リズムやピッチが正確なのが素晴らしい音楽だと勘違いしていませんか?
現代の録音方法は一昔前と比べたら劇的に便利で簡単になっています。
私はアナログのマルチテープを回していた頃からスタジオの録音作業をやってきているので、その頃から現代までの変遷は現場で経験してきました。
その経験から言うと、現代は何でもかんでも修正ができるので、修正した結果個性のない味わいのない音楽に仕上がってしまうことがよくあります。
生のドラムを修正して人間的なグルーヴを無くしてしまうといった意味不明な現場もみてきたのですが、なぜそうやって味わいを無くしてしまうのか、私には理解ができませんでした。
歌も同じです。
人間が歌っているのにボカロみたいな音楽が世の中にたくさん存在します。
昔はよかったということが言いたいのではなくて、レコーディングによって歌も鍛えられたし、うまく歌えないから努力してレベルをあげたいというのは、必要なことだったと思っています。
1〜2テイク歌って編集してリズムやピッチも修正すれば、一応聴ける歌にはなるかもしれませんが、それはカップラーメンのようなインスタント食品となんら変わりはありません。
編集や加工をする面白さや良さもありますが、もしストレートに歌を聴かせるなら出来る限り手を加えないほうがいいでしょう。
サンボマスターはレコーディングで一発録りにこだわってることで知られていますが、FM横浜の番組でゲスト出演しているときに、メンバーの一人がレコーディング前日は胃が痛くなると言っていました(笑)
一発録りであるべきだと思っているわけではありませんが、後で修正できないことの緊張感はプレイヤーを成長させますね。
多少のピッチのズレやリズムの揺れが人間らしさを演出してくれます。
それが「味」となるからです。
レコーディングしているときには確かにそのわずかなズレも気になるものだし理解はできますが、あまり細かいところばかり気にすると、客観的に聴けなくなるので注意したいです。
プレイバックしたときに、気になるとこばかり耳がいくようになるからです。
何年も前にレコーディングした音源が下手くそすぎて聴きたくないというのもよく聞く話ですが、その時にベストを尽くしたどうかが大事で、その成長していく様を記録として残してるのだと捉えればいいでしょう。
若い頃の未熟だけれども初々しい歌は、年を重ねて技術や深みが増したときには表現できないものですから。
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