サバの日、お元気ですか(Ça va bien?)
3月8日、Facebookのタイムラインに流れてきた〝お題〟–––––
ニンゲン側としては、AI先生に対抗して何か気の利いた一句をひねり出さざるを得まい…というワケで発句。
宇宙つ人
末路を見ずに(=水煮)
鯖イバル
H.G.ウェルズ『宇宙戦争』(The War of the Worlds) の火星人の立場から詠んでみた。
地球に住む我々ですらも、慣れ親しんだ環境から別の土地に変われば、水にも当たるし、食にも当たる。ましてや別の惑星から来たエイリアンにしてみれば、この地上が彼らにとってどんなに危険な雑菌にまみれているか、わかったものではないはずなのだ。
ところで、ウェルズの『宇宙戦争』の映画化は何度かなされているが、正直なところ、観るたび納得がいきかねる想いが残る。あの小説の舞台設定を、あまり現代に引き寄せ過ぎてしまうのもどうかと思うのだが。
やはりトライポッド(侵略火星人の操る機械)はこうじゃなきゃね…
その中で、確かトム・クルーズ主演の映画 (2005) では「大阪では(トライポッドを)何体か倒したらしい」という台詞があり、それがやけに耳に残る。地球の雑菌に弱い設定の宇宙人の事だから、道頓堀に誤ってダイブでもした結果だろうか。
BBCが時代背景を忠実に守って描いたTVドラマがあるそうだが、こちらの方はどうなのだろう。とても気になっている。
なお『宇宙戦争』そのものではないが、オーソン・ウェルズがラジオで流してパニックを起こした(今では〝都市伝説〟とされているが)顛末を描いたドラマがあり、あれは結構面白かった。情報を鵜呑みにしてはならないという、今日この時点にも通じる警告ではある。
…鯖(サバ)から話が大きく逸れてしまった。
最近値上がりしてしまった鯖缶だが、とても重宝する食材で、やはり我が家の食卓に彩りと栄養源を添えてくれる。醤油煮、味噌煮はもちろんの事、シンプルな水煮は応用が効いて使い勝手がよい。手軽な冷製パスタの素材としても最適。
鯖で思い出される映画もうひとつ。黒澤明監督の『どですかでん』(1970) の一エピソードで登場する浮浪者の親子。親の不注意で子供が痛んだ〆鯖を食べてしまい、体を壊したあげくに死んでしまう場面に心が痛む。
ともあれ、海産物が豊富だったひと時代前の日本の食卓が、とても懐かしい。ちょっとしんみりする。サバサバしてなくて御免。