2
3
「ただいま。」
「あ、お帰り〜。」
こうして機嫌がいいときは、たいてい知らない匂いがする。
「ご飯、出来てるよ。好きでしょ?ハンバーグ。」
ボクの好きな料理。けど今は好きじゃない。だってそういうときはいっつも知らない匂いがする日だから。そんなくらいなら、好きなご飯もいらないのに。
「うん、ありがとう。……好きだよ、ハンバーグ。」
嘘だ。本当は嫌いだ。キミが知らない色に染まってくみたいで。
考えると、夜も眠れないほどに。キミを遠くへ行かせたくないよ。
淡いピンクが終わりを迎え、ブルーになる。
それはきっともうすぐなのだろう。
4
ふたりぼっち
そんな世界でキミといたい。もうどこにも行かないで欲しい。
手を握りしめておくから迷わないで。
でもキミはそんな世界でも誰かと会うのだろうか。いつからキミは、変わってしまったのだろう。
一生の約束をしたダーリン。いなくなるのなんて寂しいよ。いつもここにいてよ。迷いそうになったらぎゅって掴むから。
「どこにも行かないで。」
涙が溢れた。
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