【これを読んでほしい】Mr. Jennings Takes It Easy
先週、『Mr. Jennings Takes It Easy』を褒めるだけの文章を書きました。詳細は以下を確認してください。
その中でこの本が持つ魅力の一部を紹介しましたが、この本は580ページと膨大な量で書かれています。その中から珠玉の作品や考えを見つけることは容易ではありません。そこで以下に私がお勧めするコンテンツを技法から5選、作品から5選しますので、読む時の参考にしていただければと思います。
技法編
The Hit Minus One Double Turnover
目から鱗でした。こういったものが見つかるという意味で本書の価値は大きいと思います。他にも目から鱗が落ちるような技法はあるのですが、まずは本項目をお勧めさせていただきます。The Hamman Count
これは読んでほしいなと思いますね。本は他者の数年の研鑽を得ることができる奇跡のようなメディアだと思います。このHamman Countはその好事例です。知っている人にこそ読んでいただきたい項目です。Optical Add-On
「ああ、そうなんだ!」と思わず声が出た項目ですね。知った気になっていたものに対して発見を得ました。人によっては自分で解決していたのかもしれませんが、しっかりと記載されていることもありますので、ここで言及させていただきました。The Optical Toss
これはすでに発表された技法によく似ていますが、使いかたというか、思想に少し違いが出ているように感じています。類似技法に慣れ親しんだ人にとっても新しい発見ではないかなと思い、4番目に載せています。Verdnase Break
これは有名だと思いますが、この本でこれを取り上げないことができないです。本を通じてこれを使い続けるので、段々と自然に自分の選択肢に含まれてしまいます。また、これが良いんですよ。この本を通じて最も自然に得た教訓というか、最も自分の中での認識が変わった項目でした。
以上が技法編となります。あえて内容を多くは語りませんでしたが、お持ちの方はぜひ読み返してみてください。なんとなく言っている意味が分かると思います。お持ちでない方は、上記の内容に興味があれば強くお勧めします。
作品編
Twisting The Aces
第4章に掲載されています。有名なDai Vernon氏のTwisting the Acesに対するLarry Jennings氏のバージョンです。本書にはこの他にも同じプロットに対する取り組みも掲載されていますが、このバージョンは原作にも似た雰囲気を持っていて古典的でありながらもJennings氏らしさも感じられる作品となっています。O. Henry Gets Jazzed
第4章に掲載されています。Jazz AcesとO. Henry Acesの要素を組み合わせています。この2つがここまで綺麗に組み合わさるとは思いませんでした。リズムカウントなどの彼らしさを感じる場面も多く、認知されるべき作品だと思っています。Faceless Mystery Card
第5章に掲載されています。ミステリーカードのプロットに対する彼の取り組みの一つです。現象がとてもシンプルで分かりやすいものでありながらも、多くの工夫が詰まっています。個人的には少しノスタルジックにもなるアプローチです。Larry Jenningsさんの本を読んでいるなと最も感じた作品です。Lucky "32"
第6章に掲載されています。今回の中では最も取り組みやすいものと言えます。さらに、構成が面白いのでカバーが効いていて、多くのバリエーションを生み出しやすそうな内容となっています。あまり使わない表現ですが、コスパの良いものとなっています。Multi-Faced Mystery
第7章に掲載されています。サンドイッチ現象としては珍しく、初めから1枚のジョーカーがKの間に挟まれています。このジョーカーがマジカルジェスチャで裏向きになり、後に選んだ2枚のカードに変化します。ハンドリングも面白いのですが、現象自体がVisitorを生み出した彼らしいことから一度試してみることをお勧めします。
以上が作品編となります。印象深い作品は人によっても大きく異なると思います。上記は私が特に興味深いなと感じた作品たちです。日本語版では上下巻に分かれる大作ですので、一つの参考意見としてご活用いただければ幸いです。