マジックの本を称賛するだけの文章(SH-H-H--! It's A Secret)
注意:この文章ではただ私が私の感じるままに、マジックの良書を褒めるだけの文章です。
タイトル: 『SH-H-H--! It's A Secret』
著者: Theodore Annemann
出版年: 1934年
ジャンル: カード他
『SH-H-H--! It's A Secret』はTheodore Annemann氏が1934年に発表した書籍で、カードを中心としたトリックが掲載されています。
Theodore Annemann氏は米国のマジシャン、メンタリストであり、奇術の専門誌『The JINX』の編集者でもあります。34歳という若さで亡くなるまでに彼は多くの作品を残しており、現代でも彼の痕跡を至る所で見つけることができます。
本書はカードに関するトリックが多いのですが、他にも本やシルクなど、種々の道具に関するマジックが掲載されています。この時期の書籍の大きな特徴として記載が非常に簡潔であるということが挙げられます。ほとんどの作品が1ページから2ページの中で完結してしまうため、まさにトリックについて記したものであるという印象を受けます。しかし、この本の中に隠された輝かしい宝石は見逃せるものではありません。先ほど述べたように、彼の影響は現代でも至る所に見ることができます。私が見つけただけでもタマリッツ氏の作品やオスタリンド氏、デビッド・ベン氏の作品の作品に彼の影響を見ることができます。直接的な言及としてはカードカレッジにも彼の技法が紹介されており、現代の真剣なアマチュアならば目にしているはずの人物となっています。
本書は 日本であまり議論されているところに出会っていませんが、読めば必ず魅了されるような内容に溢れています。その中でも今回は有名な「203番目のフォース」「The Guessing Contest」についてコメントしたいと思います。
「203番目のフォース」はすでに有名なものだと思いますが、この数字を聞いてピンとこないマジシャンの方はすぐに本書、または『Encyclopedia of Card Tricks』などの書籍で確認してください。後年、様々なマジシャンによってアプローチされたものですが、オリジナルにはやはり学ぶところが残っています。こういったバリエーションの多いものについて、オリジナルの手法を学ぶことは非常に有意義だと思っています。バリエーションは、そのマジシャンにとってソリが合わないために生まれるものですが、その中で当初の意図を変えていることが多くあります。むしろ、バリエーションがしばしば改善と呼ばれるのは、オリジナルの持つ意図やTPOと自身の行うマジックの意図やTPOが合わないために、そのズレを減らしたことに由来していると考えています。つまり、オリジナルが持つ意図を確認することで当初の意図やTPOについての理解はその手法や作品が持つ理解が深まることにつながるわけです。今回の203番目のフォースについても同様のことが言えると思っています。ちなみに、これも有名な話ですが、このタイトルは本書を書いたAnnemann氏が『202 Methods Of Forcing』という書籍を出しており、Henry Christ氏がその中にないものをAnnemann氏に提示したことが名前の由来となっています。
また、「The Guessing Contest」はあまり類を見ない作品です。観客にできないことを演者が行うというプレゼンテーションになっています。現象について、ここで詳細を触れることはしませんが、おそらく手法的にもプレゼンテーション的にも現代ではあまり見かけないものでしょう。非常に挑戦的なものになっています。一方で、こういったマジックこそ、新たな発見があるものであるようにも思います。少なくともドラマ性が含まれており、わかりやすく、そして巧妙です。単に名作を当たり続けるだけでなく、こういった隠された書籍を見つけることもマジックの楽しみの一つです。
まとめると、『SH-H-H--! It's A Secret』は後世に大きな影響を与えたTheodore Annemann氏の本の中でも隠された発見の多い本であり、当時の書籍の特徴なども楽しむことができる貴重な一冊となっています。
以上が『SH-H-H--! It's A Secret』について勝手に本を称賛した文章でした。この文章は決して書評ではありません。ただ褒めるだけの文章です。力不足ながらも、この本が持つ魅力の一片を伝えられれば幸いです。