巡礼の道標
ひとつの石が開いた 眼のなかに
時は瞬き 道を告げた
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その節穴の目を持つ者よ
その節穴に気息を満たし
わたしの言葉を活けなさい
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目を閉じた視線の彼方に
言葉は走り熱い涙の海を創った
空と大地の狭間に星は瞬き
水脈はさだめてその道を記した
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その節穴を持つ者よ
気息とともにその星を飲み干しなさい
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その者は器となってその海に星を映した
そして言葉は大地に微笑みを贈った
こわれそうな時間をわたる旅人のもとに水脈は結ばれ
足もとの花はその揺らぎのなかで旅人を見た
それはあらゆる感情を貫いた 一服の清涼剤だった