見出し画像

西予市野村シルク博物館に行ってきた!⑦

前回までのあらすじ:伊予生糸がイギリスのエリザベス女王の戴冠式に採用されただけではなく、日本の宮中、国会議事堂、重要文化財、伊勢神宮に納められているということを知った山下とねむたやスタッフP嬢。
そのありがたすぎる生糸の原料となる蚕の育成って、一体どんなふうにやってるのん???
我々は博物館横にある松山紀彦養蚕場へと向かった…

西予市野村シルク博物館に行ってきた! ⑥

松山さんはね、元々真珠の養殖指導をされていた方なんですよ

私&P嬢「そうなんですか!」

密田さん「それで、真珠の仕事から変わる時に、
同じく日本のもので、育てられるもので、価値のあるものということでこの養蚕に興味を持って来てくれたんです」

P嬢「なるほど!」

私「白くて光沢があるという意味では、真珠もシルクもおんなじようなものですもんね!」

思ってたより近代的な設備!
キレイに整頓された気持ちのいい空間です

密田さん「お世話になりま〜す」

松山さん「あ、どうもこんにちは!」

私&P嬢「こんにちは〜!」

そこは風通しのいい倉庫のような場所で、蚕を「令」ごとにわけて飼育していた。窓辺に置かれたスピーカーから、小さい音で日本のロックミージックが流れている。

私「あ!もしかしてこれって、酪農で牛にモーツァルトを聴かせる的な感じで、蚕にロックを聴かせてロックな繭を作らせるとかですか!?」

松山さん「あ、いや、違います」

違った

このザルの上に桑の葉を敷いて
蚕を飼育したりするそう

松山さん「今ここにいるこの子達がちょうど5令ですね。
あと2日もしたら繭を吐き始めます。今「眠(みん)」に入っています。

私&P嬢「眠に入っている…」

密田さん「大きさを揃えながら育てるのが難しいんですよね」

松山さん「そうなんですよ。繭を吐き始めるのが同時じゃないと、繭の完成が同時にならない。

繭が同時に完成しないと、先に出来上がった個体が繭を突き破って出て来てしまって、製品にならなくなる。

かと言って一番最初のが出来上がったところで止めると、最後に作り始めた繭が小さいままで終わってしまう。

だから1つのグループごとに、全員同じタイミングで繭を作り始めさせ、完成のタイミングを合わせることが大事なんです。」

私&P嬢「なるほど〜〜〜〜!原料である繭のサイズが揃っていないと、そのあと機械に通すときに苦労するし、完成品の質が左右されますよね。

松山さんがいい仕事をしてバトンタッチするから、次の仕事が楽に始められるってわけなんですね!」

松山さん「もう、繭が完成するまではずっと気が抜けませんよ(笑)」

こちらが養蚕の松山さん
野村町に移住してから、密田さんにはいろんなことを教えてもらったそう
みんなで知恵を絞って伊予生糸「カメリア」を作る
運命共同体なのです

終わりに

今回お邪魔させていただいた伊予市野村シルク博物館
歴史的に重要な資料が多数保管されているだけではなく
実際に博物館横で生糸を製造・販売していて、お隣に養蚕農家さんもいるという、とても稀な大人の社会科見学スポットだった!!

当博物館では、一年かけて養蚕から製糸までを自分で行う教室を格安で実施しており、そのプログラムを通じて蚕を育て、糸にし、染色して織物にすることもできる。

ただし現在は養蚕農家さんが少なく、原料となる伊予生糸の蚕「改良あけぼの」の育成が追いついていないそう。

・全国の小物作家さん、テキスタイル作家さん、アーティストの方で、養蚕から手掛けてみたい方。
・養蚕農家さんになることに興味のある方

ぜひ伊予市野村シルク博物館の館長、密田さんまで連絡して欲しい!!

こんな素晴らしい場所を紹介してくださったSさんに心から感謝しながら
心穏やかに眠に入る山下絵美だったのであった…


いいなと思ったら応援しよう!