こども目線で作った「うんこドリル」の累計発行部数
5分で読める、最新の経営ヒントを毎朝お届け。日経新聞の記事の中から、マーケッター視点で「今、知っておくべきデータ」をピックアップ。ビジネスマンの「やりたい」の成功確率をアップしてもらいたい!そのために、必要な視点やマーケティング戦略立案のノウハウを紹介しています。
記事の要約
大阪府東大阪市の企業が大学生の未熟な意見を取り入れる経営を展開し、新たな視点から価値を見つける試みが行われています。企業や業界の慣習に囚われず、新鮮な目で商品やサービスを見つめることで新たな価値や課題に気づくことが可能です。
この視点から見ると、人気を博した学習教材「うんこドリル」も新鮮な視点から生まれた商品といえます。これは子供の興味や親の要望をうまく組み合わせ、子供が楽しみながら学ぶという新たな価値を創造しました。
同様の考え方を取り入れたのが、静岡市のエデュケーション・デザイン社のプログラミング教室「デジタネ」です。子供たちが楽しみながら学べる環境作りに成功し、世界中で人気のあるゲーム「マインクラフト」を活用した教育法で、子供たちから大きな支持を得ています。
ディズニー・ジャパンからも注目され、ディズニープログラミングコースを開講。これにより女子生徒の利用が一気に増えたと言います。
これらの事例は、子供の視点で価値を見つめ直し、その立場に立つことで新たなビジネスチャンスをつかむヒントを示しています。社会人になると忘れがちな新鮮な視点を持つことは、ビジネスの成功に欠かせない要素であり、新たな価値を創造するカギとなります。
視点を子供に - 大ヒットの秘訣
現代のビジネスにおいて、顧客視点が重要となるのは常識です。しかし、その視点が「子供」である場合、それは一体どういうことを意味するのでしょうか?具体的な事例を通じて、子供たちの視点から得られる洞察を探ってみましょう。
昨今、大ヒットした学習教材「うんこドリル」は、その好例でしょう。この教材は、一見するとあまりにも斬新すぎて、敬遠してしまうかもしれません。でも、じっくり考えてみれば、子供の好奇心を直撃するアイデアが盛り込まれています。どの子供もうんこには興味を持つもの。
僕も、小学生の頃「トイレット博士」という漫画が大好きで、うんこの絵を、何度書いたかわからないほど。ノートの端に書きまくった記憶があります。それほど、うんこが大好きだったんですよね!
で、このうんこを教材に取り込むことで、勉強嫌いな子供も笑いながら取り組むことができます。その結果、1000万部という驚異的なヒットを記録したのです。
私たちが考える「常識」や「タブー」は、時にイノベーションを阻害する壁となります。しかしこの「うんこドリル」の例を見ると、それを乗り越えることが可能であることを示しています。
ゲーム×学習 - 未来の教育へ
ここで、さらに子供たちの興味を引きつける別の要素、「ゲーム」を取り上げてみましょう。エンタメと教育を融合させた事例として、「デジタネ」の活動が挙げられます。
「デジタネ」は、プログラミング学習を提供する教室ですが、ただ単にプログラミングを教えるだけではなく、子供たちが自然と学びたがる環境を創り上げています。その一つの手法として、大人気ゲーム「マインクラフト」を用いた指導方法を採用。これにより、学ぶこと自体が遊びの一部となり、学習意欲を自然に引き出すことができるのです。
「デジタネ」が示しているのは、教育の未来像かもしれません。従来の一方的な授業方法から、エンタメ要素を取り入れた対話型の学びへとシフトしていく。子供たちが主体的に学び、自己成長につなげる。そのためには、子供たちの興味を掴むことが何よりも重要なのです。
価値の拡大 - コラボレーションの力
最後に、自社の価値を最大限に活用し、それを拡大する手法について考えてみましょう。「デジタネ」が「ウォルト・ディズニー・ジャパン」とコラボレーションを行った事例が示しているのは、価値創造とコラボレーションの重要性です。
ディズニーがコラボ先に選んだのは、新進気鋭の「デジタネ」でした。これは、「デジタネ」が自社の価値を十分に理解し、独自の教育手法を確立していたからこそ実現したことです。その結果、ディズニーとのコラボにより、「デジタネ」の教育サービスはさらに魅力的なものとなり、利用者数を増やす一助となったのです。
ここから学べるのは、自社の価値を確立し、それを他者とのコラボレーションに活かすことで、より大きな価値を生み出せるということです。これは、多様な産業や分野において通用する普遍的な考え方であり、新たなビジネスの創造につながる可能性を秘めています。
今日の問い
自社の製品やサービスを提供する際に、顧客視点はどの程度考慮されていますか?特に、子供たちがお客様である場合、その視点からの洞察はしっかりと反映されていますか?
エンタメ要素は、自社の製品やサービスにどのように取り入れられていますか?子供たちが自然に興味を持ち、喜んで学び・成長できるような工夫を取り入れることは可能ですか?
自社が持つコア価値は何ですか?そして、その価値を最大限に活かし、さらに価値を増幅させるために、どのようなパートナーシップやコラボレーションが考えられますか?