マジックの本を称賛するだけの文章(Repertoire II)
注意:この文章ではただ私が私の感じるままに、マジックの良書を褒めるだけの文章です。
タイトル: 『Repertoire II』
著者: Asi Wind, John Lovick
出版年: 2024年
ジャンル: カード、その他
『Repertoire II』は、アメリカのマジシャンAsi Wind氏が2024年に発表した作品集です。名前のとおり『Repertoire』の続編となっています。1冊目の『Repertoire』について以下の中で紹介しています。
本書はカードマジックとメンタルマジックが収録されています。掲載されているマジックはすベて彼らしくチューニングされたものになっています特徴的な現象としてはビジュアルな現象が比較的少ないことでカードマジックであってもメンタルの要素が多く盛り込まれています。彼の作品集はこれまでにも『repertoire』や『Magic Between Friends』を読んできましたが、どの作品も彼の特徴が大きく出ており本作品集も画集を読むような気持ちにさせてくれます。
彼の特徴を言語化するのはとても難しいものですが、まずはImpossible Locationなどの物理的な現象に対する希求が挙げられます。彼のマジックが画集のように感じるのは、彼のマジックがメンタル的な不可能性と物理的な不可能性を掛け合わせたインパクトを与えてくれるからだと思います。そのためには莫大なコストが必要ですが、そこに2つ目の特徴である徹底した理想の実現が挙げられます。彼はあらゆる手段を使って理想を実現します。場所や状況が限定的となることを厭わない姿勢を強く感じます。
本書は上記の特徴を感じる作品が多く掲載されていますが、その中でも、この文章では特に「Card to Box」「3d telepathy」についてコメントしたいと思います。
「Card to Box」はImpossible Locationに対する熱量を強く感じます。このテーマはクラシックなものですが、それゆえにこだわりポイントがよく見えるものになっています。本書の中でも最もページ数が割かれていることから、本項目は本書を紹介するうえで外せない項目であるとも感じています。
内容も自分の求める形を追求しており、多くのかたに共感されると思います。さらに多くのアプリケーションを提供していることから同じテーマを求める人にとっては有用な内容になっています。
「3d telepathy」はメンタルマジックでビレットを使います。この本の中でもバランスの長けた作品ではないかと思っています。彼らしさもありますが、作品の余白も感じることができるため、メンタルマジックに慣れ親しんだ人にお勧めしたい作品です。特に私の感覚では憧れの技法をうまく昇華しているようにも感じてます。あることを知れる作品となっています。
上記の作品は彼のマジックを堪能するうえでおすすめできる作品ですが、マジシャンがアクセスしやすい作品も掲載されています。特に「noah」や「gang of four」はその代表例であり、他のバリエーションと比較することもできるのでぜひ飛ばさずに読んでほしいなと思います。
まとめると、『Repertoire II』は、アメリカのマジシャンAsi Wind氏の作品集であり、『Repertoire』から氏が取り組んだ変化や発展を見ることができる貴重な1冊です。マジシャンの特徴を感じる作品集を求めるかたにおすすめの1冊となっています。
以上が『Repertoire II』について勝手に本を称賛した文章でした。この文章は決して書評ではありません。ただ褒めるだけの文章です。力不足ながらも、この本が持つ魅力の一片を伝えられれば幸いです。