おじさん!ビックリドンキーにいきたい!

カップラーメンを置いといてと母にお願いしておいたはずなのにカップラーメンがなかった。
母はコンビニでパートタイマーとして働いてるのだが
ここのところ帰りが遅く家事もあまりしなくなっていた。
いつもあれこれ考えた手料理を食べさせてくれていたのだがスーパーに売られてる惣菜やインスタントの食品が多くなっていた。

毎月3000円のお小遣いを使ってカップラーメンを食べるのだがいくら好きなカップラーメンでもこう毎日カップラーメンだと飽き飽きしてくる。

押し入れからオジサンボールを取り出して投げる

ボンッ ギャッ!

いつもより痛がってる
コントロールミスで柱の角に投げつけてしまったのだ。

オジサン「っつ〜」
顔を歪ませ痛がるオジサン
オジサンは頭から血を流してる

サトシ「だ、大丈夫!?」
階段を駆け下り救急箱から絆創膏やら傷消毒液をもってきたサトシ
サトシ「オジサン ごめんなさい!」

オジサン「大丈夫や 心配せんでええで」
まだ痛そうにしてるオジサン 痩せ我慢していることは子供でもわかる

不安そうにオジサンをみつめるサトシ

オジサン「お腹空いてるんやな ちょっとまってや 今日はオジサンがおいしいもん 作ったるからな〜」

サトシはギョッとした。ビックリドンキーにいきたかったのになんでアルコール中毒のオッサンの手作り料理食べないといけないのだ!

いっきにテンションが下がったサトシ。

幸いオジサンの怪我はたいしたことはなくオデコに絆創膏を貼っただけで血は止まった。
オジサンはサトシに何の許可もとらずに冷蔵庫の中を確認しだした。
オジサン「か〜〜何もないな〜」
自分のテリトリーを荒らされてるサトシはそう感じた。

オジサンは手も洗わずに卵とお米を取り出し かき混ぜはじめた
醤油や砂糖 目についた調味料を適当に入れて電子レンジに突っ込み温めはじめた

オジサン「もうちょっとまってや〜 オジサンは昔はガストで正社員で働いてたんや そのときは調理場で料理してたんやで
ていっても料理をビニール袋から取り出して茹でたりして温めるだけなんやけどな 
一生懸命働いてたからその姿をみたバイトの女子高生にもてて三人くらい食えたし」

女子高生食べるの意味してるものがはっきりとはわからないけど何やらスケベな話で大人の世界では女子高生を食べるという行為がすごく価値のあることなんだとサトシは思ったが
下品さや卑しさみたいなものを感じとった。

チーン 電子レンジが温め完了の音を鳴らした。

料理ができたようだ
オジサンが熱々の皿を熱がりながらサトシにみせてきた
何やら誇らしげな顔をしてサトシの反応を伺ってる

オジサン「どうや?おいしそうやろ?」
満面の微笑みである

冷蔵庫にあった卵とお米とチーズ、残り物に調味料まぜて電子レンジで温めた料理でにおいもチーズと醤油の臭いしかしなかった。

あんまり美味しそうではない。

意を決してサトシは口を開いた「ビックリドンキー食べたい」

オジサンの顔から笑顔が消え、一瞬で辛気臭い顔に戻ってしまった。

実はオジサンは生活保護で生活をしていて支給日の5日には贅沢をするが
使い過ぎてしまい月末になるとほとんどお金をもっていないのだ。
けどオジサンは気前のいい性格で人に奢るのが好きだから
サトシにビックリドンキー食べさせてあげたい、しかし金がないのだ。

オジサン「サトシくん 美味しいから食べてみて」

サトシはビックリドンキーを諦めた。
とりあえず一口食べてみた お米が硬い 残り物のモヤシの食感が邪魔して
卵とチーズの風味を邪魔してる

サトシは情けなくなってきた。

オジサンも察したのか申し訳なさそうにしてる
しかしサトシももう小学校五年生 気を使って食べるのだ。
おじさんは許可もなく冷蔵庫の中から料理酒をとりだして飲み始めてる

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