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世界自然遺産〜屋久島〜

 日本の世界自然遺産紹介、第3弾は「屋久島」です!
「屋久杉」や、ジブリのもののけ姫の舞台として、知っている人も多いと思います。何がすごいのか、見どころはなんなのか。年度末には、実際に屋久島に行く計画も立てている私たち。皆さんに屋久島を知っていただくために、そして、自分たちのために(笑)も、通信を書いていきたいと思います。

屋久島の場所

屋久島は、鹿児島のさらに南部にあります。

屋久島観光協会HPより

 周囲はぐるっとまわると約132kmある島で、中央部には九州最高峰である宮之浦岳(1,936m)がそびえ立っています。島の90%が森林ですが、海岸部には約11,500人が生活しています。世界遺産として登録されているのは、島の21%ほどです。

屋久島世界遺産センターHPより

「屋久島」が世界遺産に登録された理由

 屋久島は、前回紹介した白神山地とともに、1993年に世界自然遺産に登録されました。

 屋久島が登録されたときに満たした基準は、viiの自然美とixの生態系です。自然美に関しては、巨大なヤクスギ天然林の景観に由来し、生態系に関しては、植生の垂直分布が顕著な島嶼生態系であることに由来しています。


 巨大な屋久杉の天然林は何がすごいのでしょう。一般的な杉の寿命は、最大でも800年程度だそうです。しかし、屋久島では「一か月に35日雨が降る」というほどの降水量があり、土壌の栄養分が蓄積しにくい環境があります。土壌の栄養分が乏しい環境でゆっくりと成長するため、樹齢1000年を超える天然杉が存在します。高湿度な環境下で、杉とともにコケや着生植物らが、世界に類をみない特異な森林景観を作っているということで、「自然美」の基準を満たしたのです。

生態系に関しては、何がすごいのでしょう。屋久島は日本でもかなり南部に位置していますが、標高2000mの山岳がそびえているので、標高の高いところではその場所の気温・環境に適した動植物が生きています。 

 沿岸沿いの標高が低い場所では亜熱帯の植物、島の中心部に向けて少しずつ標高が上がるにつれて、照葉樹林、杉からなる樹林、そして山頂部には冷温帯の植物や亜高山隊の低木林なども見られます。一つの島で、連続する植生の垂直分布をみることができるのです。 さらに、屋久島の固有種も数多く存在するほか、屋久島を南限・北限とする植物も根付いています。まさに「命の森」なのです。

 世界遺産たる理由は上で述べたことですが、個人的に屋久島すごい!!と思っていることを紹介します。まさに、現地で体感したい、見たいと感じていることです。それは屋久島の「人」と「自然」の関係性です。

 屋久島は、人の生活と分断されているがために保存されてきた自然というわけではありません。貴重な種が保存されている豊かな森でありながら、同じ島のなかで、人々も生活を営み続けてきました。

 森や海の恵みを受け、その自然を敬い、損なうことなく共生してきた生活文化があることが、本当にすごいなと思うのです。古来から受け継がれてきた自然への思いや考え方を知りたいと思います。また、遺産登録後も、観光客や登山者の増加による自然環境への影響、ヤクシカによる食害等の課題が存在する中、自然環境の保護と地域振興の両立を目指して課題への取り組みが進められているとのことで、その苦労や取り組みも知りたいです。

 屋久島には小学校から高校までがあります。きっと、屋久島で行われている教育には、他の場所でも参考になるような何かがあるではないかと思っています。早く行きたいな・・・

屋久島で出会える生き物たち

屋久島でしか出会えない動物について、紹介します。実際に屋久島に行ったときに、実物や痕跡に出会えるといいな・・・と祈っています。

ヤクシカ

日本では、様々なところでシカを見ることができますが、屋久島のシカはとても小柄です。日本各地のシカを比べると、ベルクマンの法則を実感することができます。私たちは北海道に住んでいるので、大きなエゾシカは身近です。かわいいヤクシカに出会えるといいな。

アカヒゲ

 屋久島のほかに奄美大島や種子島などに生息している天然記念物の鳥です。冬は沖縄や宮古島方面に移動する、日本国内での渡り鳥でもあります。森林の開発やニホンイタチなどの捕食により生息数が減少し、絶滅危惧種に指定されています。アカヒゲなのに、黒ひげなんですね。

カラスバト

カラスなの?鳩なの?という感じですが、鳩の仲間です。黒々とした体から、「カラス」という名がついたとか。国の天然記念物に指定されいる鳥です。

シマメジロ

メジロは北海道にもいますが、このシマメジロは屋久島や種子島にしかいないです。とても可愛らしく、声もきれいなので密猟が問題となっています。どうか捕獲したりせずに、そっと見守ってほしいです。

アカウミガメ

生き物に出会えるのは森だけではありません。屋久島ではアカウミガメを見ることができます。5月~8月には産卵のために上陸するアカウミガメを見ることもできます。保護活動のかいあって、5000頭を超えるアカウミガメがここで産卵をするそうです。

ヤクヤモリ

屋久島固有種のヤモリで、海岸周辺の森林に生息。ミナミヤモリとの交雑が進んでいて、絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。

ヤクシマタゴガエル

屋久島固有亜種です。タ森林に住み、標高1800mにまで分布しています。登山道中でも出会うことができるとのこと。実はカエルが大好きなので、ぜひぜひ出会いたいです。

屋久島には屋久島のルールがあるはずです。まずはそれをしっかりと学び、私たちにとっても、自然にとっても安全に散策できたらいいなと思います。2025年3月末を楽しみに、さらに屋久島への知識を増やしていきます。屋久島に行った際には、現地にいったからこそのレポートを発信したいです。

今回も読んでいただきありがとうございました。
次回は、日本の世界自然遺産4つめ、「小笠原諸島」を紹介します。こちらも行ってみたい上位の島・・・お楽しみに!!


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