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国内のどんな生物が絶滅危惧種なの? 鳥類編③
前回までで、国内の絶滅危惧種の中でも特に絶滅危機が高い「絶滅危惧種IA類の鳥類」を10種類を紹介させていただきました。
読んでくださった方ありがとうございます。
今回は、その続きになります。ご一読いただけたら嬉しいです。
絶滅危惧種 段階
絶滅危惧種は、野生生物により、どのくらい絶滅の危機に陥っているのか異なります。
その中で、最も絶滅の危険性が高いのが、絶滅危惧種IA類に分類されている野生生物です。
絶滅危惧種IA類に選定されているのは、哺乳類12種類・鳥類24種・爬虫類5種・両生類5種の合計46種です。
今回からは、絶滅危惧種IA類の鳥類24種類のうち5種類を紹介をできればと思います。
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11. ヘラシギ
ヘラシギは、非常に可愛らしく、全長約15cmの小さい水鳥です。
ヘラ状の嘴(くちばし)を持つのが特徴的です。
世界的に最も絶滅の危機に瀕している水鳥とも言われており、日本の湿地は、飛来の中継地として重要性が高いと考えられています。
「シベリアの東端」から「カムチャツカ半島北端」の狭い範囲で繁殖し、「愛知県の伊勢湾・三河湾」、「福岡県の博多湾」などの干潟(ひがた)で見られることが多いようです。
国内の絶滅危機の理由としては、干潟面積が減少していることが大きいようです。
干潟面積の減少の背景には、人間の生活する空間を広げるために、沿岸の浅場の埋立てを行ったからです。
人間が関連していることを知っておく必要はあると思います。
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12. カラフトアオアシシギ
全長 30cmほどで、アオアシシギに非常に似ている水鳥です。
アオアシシギより、嘴が太く、足はやや短く、黄色みが強いのが特徴的です。
サハリンおよび大陸オホーツク海西岸で繁殖し、渡ってくることもあり、日本で見られるのは非常に稀な個体です。
2002年に三重県五主海岸見られ、次に見られたのが2018年に三重県雲出川河口です。これが現在のところ最後となっています。
絶滅の危機の理由としては、繁殖地や渡りの中継地での環境悪化、カラス類などによる捕食などが指摘されています。
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13. エトピリカ
漫画の世界で出てくるような見た目をしていますよね。
ウミスズメの仲間で、アイヌ語でエトは「くちばし」、ピリカは「美しい」と意味みたいです。
鳥は繁殖期の頭部の派手な色彩や飾り羽から、俗に「おいらんちょう(花魁鳥)」と呼ばれていたこともあるみたいです。
北太平洋に広く分布し、ロシア・アラスカ・カナダ沿岸の離島で繁殖します。
日本では、北海道東部厚岸沖の大黒島(国の天然記念物)や北海道根室半島沖のユルリ島・モユルリ島(北海道の天然記念物)で見られます。
個体数が減少した主要な要因はまだ分かっていない。
ですが、根室の繁殖地の島では、侵入して増殖した「ドブネズミ」によって巣穴内の卵やひなが捕食されたとも言われています。
ユルリ・モユルリ島では、捕食者の「ドブネズミ」を排除するために殺鼠剤が空中から散布され、根絶に成功しました。
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14. ウミスズメ
体は丸く太っていて首は短かく、頭は黒っぽい色をしています。
冬鳥として見られますが、空高く舞いあがることはほとんど無く、水面に軽く浮くことが多いです。
2001年には、北海道の天売島の西海岸が繁殖地として天然記念物に指定されています。
ウミスズメは、アジア周辺ではオホーツク海、日本海、黄海で繁殖します。
絶滅危機の理由としては、意図的または非意図的に持ち込まれた哺乳類の捕食が深刻な影響を及ぼしたと言われています。
ウミスズメは外敵に対して脆弱であり、海外では、毛皮のために導入されたキツネやアライグマが捕食することで繁殖地が消失を及ぼしています。
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15. ウミガラス
鳴き声から「オロロン鳥」とも呼ばれている鳥です。カラスの仲間ではなく、ウミスズメ科に属する鳥です。
ペンギンに似た姿をしていますが、ペンギンと違い空を飛ぶことができます。
北半球にのみ生息し、日本では北海道の天売島で、十数羽がつがいを作り繁殖しているのみです。
絶滅の理由としては、サケ・マス流し網による混獲や餌資源の減少、ハシブトガラスやオオセグロカモメによる卵やヒナの捕食が原因だと考えられている。
ちなみに、ウミガラスが見れる水族館は、福島県の「 アクアマリンふくしま」、東京都の「葛西臨海水族園」、新潟県の「新潟市水族館マリンピア日本海」の3施設です。
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今回も5つの鳥を紹介させていただきました。
残すところ、あと9羽です。次回も読んでくれたら嬉しいです。
今週もありがとうございました。