しかしここ数年の間にその生活のスタイルに疑問を感じ始めました。
みんな目覚め始めたのです。
物を持たなくてもお金がなくても暮らしていけるということに気づいたからです。
収入がなければ税金を払う必要もないし、一人一人がやりたいことや得意なことで他の人に貢献する、自給自足に近い形で食べていくということができるのではないかということがわかってきたからです。

「何をするのもお金がかかる」という暮らしでしたが、それぞれの「個」が全体に貢献して、物も物々交換のようになればお金はいらないですね。
それが想像の世界のことではなくて、現実になってきているのです。

過去記事に書いたこともありますが、音楽でいうと「著作権」という考え方がなくなると思っています。
ではどうやって稼ぐのか?と考えてしまうとしたら、今までの世界から抜けられていないということかもしれません。
個人が所有するという概念がなくなるのです。
誰が作った曲だとしても、みんなの共有財産です。

土地だってそうですよね。
地球という星の上に線を引いて、「ここからここが俺の物だ」と主張してるなんてアホらしくないですか?
もともと地球のものですからね(笑)


価値観が変わるというのは面白いですね。
今までの常識が常識でなくなるなんてエキサイティングじゃないですか。
いつまでもしがみついていたら辛くなるばかりです。
今までがこうだったからという考え方が通用しなくなったのですから、本質はどうなのかということだけ考えればいいのだと思います。

もともと「物」は全員にいきわたるように地球上に「ある」ものなのですから、「ない」と思わされて手に入れたくなるように煽られてもその手に乗らないようにしましょう。

稼ぐことが正しい、そして稼いで富を手に入れた奴が幸せになるなんていう、どうでもいい価値観がまかり通ってきたことに終止符を打つのが今です。
全体を見ましょう。
全体を見ていれば流れがわかります。
そしてその流れに対応していくことができますから。


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