Croque-mondamoiseau...?! (1)
クロック・ムッシュとクロック・マダム、そして「もしかしたら」と思って調べてみたら、案の定出てきたクロック・マドモワゼル。
既婚男女 (monsieur, madame)、未婚女性 (mademoiselle) とくれば〝未婚男性〟があってもおかしくなかろう–––––というワケで思いついたのが表題の一品(上写真はフツウのクロックムッシュだが)。
以下は、未知のメニュー Croque-mondamoiseau 探求の小さな旅記録である。
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事の発端は、Twitter (現X) で相互フォローいただいているタケモトさんからご紹介の以下の記事 –––––
–––––見果てぬドトールのクロックムッシュに読者の味覚が収斂していく感も切なく興味深いお話で、その感想をTwitter (X) でコメントした際に色々と想像が膨らんでいった。やはりパンに関するネタ(種)だけに、際限なく膨らむのはイースト菌の力ゆえだろうか。
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さて、クロック・ムッシュといえば「ハムとチーズを挟みベシャメルソースをかけたホットサンド」でパリのカフェでは定番。一方のクロック・マダムはこの〝ムッシュ〟に目玉焼きがトッピングされる(鶏肉を使うレシピもあったかと記憶している)。当然カロリーはこちらの方が高めだ。しかし在仏時にこの〝マダム〟を食した事は一度もない。カフェのメニューにはあったのだが、私が注文するとなぜか「ないよ」とギャルソンにそっけなく返されてしまうのが常だった。人間はおろか軽食においてさえ〝女性〟との縁の薄い我が身をただただ恨むばかりではある。
当然ながらさらに若い女性である〝マドモワゼル〟など見たことも聞いたこともなかった。とはいえ、もしや自分が知らないだけかも知れぬと思い検索、そして見つかった… 見つかったのだが、出てくるモノはどれも、どうもあやふやな情報ばかりで〝マドモワゼル〟のレシピの定義が今ひとつ判然としない。その中でもパリの老舗パン屋ポワラーヌ Poilâne の情報がより確実かと思うのだが…
とあり、昔からあるというよりは新しく開発されたヴァリアントとの由。定義が定まらないわけだ。上記によればハムの代わりに野菜を使うそうだが、
と但し書きもされていて立ち位置が一貫しない。
一体どうしたいのだ。この気分次第の気まぐれさは〝マドモワゼル=お嬢様〟ゆえのものか。
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〝マドモワゼル〟の気まぐれに暫し翻弄されたのち、ふと思ったのが「未婚女性があるなら未婚男性もあるはずでは?」と、いつもの詮索癖。
(ma-)demoiselle の対語は (mon-)damoiseau という事になるが…
果たしてクロック・モンダモワゾー Croque-mondamoiseau はこの世界に実在するのだろうか –––––
モンダモワゾー…
今ひとつ馴染みの薄い言葉の響きに不安を覚えつつ、この項続く。
※本記事のきっかけをくださったタケモトさんに改めて感謝申し上げます。